独断と偏見で選ぶ
ベストサイエンスブック2002

結果
03.01.31現在(締め切り:2003年1月31日)
有効投票数:39(合計195点 うち棄権8点)

コメントは、頂いた方の分のみ掲載しています。
各得点はコメントを付けて下さった方の投票分のみではなく、各書籍が獲得している合計点です。ご了承下さい。
なお今回は、各オンライン書店へダイレクトリンクを張ってみました。ご利用下さい。


11点 『全地球史解読』(熊沢峰夫 編者/東京大学出版会 2002.10)
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■タイトルからして壮大。興味深いテーマ満載。マンガ的イラストも楽しい。(福中儀明さん)

9点 『言語の脳科学』(酒井邦嘉/中公新書 2002.7)
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■言語学をサイエンスにしようという主張には大いに共感します。それが主題というわけではありませんが。(SAKAMOTO Junさん)
■後半のバイリンガルの研究の部分が印象に残っています。(原靖さん)

8点 『検証・なぜ日本の科学者は報われないのか』(サミュエル・コールマン 岩館葉子訳 文一総合出版 2002.4)
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■日本の科学技術政策や日米の研究者の違いについて何か考えたいなら必読。(最上嗣生さん)
■ 一番、印象に残った本でした。書かれている事はまさに我々が当事者意識をもって取り組むべき問題ですから。。(りんさん)
■OBIに知り合いがいた立場から見てインタビュー内容とその考察に素直にうなずきました。こういう研究に予算がつくというのにも感心。文化系の「科学者」についての研究というのがこういう風に科学コミュニティにとっても役に立つものだったら、と思います。(落合哲治さん)
■誰もが知っていた日本の研究体制の問題を、丹念な調査研究によって浮かび上がらせた希有な本です。研究体制云々を言うには、個人的な感想だけでなく、ここまできちんと研究しなければならないということを明確にしたわけで、これからの「研究問題」研究には相当なハードルが課せられたな、という思いがします。(榎木英介さん)

7点 『ゾウの耳はなぜ大きい? 「代謝エンジン」で読み解く生命の秩序と多様性』(クリス・レイヴァース/早川書房 2002.7)
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■「象の絵が表紙だから」というのも半分本音ですが「温血動物(哺乳類)が上等で、冷血動物(爬虫類)は下等」となんとなく思い込んでいたことを思いっきり霍乱されました。特に「恐竜は温血動物か?」というあたりは、その論争についてとても丁寧に書いてあったので、興味深かったです。(みやのさん)
■論理の鮮やかな切れ味と、目からうろこが落ちるような視点に感動しました。(柏井勇魚

7点 『痴呆の謎を解く アルツハイマー病遺伝子の発見』(R.E.タンジ、A.B.パーソン共著/文一総合出版 2002.9)
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■アルツハイマー病遺伝子の解明競争の現場が、当事者によって生き生きと描かれており、読んでいてわくわくしております。21番目の染色体の話は、特に、いろいろ考えさせられました。(橋本公太郎さん)
■実際にどの程度まで単一の蛋白にアルツハイマーが帰着できるのかはさておき遺伝子の世界における研究の雰囲気がよく描けているなあ、ということで。(落合哲治さん)
■記憶にまつわる本は、私にとってはホラーだ。自分を束ねている記憶がズタズタにされる病を追いかける人々。その様子が、アルツハイマー病に冒された母親を持つ一家のストーリーとともに綴られていく。病の現実と研究の現実。その二つを射程に入れたつくりは圧倒的だった。(鈴木クニエさん)

5点 『生成する生命―生命理論〈1〉 哲学文庫―叢書=生命の哲学』(郡司 ペギオ‐幸夫/哲学書房 2002.8)
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■このような本が出版される日本は、不況、出版不況といえど捨てたものではない、と思う。この本の語っていることは、数千年の歴史を持つ知の体系が、あらゆる角度から攻めても難攻不落な「難しい問題」である。そして、難しさを語り周辺をうろうろするだけではなく、問題に身を窶している。おそらく、この本は「フィネガンズ・ウェイク」よりも翻訳困難だろう。この本を母国語で読める幸福を噛みしめたい。(羽尻公一郎さん)

5点 『心でっかちな日本人 集団主義文化という幻想』(山岸俊男/日本経済新聞社 2002.2)
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■おそらくこれを挙げる人は他にいないのではないでしょうか。一見人文社会学のような題名ですが、真の社会「科学」があるとしたらきっとこのようなものなのでしょう。(小田 亮さん)

5点 『火星探険』(旭 太郎作 大城 のぼる画 嶋崎 治子編/発行=透土社、発売=丸善 2003.1 *下記・注にある理由により、あくまで「特例」として認めます)
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■作品は釣り針だ。本を探して・買って・読むのは、糸を結んで狙ったポイントに釣り竿を振るような行為だと思う。啓蒙(Enlightenment)的な作品は、針を読者の頭に引っかけ、未知の地点まで読者の思考を飛ばしてくれる。いや、すぐれた書物というのはすべてそういうものなのかもしれないが。『火星探険』は旭太郎(小熊秀雄)原作・大城のぼる画のマンガで、本書は中村書店1940(S15)年刊・三色刷り単行本の、一色刷り普及版である。天文台で星の世界の研究をしている星野博士(ネーミングがいいですね)の息子・テン太郎くんが、相棒のニャン子とピチクン(猫と犬。もちろん二足歩行)とともにロケットで火星にゆく。そこでは驚くべきことに…というお話。「腹にトマトが!」のエピソードには文字どおり抱腹ものだ。「あの三色刷り、あの科学知識、そしてあのおなかにトマトが生える奇想天外さ」と手塚治虫が絶讃し、「品の良さ、科学的情報の先進性、楽しさあふれる物語――1940年頃にこんな素晴らしい漫画は世界のどこにもなかったはずだ」と小松左京は回顧し、「これこそが、いまのわれわれの仕事に直接つながる遠い母胎、母なる大地だったのだと」と松本零士が感嘆する、啓蒙性を多分にもちつつセンスオブワンダーが横溢した楽しい物語である。また、既発表の『火星探険』関連対談・解説・評論などを精選収録し、作品目録などを付した丁寧な編集にも好感がもてる。サイエンスの入門書として、自分の釣竿(読書)で自分を遠くまで(火星まで!)飛ばすような体験をもたらす書物として、ベストブックに推すに足りると信じます。
(注)本書は02年12月の発売だが、奥付発行日は2003年1月20日。発行元の透土社は本書発売以降に編集活動を一時休止している(販売・流通は通常どおり)ため来年に投票するわけにいかないので、この点ご容赦ください。 (斎藤宣彦さん)

5点 『数学にときめく あの日の授業に戻れたら』(新井紀子/講談社ブルーバックス 2002.6
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■類書が少ないということで。(鴨 浩靖さん)

5点 『カウフマン、生命と宇宙を語る 複雑系からみた進化の仕組み』(スチュアート・カウフマン/日本経済新聞社 2002.9)
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■科学書というよりは思想という感じで、しかも思想として読もうとすると議論が稚拙だという印象もあります。それでも新しい法則を求める著者の熱意のためか、そこに何かあるのかもしれないと思わされました。(矢吹さん)

4点 『量子宇宙への3つの道』(リ−・スモ−リン/草思社 2002.7)
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■なんといってもこんな本を出すのも,翻訳して売ろうというのも,すごく大胆なことだ。理論屋でもLoop Quantum Gravityやってるのは少数派(と思う)。興味はあるんですが,なかなか手が出ない・・・理由は,Bogdanov論文と区別がつかん!(冗談50%以下含有)!しかし御大が自信を持って書いた本書を読めば,きっとあなたもLQGの信奉者に・・・?やっぱ宗教っぽいなー(うそ90%以上含有)。どうして邦題は『量子重力』でなく『量子宇宙』なんですかねえ。(白石清さん)

4点 『ミトコンドリア・ミステリー 驚くべき細胞小器官の働き』(林 純一/講談社ブルーバックス 2002.11)
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■この本は、著者が長年研究対象にしてきたミトコンドリアの謎解きの面白さを、失敗談も交えて、紹介したもので、飽きずにワクワクして読み終えることができた。教科書的になりがちな基礎の研究内容を、このように面白く書いた点を評価したい。高校生や大学の1,2年生に薦めたい本である。(匿名さん)

3点 『植物のかたち その適応的意義を探る』(酒井聡樹/京都大学学術出版会 2002.5)
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■著者の主として卒論〜修論の研究展開の記録。とでも云えば良いのでしょうか。研究(学生)生活における日常のヒトコマなどを交えながら の,研究内容の展開の様子がライブ感満点です。この著者はこう云うのを書くのが本当に上手ですよね。専門外のヒトでも十分楽しく読める本です。僕も全く の分野外ですが,学生にも一読を勧めたい。(松山達さん)

3点 『知の歴史 世界を変えた21の科学理論』(nature特別編集/徳間書店 2002.10)
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■20世紀の科学の歩みを、丁寧な解説と美しいカラー図版で概観できる。元論文の日本語訳もついているので、学生や院生の皆さんにはぜひ図書館等で原文も入手し、読み比べてみる事をオススメします。(りんさん)
■Nature誌に掲載された論文のうち,各界の第一線の科学者が選んだ21編の論文の邦訳と,選考者による内容解説が掲載されています。その論文が当時の世界に与えたインパクト・その後の世界に与えた影響なども知る事ができ,専門外の人間でも面白く読みやすい本だと思います。(酒井 優さん)

3点 『「無限」に魅入られた天才数学者たち』(アミール.D.アクゼル/早川書房 2002.2)
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■多くの数学者達が呑みこまれていった『無限』という概念の奥深さを,まざまざと思い知らせてくれた本だと思います。あと,青木薫さんの訳がとても読みやすいです。(酒井 優さん)
■無限はやっぱり魅力的。もちろんトラップも多いけれど。ただ、数学が苦手な人には少し読みにくい内容かも知れない。無限について取り組んだカントールの話は、何度でも読みたくなるから不思議。(鈴木クニエさん)

3点 『最新恐竜学レポート』(金子隆一/洋泉社 2002.5)
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■「恐竜博」の事前予習として読んだのですが、軽いノリながらも研究過程や裏話やトンデモに対する批判と盛りだくさんで楽しめました。中国の偽造化石や、化石の流出についての話もなかなか面白かったのですが化石の大きさにしのぎを削っている話を読んだあとで、幕張で巨大な化石を見たら感慨もひとしおでした。(みやのさん)
■恐竜に関する自分の知識がいかに古くなっていたか、思い知らされた本。それと同時に、骨格標本の水増し疑惑といった業界の裏側が窺えて興味深い内容でした。(馬場裕之さん)

3点 『科学の大発見はなぜ生まれたか 8歳の子供との対話で綴る科学の営み』 (ヨセフ・アガシ 著 講談社ブルーバックス 2002.12)
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■真理を求める人間の営みは、各時代の定説を覆しながらどこまでも続いていく。本書はそうした科学史の歩みを易しい表現で見事に描き出している点が魅力的。特に高校生諸君、この名著を手軽に読めるチャンスにせっかく恵まれたのだから、決して逃すな。(K.Ogiharaさん)

3点 『暗号化 プライバシーを救った反乱者たち』(スティーブン・レビー/紀伊國屋書店 2002.2)
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■この本が去年いちばんワクワク読んだ本だったと思う。シーザー暗号などから始まり、戦争とともに発展し、エニグマなどいくつもの金字塔をたどる話も面白いけれど、この本のように公開鍵暗号に焦点をあてた本を待っていた。やっぱりドラマがあると、引き込まれちゃうものです。(鈴木クニエさん)
■これは燃えます。暗号と言えばサイモン・シン『暗号解読』がありますが、それとは違い、この本は暗号の中でも公開鍵暗号だけを扱い、暗号の数学的・技術的側面よりも人間的・社会的側面に焦点を合わせています。そのため登場人物の幅が広く、公開鍵の発明者ディフィーや RSA のリヴェスト、あるいは彼らの背後に姿の見える「アルゴリズムのジェダイ・マスター」クヌースのような計算機科学の人間だけでなく、経営的に崩壊寸前の RSA 社を支えた人物から NSA 長官まで、多種多様です。この本の一番最後、裏の社会での公開鍵暗号の発明者から、表の社会での公開鍵暗号の発明者とそこから始まった社会運動へ送られた言葉が、地味ながらもかなり良いです。(上原子 正利さん)
■今年一番、読んでいて楽しかった本。新しいインフラになりつつある公開鍵暗号を中心に据えて、著者らしい丁寧な取材で多くの物語を掘り起こしてくれている。(buruさん)

3点 『進化論という考えかた』(佐倉統/講談社現代新書 2002.3)
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■自然主義と人間主義をリンクさせる「生物学の哲学」や「第三の文化」としての進化論の可能性(さまざまな現象をつなぎ合わせる文脈生成機能=個別現象への意味付与機能=科学技術と社会との往復運動を橋渡しする物語機能)が展望される。読者の思索と実践を促す論点や素材の提供に徹した刺激的な読み物。(中原紀生(中塚則男)さん)
■進化論という思考の枠組の概説だけに留まらず、さらにその思考の対象を意識や社会、情報にまで発展させる。面白くてわかりやすく、進化に興味を持つ人全てにオススメしたいと思いました。(りんさん)
■進化論を生物学の一分野にとどめず、広く人文系の学問までも取り込める可能性を示してくれている。多少、大風呂敷の感じがしなくもないけど、個人的には今後に期待大。(buruさん)

3点 『人間はどこまで耐えられるのか』(フランセス・アッシュクロフト/河出書房新社 2002.2)
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■高温、高圧、高度、低温など、いろいろな極限状況に人間が生身の体で立ち向かうとどうなるか? そうしたトピックを支えるのは生理学。究極の過酷な事態は、もちろん宇宙空間だろう。自分の体を確かめながら読める、とても楽しい本。(鈴木クニエさん)
■人間にとっての限界とは…という視点で、人体のしくみが理解できる。この限界が人の挑戦と犠牲によって判明するということにもあらためて感心。(舞木裕さん)

3点 『ウニの赤ちゃんにはとげがない』(葛西 奈津子、松橋 正一/恒星出版 2002.8)
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■実際に海に出かけて、体験したことのある人にしか書くことのできないようなことや、非常にマニアックな種類も取り上げられているのが好感持てます。また、それが著者自身の書いたスケッチがきれいでわかりやすく、身近に感じられて良いです。(東出幸真さん)

3点 『ユーザーイリュージョン――意識という幻想』(トール・ノーレットランダーシュ 柴田裕之訳 紀伊國屋書店 2002.8)
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■ちょっとどうかな、と思うところもあるけれど、情報と意識についてできるかぎりの知識を動員しているところに敬服。(森下一仁さん)
■個々の話題はそんなに目新しいわけではないのですが(宗教の話は別にして)、それらがまとまってひとつのストーリーになった結果がすばらしいです。読者の興味の範囲が狭い意味での認知科学だけだと、導入部の計算の物理学で止めてしまうかそこを飛ばしてしまって全体のストーリーを捕らえられなくなるかもしれません。(矢吹さん)

3点 『新ネットワーク思考 世界のしくみを読み解く』(アルバート=ラズロ・バラバシ/NHK出版 2002.12)
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■複雑な事象を統一的に扱うためのアプローチとして。ウィルソン「知の挑戦」(角川書店)や今井淳・寺尾宏明・中村博昭「不変量とはなにか 現代数学のこころ」(講談社ブルーバックス)も併読することをお薦めしたいが,とっつきやすさ,日本語の読みやすさ,ひっかかる点(つまりは検証したくなるような好奇心を掻き立てられる点)の多さ,学問的営為としての面白さ(NatureやScienceに投稿したときのやりとりとか),どれを取っても,この方面で1冊選ぶなら本書であろう。(中澤 港さん)
■この投票システム(1月から12月)だとあまり票を獲得できないかもしれません(私も手にしたのは2003年になってからです)。インターネットなど馴染み深い対象についての最新(参考文献に2002年の論文が入っています)の結果が紹介されていて、研究の最前線がわかったような気分にさせられます。このような本の翻訳が2002年に出るということもすばらしい。(矢吹さん)

2点 『マンガ 超ひも理論 我々は4次元の膜に住んでいる』(川合光 編著、高橋繁行 作画/講談社 2002.12)
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■最近、バイオ、ナノテク、ITに押されている(ように私には思える、でも)素粒子論もまた超ひも理論で話題がでてきたように思え(マンガ自体はイマイチか?)投票します。また80年代頃のように日ごとに新たな理論がでてくるようにならないかなと思います。(原靖さん)

2点 『メディシン・クエスト 新薬発見のあくなき探究』(マーク・プロトキン/築地書館 2002.5)
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■生き物が作り出す薬品による驚異的な治癒例が目白押しで、読んでいて魅了されます。(橋本公太郎さん)
■ 生物多様性や伝統文化保護の重要性を改めて考えさせられました。(りんさん)

2点 『「異脳」流出 独創性を殺す日本というシステム』(岸 宣仁/ダイヤモンド社 2002.1)
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■中村修二、柳沢正史、真鍋淑郎など、日本の頭脳はなぜ海外に行かねばならなかったのか、その理由を丹念なインタビューと取材で明らかにしています。とにかく丹念な取材が類書とは違い、日本の研究システムの欠陥を明確に、説得力を生み出しています。この点を高く評価して投票します。(榎木英介さん)

2点 『死体につく虫が犯人を告げる』(マディソン・リー・ゴフ 垂水雄二 訳/草思社 2002.7)
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2点 『惑星学が解いた宇宙の謎』(井田茂/洋泉社新書y 2002.5)
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2点 『ニュートリノは何処へ 宇宙の謎に迫る17の物語』(ジョン グリビン/シュプリンガー・フェアラーク東京 2002.12)
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■読みやすい文体で、現代科学特に天文学の新鮮なトピックを扱ったエッセイ。たいへん面白いです。太陽ニュートリノ問題での、天文学の実測(実験結果)と量子物理の理論とのおいかけっこが、大変に興味深いです。(久枝アリアさん)

2点 『人間科学』(養老孟司/筑摩書房 2002.4)
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■モノの見方を変えるとモノが違って見える。違って見えるモノは、違って見える前のモノとは違うモノなのだろうか。それともモノそれ自体は同じなのだが、ただそれが違って見えるだけなのだろうか。「養老学」の到達点が見え始めた。(中原紀生(中塚則男)さん)

2点 『天才の栄光と挫折 数学者列伝』(藤原正彦/新潮社 2002.5)
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■いくつかの数学上の大発見に関する良書を読むうちに,数学者達の人生(ある発見に至るまでの過程)に興味をもつようになりました。この本では,天才的な数学者達の数奇な人生が,同じく数学者である著者の視点から語られている点が興味深いです。ラマヌジャンに対するコメントは,ラマヌジャンと同じ数学者としての視点をもつ者からの,哀悼の念のように思えます。(酒井 優さん)

2点 『制御工学の考え方  産業革命は「制御」からはじまった』(木村英紀/講談社ブルーバックス 2002.12)
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■あまりにも知られていない制御工学という分野を一般向けに紹介した良書。ずばり言おう。この本は必読である。欲を言えばもう少し高度な内容を盛り込んでも良かったかも。(梶田秀司さん)

2点 『脳の履歴書 幹細胞と私』(藤田晢也 岩波書店 2002.6)
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■藤田先生にはもっと本を書いてもらいたい。脳の働きから人間に迫る、いちばんの王道にいる人だと思います。(森下一仁さん)

2点 『宇宙へのパスポート ロケット打ち上げ取材日記1999-2001』(笹本祐一/朝日ソノラマ 2002.1)
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■ロケットへの愛に満ち溢れたこの本はロケット好きのバイブルじゃないでしょうか?(柏井勇魚
■宇宙への夢をかきたててくれる好著。(ひらやま ひろゆきさん)

2点 『火山はすごい』(鎌田浩毅/PHP新書 2002.5)
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■火山の魅力をとにかく伝えたい!という著者の気概が伝わってくる、熱い本。(馬場裕之さん)

2点 『なぜ牛は狂ったのか』(マクシム・シュワルツ/紀伊國屋書店 2002.5)
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■狂牛病騒動に関心を持っていなかったので出版時には意識してなかったのですが、後から何気なく読んでみてレベルの高さに驚きました。著者はパスツール研究所分子遺伝学部門長・元パスツール研究所所長とのことで、専門家ですが、ここまでバランスの良い専門家も珍しいのでは。専門家でなければ書けないであろう内容の深さで、専門家が書いたとは思えないわかりやすさです。何より、この分野の研究の歴史がおもしろい。狂牛病というテーマは特に珍しくもないし、文章には読者を煽るような雰囲気も無く、内容的にも特に新しい事が書かれているわけでもないようで、一見地味で埋もれがちな本かもしれませんが、広く読まれる価値のある優れた本だと思います。(上原子 正利さん)

2点 『これから論文を書く若者のために』(酒井 聡樹/共立出版 2002.5)
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■科学論文を書く人は是非目を通して欲しい一冊。論文執筆の「お約束ごと」がわかりやく書かれています。(橋本公太郎さん)
■書名には「若者のために」とありますが、世の中に出回る稚拙な論文の量を考えると、この本の内容は対象を「若者」に限定したものではないでしょう。この本には、わかりやすく面白い論文を書くための本にふさわしい、わかりやすさと面白さがあります。“アルプス一万尺”の替え歌“論文書きの歌”に沿って議論が進められるのですが、この歌もよくできています。この一年だけで「イントロ大切なーにをやるのかどうしてやるのか明確に」と何度歌った事か、というか、歌わざるを得ない気分になった事か。この本とほぼ同時に発表された同じ著者の『植物のかたち』は、内容的にこの本を補うもので、著者が学生時代にどのようにして研究に慣れていったかが描かれています。そちらは、おもしろい上に、科学書なのに読んでいて笑わされるという、珍しいものです。なお、この本の扱う話題は、論文の意義やそれぞれの章でどういう事を書くべきかという抽象度の高いもので、パラグラフの考え方や論理などの具体的な文章技術は重視していません。そのため、技術的な文章に接した経験が少ない人にはその面でこの本を補う物が必要ですが、2002年の終わりに、傑作教科書『論理学をつくる』の著者戸田山和久がそのような新作を発表しました。その本、『論文の教室』は、『論理学をつくる』の著者だけあって質の高さは間違いない上に、かなり笑えます。酒井氏と戸田山氏は、分野こそ全く違うけれど、同じ年代で同じような方向性なのが興味深いです。単なる偶然なのか、それとも何か理由があるのか。(上原子 正利さん)

2点 『食べ物とがん予防 健康情報をどう読むか』(坪野 吉孝/文春新書 2002.4)
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■2002年は健康食品で死者も出ました。本書を読むと新聞に掲載された情報でも専門的見地から見ると鵜呑みにできないということがよく判ります。(青木みやさん)

2点 『200万都市が有機野菜で自給できるわけ』(吉田 太郎/築地書館 2002.8)
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■環境問題を考える上で、ひとつの提起になるかと思います。キューバの意外性にびっくりしました。(青木みやさん)

2点 『第二の創造 クローン羊ドリーと生命操作の時代』(イアン・ウィルマット、キース・キャンベル、コリン・タッジ /岩波書店 2002.3)
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■とっても勉強になりました。(青木みやさん)

2点 『天才と分裂病の進化論』(デイヴィッド・ホロビン 金沢恭子訳 新潮社 2002.7)
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■打ち出している説が正解かどうかはわからないが、読んでいてワクワクしました。(森下一仁さん)
■分裂病(総合失調症)に関するいろんな不思議な事象から、人の脳の進化について面白い仮説を導き出していて、読んでいて興奮させられた。脳に関する話しはやっぱり不思議で面白い。(buruさん)

2点 『遺伝子があなたをそうさせる』(ディーン・ヘイマー、ピーター・コープランド/草思社 2002.8)
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■人の社会的行動に関する遺伝子決定論は批判されることも多いが、脳内における化学物質の振る舞いがどれだけ人の思考に影響するか丁寧に説明してくれていて、勉強になった。(buruさん)

1点 『脳の方程式 ぷらす・あるふぁ』(中田力/紀伊國屋書店 2002.8)
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■ニューロン絶対主義のセントラルドグマから解き放たれた「リーマン紀元」後の脳科学がよってたつべき実在と原理が余すところなく示されている。これは驚嘆すべき「絵本」だ。(中原紀生(中塚則男)さん)

1点 『心の起源 生物学からの挑戦』(木下清一郎/中公新書 2002.9)
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■物質世界の入れ子としての生物世界、生物世界の入れ子としての心の世界、そして心の世界の入れ子としての超越者の世界にまで説き及ぶ、自然学と人文学に架橋した壮大な心の発生と展開と未来をめぐる物語。こういう読み物にめぐりあうと、心が躍動する。(中原紀生(中塚則男)さん)

1点 『小林秀雄全集別巻1 感想』(小林秀雄/新潮社 2002.6)
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■「一般科学啓蒙書」のカテゴリーをはみだしているかもしれないし、実は私自身まだ読み終えていないのですが、これだけははずせません。(中原紀生(中塚則男)さん)

1点 『理工系学生のためのキャリアガイド』(アメリカ科学アカデミ−/化学同人 2002.3)
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■最近,ポスドク多すぎる。で,この本。そういえば私は運が良かっただけですね。(白石清さん)

1点 『サルとすし職人 <文化>と動物の行動学』(フランス・ドゥ・ヴァール/原書房 2002.12)
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■「人間の立ち位置」について深く考えさせられる本だと思います。(柏井勇魚

1点 『数学七つの未解決問題 あなたも100万ドルにチャレンジしよう!』(一松信 他著 森北出版 2002.10)
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■クレイ数学研究所の7つの問題の解説。門外漢だけど数式がないと物足りないという人にちょうど良い。(最上嗣生さん)

1点 『不変量とはなにか 現代数学のこころ』(今井淳、寺尾宏明、中村博昭 講談社ブルーバックス 2002.11)
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■楽しく易しくて内容のある本。(最上嗣生さん)

1点 『日本の森はなぜ危機なのか 環境と経済の新林業レポート』(田中淳夫/平凡社新書 2002.3)
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1点 『化学するアタマ 論理的思考力を鍛える本』(ジョン ギャラット、テリー スレルフォール、ティナ オヴァートン/化学同人 2002.8)
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■科学啓蒙書というには、少し化学反応式が多すぎるかもしれません。とはいえ、化学がただの「暗記する学問」と思ってらっしゃる方には一読をお勧めします。ただ、すべて質問形式なので回答がヨコについているともっと楽に読めたもしれないので残念です。(久枝アリアさん)

1点 『シュワルツ博士の「化学はこんなに面白い」 知っているようで知らない日常の化学のはなし』(ジョン ギャラット、テリー スレルフォール、ティナ オヴァートン/主婦の友社 2002.5)
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■こちらはぐっと軽く柔らかい、日常に重きをおいた化学啓蒙書です。実際私たち自身も当然「化学物質」であり、他の「化学物質」に取り巻かれ、否応なくその恩恵に預かっています。そのメカニズムに興味を持ってもらうのには、いい本だと思います。(久枝アリアさん)

1点 『自然界の非対称性  生命から宇宙まで』(フランク・クロース/紀伊國屋書店 2002.3)
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■「対称性」と「非対称性」をキーワードにして、分子レベルから宇宙レベルまでのメカニズムを読み解く良書です。(久枝アリアさん)

1点 『ポケットに電磁気を』(勝本信吾/丸善 2002.10)
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■SFよりもSF的な現代テクノロジー=携帯電話をネタにして電磁気学を学ぶ本。高度な理論と技術を少しでも身近にしようという著者の志を高く買いたい。(梶田秀司さん)

1点 『ロボット入門 つくる哲学・つかう智恵』(たちすすむ/ちくま新書 2002.3)
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■ASIMOやAIBOの背後に存在する膨大なロボット工学の研究史と基礎知識が著者の視点でコンパクトにまとめられている。(ただし2足歩行ロボットの歴史については若干異議あり)(梶田秀司さん)

1点 『三葉虫の謎 「進化の目撃者」の驚くべき生態』(リチャード・フォーティ/早川書房 2002.9)
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■炭酸カルシウムの結晶でできた眼の話や、グールドの「ワンダフルライフ」後日談が興味深かった。(梶田秀司さん)

1点 『被曝治療83日間の記録 東海村臨界事故』(NHK取材班/岩波書店 2002.10)
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1点 『地球がもし100cmの球だったら』(永井智哉 文 木野鳥乎 絵/世界文化社 2002.9)
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1点 『ガリレオの娘 科学と信仰と愛についての父への手紙』(デーヴァ・ソベル 田中勝彦訳 DHC 2002.2)
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■生身のガリレオが伝わってくる。宗教裁判にかけられた罪状についても正確な理解ができた。(森下一仁さん)

1点 『たぐいまれな地球 今、私たちがここにいる不思議』(松本俊博 NHK出版 2002.7)
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■NHKスペシャルのまとめ。地球と宇宙の最新の関係を説いてこんなにわかりやすく、美しい本はないのでは。(森下一仁さん)

1点 『生き物をめぐる4つの「なぜ」』(長谷川眞理子/集英社新書 2002.11)
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■一般向けに、素朴ともいえる行動学的な疑問を解説したもの。必ずしも長谷川氏の専門領域だけの話ではなく、長谷川氏自身が「なぜ?」と思っている部分を追求している点が好感を持てる。(ひらやま ひろゆきさん)

1点 『《光世紀世界》の歩き方 ――近距離恒星の3Dガイドマップ――』 (石原藤夫/裳華房ポピュラーサイエンス 2002.11)
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■近距離恒星を太陽を中心としてマッピング。これまでの天文カタログ情報から、ここまで持ってきた力技に感服。(ひらやま ひろゆきさん)

1点 『単位が取れる力学ノート』 (橋元淳一郎/講談社サイエンティフィック 2002.6)
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■大学初年度向け参考書。大学受験参考書では既に定評ある橋元氏であるが、今回は微積分が使えるので、力学の本質的な部分に少しは踏み込めた?(ひらやま ひろゆきさん)

1点 『こんなにヘンだぞ!「空想科学読本」』(山本弘/太田出版 2002.5)
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■科学書というには、若干問題あるかもしれないが、科学する心はよっぽどあふれているので、ぜひ。(ひらやま ひろゆきさん)

1点 『テロメアの帽子 不思議な遺伝子の物語』(森川幸人/新紀元社 2002.5)
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■ごめんなさい、サイエンスブックにふさわしいかどうかわかりません。それこそ擬人化ばかり。でも、あれこれと自由に感じたり考えたりすることを「NG」と言いたくない本なのです。だって科学者だって自分の中に“イメージ”は持っていることが多いでしょ。イメージだけじゃないのが大前提だけどね。(鈴木クニエさん)

1点 『あなたはコンピュータを理解していますか?』(梅津 信幸/技術評論社 2002.11)
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■「コンピュータのきもち」と読み比べてみて、自分のレベルに適した面白さ、解りやすさがありました。(つぼうちさん)

1点 『X-ファイルに潜むサイエンス』(アン・サイモン著 熊井ひろ美訳 中村雅美監修 文一総合出版 2002.1)
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■生物学の入門書としてもさることながら、「X-ファイル」の科学監修者が、SFアイデアと現実の科学の折り合いをつけて物語のリアリティを上げるために試行錯誤する、その過程が楽しい。(馬場裕之さん)

1点 『ヴァーチャルリアリティ入門』(たちすすむ/ちくま新書 2002.10)
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■『ロボット入門 つくる哲学・つかう智恵』と対になる本。VRを達成するために必要な要素を概観したものとなっていて、現状のVRがどの辺りまでできるかがよくわかります。(馬場裕之さん)

1点 『物理学と神』(池内了/集英社新書 2002.12)
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■タイトルで損をしているような気がするが,一般科学書として物理学への親しみを感じさせるという意味では,実に良書である。物理学についての見通しが良くなった。これもバラバシと併読されるとよいと思う。(中澤 港さん)

1点 『胎児の複合汚染』(森千里/中公新書 2002.4)
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■環境関連では,倉阪秀史「環境を守るほど経済は発展する:ゴミを出さずにサービスを売る経済学」(朝日新聞社)も良かったし,高田純「世界の放射線被爆地調査」(講談社ブルーバックス)も入れたいのだが,ヒトの精子数についての扱いが,ぼくが4年前に岩波書店の「科学」に寄稿した筋に合っていたことと,千葉大でのさまざまな活動に敬意を表して本書に1票を入れる。リスク論についての触れ方もバランスがいいと思う。(中澤 港さん)

1点 『豚トントンの一生 生まれて、育って、そして食べられるまで』(本山ちさと/海苑社 2002.10)
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■食糧システムを考えるための一般書としては,エリック・シュローサー「ファストフードと狂牛病」(草思社)も日米欧における食の安全政策の現状を知るために良く調べられている報告だと思うし,赤池学「ほんとうの食べものを求めて」(日経BP社)も生産システムを考えるためにはいいのだけれど,たぶん消費者にとって最も大切だと思われる,生産と消費がどのようにつながっているかを実感してもらうために本書を推薦したい。(中澤 港さん)

1点 『オセアニア 暮らしの考古学』(印東道子/朝日選書 2002.11)
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■若干文章が読みにくいところが最初の方にあるのだが,途中から調子が出てきている。とくに第6章と第7章は素晴らしいと思う。オセアニア考古学関連の本としては,片山一道「古人骨は生きている」(角川選書)も良かったのだが,一般科学書として本書のような視点で書かれた本はこれまで無かったように思うので,こちらに1票を入れる。(中澤 港さん)

1点 『新教養としてのパソコン入門 コンピュータのきもち』(山形浩生/アスキー 2002.10)
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■コンピュータを "使う" とは、コンピュータと "コミュニケーションを行う" ことに他ならない、と著者は説く。だからこそ、相手の "きもち" を考えなさい、と。この考え方を奇異と感じる人もいようが、私にはむしろ自然なアプローチと受け取れた。(K.Ogiharaさん)

1点 『バイオテロ! 細菌兵器の恐怖が迫る』(ジュディス・ミラー、スティーヴン・エンゲルバーグ、ウィリアム・ブロード著/朝日新聞社 2002.2)
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■この本が扱うのは、生物兵器の科学的な話や制度的な問題よりも、生物兵器を巡る歴史的な経緯です。2002年には『世界生物兵器地図』が出たので、生物兵器に関する総合的な理解のためにはそちらを読むべきですが、話のおもしろさを求めるなら間違いなくこの本を選ぶべきです。(上原子 正利さん)

1点 『人体市場 商品化される臓器・細胞・DNA』(L.アンドルーズ、D.ネルキン/岩波書店 2002.8)
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■医者や製薬会社に対する著者達の批判にすべて賛同することは出来ないが、確かに暴走としか言えない事例が存在するのも確かなので、このような本も必要だと思う。(buruさん)

1点 『幼魚ガイドブック』(瀬能宏/著 吉野雄介/写真/TBSブリタニカ 2002.9)
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■稚魚でなく、幼魚というのがミソ。瀬能氏の文章とともに、いろ〜発見があった1冊。(舞木裕さん)

1点 『カエル 水辺の隣人』(松井正文/中央公論新社 2002.6)
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■内容も当然、おもしろかったが、カエルに対する著者の愛情、これに尽きる。(舞木裕さん)

1点 『クモ学 摩訶不思議な八本足の世界』(小野展嗣/東海大学出版会 2002.6)
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■本当に謎の生き物と感心した1冊。(舞木裕さん)

1点 『虫の名、貝の名、魚の名 和名にまつわる話題』(青木 淳一ほか編著/東海大学出版会 2002.11)
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1点 『なぜクジラは座礁するのか? 「反捕鯨」の悲劇』(森下 丈二/河出書房新社 2002.3)
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1点 『図解 高分子材料最前線』(松浦一雄 編著/工業調査会 2002.11)
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1点 『トコトンやさしい薄膜の本』(麻蒔 立男/日刊工業新聞社 2002.8)
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1点 『トコトンやさしい真空の本』(麻蒔 立男/日刊工業新聞社 2002.1)
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