第36回日本SF大会「あきこん」・雑観


以下は、97年8月23, 24日に広島で行われた、第36回日本SF大会「あきこん」に参加しての雑観です。

 22日、金曜日。昼前に起床。メシを食った後、新幹線にて広島へ。広島は、私が大学時代を過ごした土地。広島駅にて友人の車を待ち、合流。「ところで、日本SF大会ってどこでやるの?」って聞くと、我々・当日参加二人組は、お互い開催場所を知らないことが判明(笑)。どっちかが知っているだろう、と思っているとこういうことになる。

 多分「SFマガジン」を見れば出てるだろう、ということになって、本屋を回る。そう、「SFマガジン」は、あんまり広島の本屋の店頭にはないのだった(爆)。広島の市内を車で走り回って、ようやく「マガジン」を見つけた。そのページを繰って「あきこん」の案内を見る。。。が、場所が書いてない。

 何考えとんじゃ、こいつら。「案内」っていうんなら場所くらい書けよ〜。結局、広島のタウン情報誌の中に「あきこん」の情報を発見。プリンスホテルと判明。安心したところで宿泊先へ、寝る。

 23日土曜日。朝、起きる。車で会場のプリンスホテルへ。ここは新しいホテルで、私が大学にいたころはなかったところ。しかし、誰が使ってるんだろう?交通の便があんまり良くないんだよね。

 10時から、ということなんで9時30分に行くと、まだ受付できない、という。しょうがないので引き返して喫茶店で朝飯。で、戻ってくると、いきなり行列ができている。待たされる。当日参加者も事前申込者も待たされていた。何がどうやったらこういうことになるんかね。せめて待たせてる間にプログラムブックを配るとかすれば?

 入場・受付。当日参加費は2万円。これがもうちっと安ければねー。文句も言わないんだけど。聞いた話では大分黒字らしいじゃんか。綺麗なアフターレポートなんかいらないから、参加費を安くして欲しい。

 プログラムのタイムテーブルを見ると、噂に違わず企画がスカスカ。これは、スタッフの人は楽でしょう。実際どうだったかはしらんけどね。で、オープニング会場が開かれるのがずっと先らしい。ヒマヒマ。

 んー、誰かいないかなーと周囲を見渡すと、いきなりお辞儀をしてくれてる方が。へっ?と思ったら菊池誠@大阪大さんだった。いやいやどうもどうも先日は、と日本人的挨拶を交わし、さらに山岸真さんや水鏡子さんや岡田靖史さんらをご紹介頂く。同時に早川の清水さんと名刺交換。「SFマガジン」の売り上げ実売を聞くが、教えてくれませんでした(苦笑)。
 いやー、いま振り返ってみても、この時がSF的に一番濃かったかもしれないです、私にとっては(爆)。話題は「ティガ」だし(笑)。番組、最終回を前にしてなんだか盛り上がってるんだって?

 菊池先生は「管野美穂ですよ、管野美穂!見ました?」って。「何するんですか、奥さんもいるのに」って言ったら、「やだなあ、僕は純粋に美を堪能したいだけですよ!」と、どっか遠い目をして仰ってました。

 で、やっぱりやることがないのでブラブラしていたら、金子隆一さんを発見。約束のビデオを渡す。

 オープニング。予定より遅れているのを「いいのいいの、俺の時計ではまだ時間あるから」と、ごまかす司会。こういうのを寛大な心で許す奴もいるんだろうが、俺はそういう仲間だから許してくれるでしょ的な、ちゃらちゃらしたのは大嫌いだ。まず詫びろ、オープニングもちゃんとはじめられんのか、このバカ!だからオタクだって言われんだよ!!!と、マジでブーイングしたくなる。しかし僕も一応大人なので我慢。しっかし、みんな良く怒らないね。ここがSFな人たちの良いところでもあり悪いところでもあるんだろうけど。

 さらに「広島はあまりコンベンションのなかったところ」と続ける司会。確かに、ここ6年くらいなかったけど「ヒロコン」は?「6」まで続いたんだぜ?まさか知らないわけじゃなかろうに、意図的に無視してんのか? と、ヒロコンスタッフだった事もある(それが今回この大会を見に来た理由の一つでもあった)俺は思う。むかつき指数はかなり上昇。
 実行委員長はあがりっぱなし。ま、それはどうでも良いんだけど。

 しかし、楽しむためには「あー楽しいなー」と自分で思うことが大切だ、と言い聞かせて楽しむことにする。

 オープニング終了後、柴野先生に御挨拶。「会社やめたんだって?どうするの?知らないぞ〜」と脅される(笑)。いやー、本当にどうなるんでしょう、僕も知りたいです。どこへ行こうか、と思っていると大森望さんを発見、御挨拶。どうも遅くなりまして。。。

 最初は金子さんのエディアカラ動物群の企画へ。ここでも大会運営側の不手際ばかりが気になる。俺には関係ない、と思うことで無視する方針を取る。でないと腹立っちゃうからね。企画の内容、というか金子さんの話は(ちょっと大学の講義みたいだったが)面白く、貴重なスライドも見られたので満足。

 「女性はSFを読まないのか」に結構引かれるが、入りずらい雰囲気で逃げ出し、「Science Adventure」を経由して「ハードSFのネタ」の部屋へ。うーん、でもまたこの話か、って感じで、「コンピュータ業界」であるとか、「SFアート」であるとか、企画部屋をブラブラ放浪。

 どうも僕自身に堪え性がなくなっているらしく、長時間一つの企画部屋にいることはできなかった。で、企画から企画へと(というほど種類もないのだが)ブラブラして、疲れる。せめて人がもっとたむろしていられて、ちゃんとした椅子と無料の茶のあるスペースがほしかったなー。

 ブラブラしてると、金子さんから小松左京氏や松井孝典氏を囲んでの、立食パーティーに誘われる。今晩、ファンの有志で行われるから、とのこと。サイエンス・アドベンチャーの後企画。うーん、どうしようと悩みつつ、二人で一瞬だけ「NHK子ども番組の部屋」へ行く。おい、あれは著作権にひっかかってるぞ。いてもしょうがないので、そこを出て、「海外SF初心者」へ。翻訳者の方々がSFを薦める、あるいは自分が訳したものを宣伝するスペース(笑)。ここには結構長居。

 出るとイラストレーターの田中光さんにばったり会う。この会場は広くって、一度見つけた人でもすぐ見失ってしまうのだなー。廊下で雑談。「アフターヌーン」が薄くなってSF色が濃くなるらしい、とかなんとか。「エヴァンゲリオン研究序説」のかぶとぎ氏は自分で会社を作ったんですねー。偉いなー。仕事はできるウチにやろう、っていう話になる。頑張りましょう&頑張って下さい。

 その後「わくわくが足りないよー」に行く。すごいマジメかつ不毛な議論。つまり、コアなSFファンと、ライト系SFの読者は重なっているかどうかっていう話ね。こんなこと、議論することではなくて、調査すべき事。深夜企画というかダベリ部屋でやれば、良い企画だと思うんだけど。

 立食パーティーには、結局迷った末、参加。小松左京氏と松井孝典氏らの前でのビデオ上映。うひゃーと思いつつも、バクバクとメシを食う。メシはうまかった。会費が高いだけある。番組をわざわざご覧頂いた方々、どうもでした。

 10時すぎに立食パーティー終了。掲示板には深夜の自主企画が告知されているか、と思ったのだが、それほど書かれていない。連れも眠たがっていたので、帰ることにする。車で後輩の家に。するとみんなで「ザンボット3」を見ている(笑)。僕らが合流したときには既に壮絶な状態になっていて、最終回まで見てだべった後、明日に備えてかどうか分からないが、ガーガー寝る。

 朝、目覚ましで起きる。メシを食った後、再び会場へ。

 しかし、今日はあんまり魅力的な企画がないんだよなー。「トンデモ本大賞」なんか見てもしょうがないし。見るよりも読むモノですよ、あれは。

 しょうがないのでとりあえず「スーパーロボのぼ」をちょっとだけ見た後(これは結構まあまあだったんだけど、僕自身が一カ所にいることに耐えられない)、ブラブラする。

 「SF図書館員」を覗いたが堅そうな雰囲気に逃げ出して、「来年・再来年の日本SF大会」へ。ちなみ来年は「CAPRICON1(この時はメイコン4(仮称)だったけど)」、再来年は「やねこん」。リンゴジュース、おいしかったです。「CAPRICON1」は都市型、「やねこん」は完全合宿。

 「ファースト・コンタクト・シミュレーション」は火星をテラフォーミングした後、生物を持ち込んだらどーなる、っていう話。これを途中まで聞いて「ロシアSFの部屋」へ行く。が、なかなかはじまらないので「ファーストコンタクト。。」に戻る(笑)。ごめんなさい。取りあえず、トビウオはプランクトン食ってるから、肉食じゃあない、と思います(笑)。

 エンディング。なかなか始まらないので、帰ろうか、っていうと連れに「一応最後まで」と引き留められる。仕方ないので見てたが、別に見ても見なくても同じだったなー、当たり前だけど。結局、駐車場が混む前に、ということでさっさと会場を離れた。お好み焼きでも食って帰るか、と思ったのだが、広島は日曜日お店休みなんだよね。忘れてた。しょうがないのでコンビニ弁当を後輩の家で食う。ダラダラと過ごした後、駅まで送ってもらう。

 午前1時ごろ、帰宅。留守電とメールをチェックする。来てる来てる。山のようなメールを処理。
 午前4時、話に聞いた「コクラノミコン管理委員会」のウェブページを見る。いやー、聞いたとおり、こりゃー凄いわ。だって「訴状」だよ!?よくみんな問題にしないよなー。まあ、参加してない俺には関係ないことではあるのだが。

 SF大会に限らず、だいたいこの手のイベントというのは、本当は人に会いに来るのが第一義で、企画は2の次なのである。だが、今年みたいに都市型で、企画があまりに少ないと、知り合いのあんまりいない初参加者はやることもなくて、大分困ったんじゃないかなー?疎外感があるんだよね、SF大会って。俺もファンダムとかにはあんまり関係ない人だから、退屈だった。市内からも遠いから、気軽に遊びに行くこともできないし。せっかくの都市型なんだからもっとバカスカ企画が欲しかった、これに尽きる。2万円も払ってこれでは、という気がしなくもない大会でした(考えると腹が立つから考えないことにしてるんだけどね)。大会主催側は、もっと初心者の事を考えてね。愚痴は、以上。


以下は、他の人による感想。リンクは勝手に張ってます。
しかし、何でみんな「お好み村」に行くんだ?あそこのお好み焼きはマズイってんで広島市民には有名なのに。