独断と偏見で選ぶ
ベストサイエンスブック2000

結果
'01.01.31日現在(締め切り:2001年1月31日)
有効投票数:59(合計295点、うち棄権2点)

コメントは、頂いた方の分のみ掲載しています。
各得点はコメントを付けて下さった方の投票分のみではなく、各書籍が獲得している合計点です。ご了承下さい。
なお今回は、各オンライン書店へダイレクトリンクを張ってみました。ご利用下さい。


41点 『フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』(サイモン・シン著 青木薫 訳 新潮社)
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■このほんのおかげで、フェルマーの定理の偉大さを知ることができただけでなく、数学の魅力も知ることができた。「こういう数学の本が欲しかった!」と思う一冊でした。(カーズィさん)
■この本を高校生のときに読んでいればあんなに数学の先生を憎まなくても済んだのにと悔やまれる。(みやのさん)
■小説も含めて,今年読んだ本で一番面白かった.また,自然科学書の編集者としても,こういう本を作ってみたい,という見本のような本.(國分利幸さん)
■ノンフィクション小説のような趣のある興奮の一冊。難解な数学の世界を平易な文章で描ききった筆力は素晴らしい。(K.Ogiharaさん)
■もし私がいまでも出版社で数学の本を作っていたら、この本を読んだときにとてつもないショックを受けたに違いないと思います。「なぜこういう本を作れなかったのか」と。日本人数学者も多く関係する話題ですし、数学者がどんなことをやっているのか、やってきたのか、ぜひ数学が嫌いだった人たちに知ってほしいと思っていました。おぼろげに感じていたそんなことなどが、この本の中にほとんどすべて盛り込まれています。脱帽と感謝です。一人でも多くの人に読んでほしい本です。(鈴木クニエさん)
■ノンフィクション読み物としても科学読み物としても非常にレベルの高い面白い読み物でした。数学を志したくなりますね。(匿名さん)
■お話としての面白さのみならず、フェルマーの定理の解決の数学上の意義すら素人にもわかったような気にさせてくれるというすばらしい本。訳者あとがきも情熱が感じられて結構でした。(新正裕尚さん)
■フェルマー予想が生み出した数学上の文化を知るのに最適な本.証明にまつわる物語の記述は秀逸.(金森敬文さん)
■数学という完全な世界・数そのものに秘められた不思議な性質・挑戦する数学者達の苦悩・フェルマーの定理を攻略するための武器が徐々にそろい遂に最先端の数学により手が届く興奮、素晴らしい。(西田仁さん)
■まるで人間知性のビルディング・ストーリーのようです。(吉川和身さん)
■フェルマーの最終定理の証明が、どれほど苦難に満ちたエキサイティングな仕事だったのかを、数学が苦手な読者にもちゃんと伝えてくれる。(彦坂 暁さん)
■昨年に読んだ全ての本の中で、最もワクワクした一冊。外からはわかりにくいけれど、中ではダイナミックに変動している数学の世界を伺い知れた。(buruさん)
■「数学って楽しそうだなあ、うらやましいなあ」と思わされてしまいました。僕が読んだ中では今年一番おもしろかった本です。(上原子正利さん)

30点 『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎 上・下』(ジャレド・ダイアモンド著 倉骨 彰訳 草思社)
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下巻 |bk1amazonBOLeS!ISIZEJbook旭屋書店紀伊国屋書店富士山本屋さん
■文句なしに本年度の最高傑作でしょう。新たなる領域に科学を拡げていく意志にあふれている。これを読んで、歴史科学を志す人が世界中にいることでしょう。優れたポピュラー・サイエンスの最大要件のひとつです。(内藤泰宏さん)
■普段は全く科学関係の本は読みませんが、この美しい装丁にひかれ、買いました。僕は高3で経済志望ですが、この量,質ともに圧倒的なものを感じました。歴史科学、人文科学におおいに貢献する一冊だと思っています。(匿名さん)
■これは原作読んで以来おもしろかった。掘り下げが浅いという声もあるけど、これだけ壮大なテーマをまとめるならしょうがない。バランスがとれてむちゃくちゃ面白い。 が、まあほかに点をいれる人は多いだろうし。(山形浩生さん)
■嫌う人もいますが、僕は好きです。科学者がつづった近代までの因果論人類史。世界史=政治史よりも面白い。もちろん、現状の倫理的評価・政策論はまた別ですし、シリコン以降は果たしてどうなるか。スピードも上がってくるでしょうし。(高橋貴さん)
■今年、一番話題になった本と言えば、この本。はずす訳にはいきません。(橋本公太郎さん)
■とても、おもしろい本。ニューギニアに対するイメージががらりと変わる。ただ、なにかひとつ物足りないのは、余りに扱う領域が広すぎるせいだろうか?(井上裕さん)
■かなりの良書だと思います。正直人類史の分野にはかなり疎いのですが、ただこういう事実があったと書いてあるのではなくなぜそのようになってしまったのかという疑問から話が始まるのが新鮮でした。(田村真也さん)
■様々な分野にバラバラに存在する多くの事実と知識。これらを統合し、大きな謎に迫る試み。刺激に満ち、方向性・スタンスも含めて、とても良い本だった。 (西田仁さん)
■山口健一郎さん、山形浩生さんが翻訳される前に紹介していて期待していましたが、期待通りの面白さでした。(浦田洋二さん)
■本当に頭の良い人が、大事なことについて一所懸命に考えるとこんなにおもしろくてわかりやすい本ができるのだと思った。多くの知識を取捨して総合する力が凄い。(森下一仁さん)
■何はともあれ、とにかく面白い本。人類の歴史は、科学と技術の歴史なんだと改めて思い知らされた。(buruさん)

24点 『虚数の情緒 中学生からの全方位独学法』(吉田武 著 東海大学出版会 4300円)
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■サブタイトルが‘中学生からの全方位独学法’となっているのからわかるように、一切の天下り的説明なしで中学生程度の知性があればオイラーの公式を導けるようになっており、さらにそこから自然科学全般(主に物理系)へと、場の量子論、量子脳力学等へごく自然に進める様に、よくある啓蒙書とは違って、単に優しく解説しただけではなく初学者に対し厳しい愛情で自然科学の学問の道を進むことすなわち生きることのすばらしさ、厳しさ、美しさを誠実に書きこんである。丁寧に丁寧に物理学と数学に対する愛情いっぱいで書かれた珠玉の一冊。途中にはバッティングの科学などの息抜きのコーナーもあり、1000ページ弱の本がおもしろさと感動であっという間に読み終わってしまう本。こんな本を中学生に読ませることができればこの国ももう少し知的な人間が増えるであろう。(みやつせんせさん)
■科学や数学、子供が好きな私からみて、最近の子供たちの理数離れには悲しさを感じます。学研のかがくの付録を室内で試すだけ試して、よく母から叱られたことを思い出します。好奇心を素直に感じ、探求欲のようなものがわいてきて、自分なりに理解できたとき。その感動は、何ものにも変えがたい快楽です。そんな体験を自分で感じていく物語がこの本にはあります。読んだ今でも、虚数は今ひとつわかった感じはしてませんが、それもあり、と思えるのです。(清水学さん)
■書きたいことは既にみやつせんせさんに書かれてしまいました。日本語読める人はみんな読むべきです。読んでると胸が熱くなる本です。(エボ小川さん)
■その昔、物理学者を志していましたが、この本に早く出会っていたら、物理学科を中退せずに済んだかもしれません。今ぼくは英語屋なんですが、吉田先生の圧倒的な読書量と言葉の美しさに、ただただ頭の下がる思いです。(らっちょさん)
■わからせてあげようという意欲と、数学に対する熱意が「はじめに」を読んでみてもよく感じられます。いい本だと思います。(^o^)(空飛ぶぴよ太君さん)
■志は買う。でも、そんな今年有数のすごい本ではないと思う。かなり独善的な部分もあるし。これがトップというのは、明らかに悪質な組織票の産物だと思うなあ。(山形浩生さん)

10点 『「知」の欺瞞 ポストモダン思想における科学の濫用』(アラン・ソーカル ジャン・ブリクモン著 田崎 晴明 大野 克嗣 堀 茂樹 訳 岩波書店 2800円)
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■相変わらず、日本の論壇では、難解で思わせぶりなことを言うことが一つの芸になっている。ポストモダンのもたらした害悪は、本書一冊で消しされるものではないが、重要な一石を投じた書。(茂木健一郎さん)
■今年は、この本なしには語れません。声ばかりデカくて中身のない研究者(に限らないが…)には消えていただきたいものです。(内藤泰宏さん)
■話題になった本ですし、アイディア的にはマルク・バルビュなどの焼き直しに過ぎないとも思いますが、とりあえず「啓蒙書」としては門外漢として面白かったし、役にも立ちました。何故オスカー・ベッカーのような科学者が現れないのか?ということを少し考えています。(渡邊利道さん)
■今や科学とは「常人には理解できないもの」の代名詞なのかもしれない。そこにつけこみ欺瞞的言辞を弄ぶ者たちを本書は厳しく糾弾する。これは誰かが書くべき本だった──真の解決には「理解できる科学」の領域を広げていく営み (科学教育) の充実を待たねばならぬとしても。(K.Ogiharaさん)

7点 『博士号とる?とらない?徹底大検証! あなたが選ぶバイオ研究人生』(白楽ロックビル 著 羊土社 2900円)
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■これを投票した時点で、この本への票がまったく集まっていないのが不思議なくらい。ネット上に実験生物系が少ないということを証明しているよう。ともかく、生物系のみならず、全分野の研究者、科学関係の人間必読。これだけ赤裸々に研究という世界を明らかにした本を知らない。これを読んでやるぞ、と思うのもよし、研究なんてやめてしまうのもよし。「理系の女の生きかたガイド」(ブルーバックス)というスマッシュヒットもあったが、どちらに投票するかといえば、こちらに軍配をあげる。(榎木英介さん)
■大学院での研究生活のストラテジーを説いた本。学生の皆様の必読書でしょう。(橋本公太郎さん)
■バイオ以外の学生・研究者にも必見と言えましょう。私が院生の頃はこのような研究(あるいは進路)マニュアルに属するような本はほとんどなかったなあ。そういえば「英語論文の書き方」の類も数えるほどしかありませんでした。今の人がうらやましい。(新正裕尚さん)

6点 『ハイパースペース・サーフィン 高次元宇宙を理解するための六つのやさしいレッスン』(クリフォード・A.ピックオーバー著 河合宏樹 訳 ニュートンプレス 2200円)
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■「4次元を見よう」というのだから、すっごく変な本です。でも極めつきにおかしい。それに、見るといっても、絵ではありません。基本は文章です。また知識が増えて賢くなる本ではありません。でも、たぶん読んだ中身を誰かにニヤニヤ笑いながら言いたくなるだろうと思います。(鈴木クニエさん)

6点 『手足を持った魚たち』(ジェニファ・クラック著 池田比佐子訳 真鍋真校定 講談社(講談社現代新書) 860円)
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■そんなに数多く読んでないけど、この本に点数が入っていないで他の読んだ本に点が入っているのは個人的に納得がいかないので、一挙に5点投票。内容とか構成とか出来とかが云々ではなくて、要は面白ければ勝ち、という本。正統的な一般科学書でここまで面白いものはそうないと思う。(蘇我捨恥さん)
■このシリーズの続きはどうなったんでしょう?(ひらやま ひろゆきさん)

6点 『宇宙はこうして始まりこう終わりを告げる 疾風怒濤の宇宙論研究』(デニス・オーヴァバイ著 鳥居祥二・吉田健二・大内達美 訳 白揚社)
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■断片的にしか知らなかった宇宙論の流れを研究者達の人間性を通して見事にまとめてくれた。重くても頑張って持ち歩きました。(みやのさん)
■科学それ自体よりも研究者の人間模様を面白がるのは、我ながらどうかと思いますが(^^; やっぱ、おもしろいわ。(ひらやま ひろゆきさん)

6点 『千の太陽よりも明るく 原爆を作った科学者たち』(ロベルト・ユンク著 菊盛英夫訳 平凡社 1600円)
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■本書に関する調査方法に問題があったとも聞くが、戦争の世紀と呼ばれた20世紀にふさわしい復刊だったと思う。原子力開発の歴史や“核抑止力”の思想の萌芽など、当時の緊迫した状況が伝わってくる。(青木みやさん)
■内容もさることながら、この本がアメリカでは終戦からさほど時間を置かず発行されたと言うことにも驚いた。(buruさん)
■科学やその応用技術にたずさわる人のうち、自分の研究の社会的責任を全く考える必要が無いと断言できる人以外は、読んでおいた方が良いように思います。読んでいて気が重くなりますが。(上原子正利さん)

5点 『「場」とはなんだろう なにもないのに波が伝わる不思議』(竹内薫(たけうち・かおる) 著 講談社ブルーバックス)
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5点 『進化と人間行動』(長谷川 寿一、長谷川真理子 著 東京大学出版会 2500円)
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■1ページ1ページが目から鱗です。内容がぎっしりつまっているが、文章は論理的で明晰。読んでいると、自分の頭がよくなったような気になります。(橋本さん)
■進化心理学の教科書として待望の一冊ということで。(高橋貴さん)
■理想的な教科書と思ったので一票を投じます。他の方が述べられていた「頭が良くなったような気になる」というのにも思わずうなずいてしまいます。私どもの専門分野にもこのようなかっちりとして読みやすい教科書があればよいのですが。(新正裕尚さん)

5点 『僕らは星のかけら 原子をつくった魔法の炉を探して』(マーカス・チャウン著 糸川洋訳 発行:無名舎 発売:マクミランランゲージハウス 2300円)
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■ゆっくりゆっくりかみしめるように読みました。時間的にも空間的にもスケールの大きな話でした。科学が歩んできた道のりを「根源探求」という切り口で眺めさせてもらった感じです。(鈴木クニエさん)
■偶然に近い状況で見出された現象とそこから導かれた大きな進展。様々な理論が見出され、それらを取り入れて自然の姿の解明へと近づいていく人々。「見えないもの、手にとって確かめられないもの」、これらの秘密に「実験・観測された事実と理論から導かれる計算」により近づく科学の興奮。どれも、たまないおもしろさ。 (西田仁さん)
■今は生物系の研究をしていますが10代は物理を志しており、ラザフォードやガモフがアイドルでした。久しぶりに物理関係の本を読んで胸が熱くなりました。(浦田洋二さん)

5点 『鳥たちの私生活 THE LIFE OF BIRD』(デービッド・アッテンボロー著 浜口 哲一・高橋 満彦 訳 山と溪谷社 3200円)
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■鳥たちのすばらしさに圧倒されます。1万5000個ものドングリを管理するドングリキツツキ。年間で4万キロも旅するキョクアジサシ。500メートルも潜水するコウテイペンギン。世の鳥好きたちだけが知っていた魅惑の世界を、一瞬をとらえた写真とわかりやすい語り口で紹介して、最後まで飽きさせません。ご存じBBCの辣腕プロデューサーが手がけた一冊。内容的に新しいものはなくても、素材を丹念に集めて厳選し、上手に再構成すると、こんなにすばらしい「科学の本」ができるんですねえ……。(匿名さん)

4点 『続 科学の終焉 未知なる心』(ジョン・ホーガン(John Horgan) 著 筒井康隆 監修 竹内薫 訳 徳間書店 2500円 原題:The Undiscovered Mind, 1999)
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■その理由をここで簡略に書くことはできないけど、私は敢てフロイトの業績を評価したい。現代の精神分析にいろいろ問題があることはもちろん確か。では、脳科学は精神分析が問題にしているような人間の心の複雑さを本当にとらえているのか? 本当の問題点は、ここにある。(茂木健一郎さん)

4点 『ミトコンドリアと生きる』(瀬名 秀明・太田 成男 著 角川書店)
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■広範かつ新しいミトコンドリアの概説書。文章の読みやすさがすばらしいと思う。(中澤港さん)
■とても読みやすく、題材の魅力が読む側にじかに届いてくる本。(吉川和身さん)
■ミトコンドリアに関する新しい研究成果を、とても分かりやすく伝えてくれる良書。瀬名秀明には小説家のみならず科学ライターとしての能力もあることが分かった。(彦坂 暁さん)

4点 『科学にわからないことがある理由 不可能の起源』(ジョン・D.バロウ著 松浦俊輔 訳 青土社)
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■あらゆるところに限界という要素が関わっていて、その限界が、人間の科学を可能ならしめているということを強く感じさせられたからです。科学者だけでなく、他の分野の人間にとっても刺激的な本だと思います。(カーズィさん)
■読みづらく、難解な点もあったけれど、科学に出来ること・出来ないことと、そしてそれは何故なのかを、じっくりと考えさせられた本。読後には、科学への絶望ではなく希望が見えた。(buruさん)

4点 『思考する機械コンピュータ』(ダニエル・ヒリス著 倉骨 彰訳 草思社(サイエンス・マスターズ 15) )
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■計算機科学の生い立ちと哲学を分かりやすく示した、ありそうでなかなかない本。(内藤泰宏さん)

3点 『砂の魔術師アリジゴク 進化する捕食行動』(松良俊明(まつら・としあき) 著 中央公論新社(中公新書)
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■この本は、古典的な意味でとてもいい科学本である。事実を丹念に書き起こすことが、もっとも深い自然への驚嘆の念を引き起こすという好例。(茂木健一郎さん)

3点 『パラドックス!』(林晋 編著 日本評論社 1600円)
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3点 『風船爆弾 純国産兵器「ふ号」の記録』(吉野興一(よしの・こういち)著 朝日新聞社)
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■ジェット気流、特性和紙とこんにゃく芋、水素発生装置、女子高生の悲劇、国家総動員、ステルス、731部隊、海軍と陸軍の協力、徹底した統制。風船爆弾は日本のマンハッタン計画であったことが実感できる力作。(渡部義弥さん)

3点 『言うことと、なにも言わないこと 非論理性・不可能性・ナンセンス』(ジャック・ブーヴレス著 中川 雄一訳 国文社 3600円)
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■科学の根幹と言語を結びつけた注目すべき1冊。(羽尻公一郎さん)

3点 『猿と女とサイボーグ』(ダナ・ハラウェイ著 高橋さきの 訳 青土社 3600円)
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■91年に原書が出版されたときには絶賛された本ですが、状況的にいまはまったく顧みられることがないようです。科学が、みずからを如何にして語るのか、という主題の本で、その独特の息苦しさに感銘を憶えました。僕は科学のことを詳しく知らないので、東浩紀のような人にではなく、科学者の意見を聞いてみたいと思って、ちょっと高得点を付けました。(渡邊利道さん)

3点 『リスク学事典』(日本リスク研究学会編 TBSブリタニカ 8500円)
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■読み物として楽しい本もさておき、だいじなのはこういうレファレンスになれる本だと思う。ファイナンス系は内容的に不満なのと、あとなんか最終的な判断から逃げたがるきらいがあるのはさておき、総合点としてはかなり高いところまできている。(山形浩生さん)

3点 『ロケットボーイズ 上・下』(ホーマー・ヒッカム・ジュニア 著 武者圭子 訳 草思社)
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■今年は例年になく宇宙開発本の当たり年だったように思う.『スペースガイド2000』(丸善),『宇宙ロケットの世紀』(NTT出版),『ドラゴン・フライ 上・下』(筑摩書房),『月面に立った男』(飛鳥新社),『宇宙環境利用のサイエンス』(裳華房),などを代表させて.(國分利幸さん)
■映画化もされましたが、科学を志す少年たちに是非とも読んでもらいたい本の一つだと思います。今の子供たちに欠けている物がテーマに含まれているのではないでしょうか?(田村真也さん)

3点 『抑圧された記憶の神話』(E・ロフタス、K・ケッチャム著、仲真紀子訳、誠心書房)
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■アメリカでは、精神分析に起源を発する心理療法が患者に幼児期の性的虐待の偽の記憶を植え付け、家庭崩壊を招く悲劇が多発して大きな社会問題にまで発展している。精神分析は、精神医学、脳科学、実験心理学的にはなんの実験的根拠も持たず、それどころか実験的には完全に否定されており、時代遅れの間違った学説であるという学問的評価が定着している(ハンス・アイゼンク「精神分析に別れを告げよう」宮内他訳、批評社)。脳科学の発達と生物学的精神医学の劇的な進歩が精神分析を時代遅れのイデオロギーにしてしまったのである(エドワード・ショーター「精神医学の歴史」木村訳、青土社)。また、科学哲学的にも精神分析が科学として失格であることは詳細に論じられている(アドルフ・グリュンバウム「精神分析の基礎」村田他訳、産業図書)。しかし、精神分析がアメリカで一時的とはいえ大きな支配力を振るったためにもたらされた医療上の過誤が、本書に描かれているような悲劇を生み出した。本書には疑似科学が社会にはびこることによってもたらされた恐るべき災厄が克明に描かれている。著者は記憶研究の第一人者であり、性的虐待の抑圧記憶が実はカウンセラーによる刷り込み、洗脳による擬似記憶ではないかという可能性を指摘したためにフェミニズムのイデオローグに「女性の敵」とされ、不当な攻撃を受けた。この図式はいわゆるソーカル事件におけるアラン・ソーカルに対するポストモダニスト陣営の攻撃を思い起こさせる。しかし、著者らの緻密な実験は記憶が人為的に作られたり変形されたりすることを疑問の余地なく実証してみせたのである。おそらく、後世の歴史家はアメリカにおける精神分析の流行を旧ソ連におけるルイセンコ事件と同様の科学史上の一大汚点として記述することになるだろう。しかし、そのこと以上に、人間の記憶の不確定性を実験的に立証した本書は人間存在についての深い思索を誘わずにおかない。科学書としても優れているが、読み物としても感動的である。(伊藤周さん)

2点 『主観性の復権 心身問題から『責任という原理へ』(ハンス・ヨナス 著 宇佐美公生・滝口清栄 共訳 東信堂 2000円)
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■心脳問題の原型にして、現在の議論を凌駕する驚異的な過去の思索。(羽尻公一郎さん)

2点 『量子論を楽しむ本』(佐藤勝彦 監修 PHP研究所(PHP文庫) 514円)
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2点 『じっくり微積分』(Non-Biri数学研究会 日本評論社 1800円)
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2点 『幾何への誘い』(小平 邦彦著 岩波書店(岩波文庫) 800円)
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2点 『人体再生』(立花隆 著 中央公論新社 2200円)
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■再生医学が現時点でどれくらい可能なのか、理論のみならず実際を語っているのが新鮮。医療者としては非常に役に立った。90年代後半の再生医学の実際ほど、生物学のパラダイムをつぎつぎに破壊していっている領域はないので大変興味深い。(井上裕さん)

2点 『リアル・クローン』(若山三千彦 著 小学館 1500円)
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■正直腹が立った。悔しい。勝ち組にここまで言わせてよいのか。しかし、研究は勝てば官軍。自分への戒めとしてこの本に一票。ともかく、現場の息づかいが聞こえてくる本。2000年の「二重らせん」「精神と物質」か。実験系の研究者はコンピュータの前に座ってネットを彷徨う時間が圧倒的に少ないから、なかなか生の声が聞こえてこない。いつの時代も若い人を研究の世界に誘うのは、研究者個人の物語だから、もっとこうした話をリアルタイムで聞きたいと思っている。(榎木英介さん)
■これくらい痛快な本はない。こういう成功談はどんどん書かれるべきでしょう。若い研究者は必読。(井上裕さん)

2点 『サイエンス・ウォーズ』(金森修 著 東京大学出版会 3800円)
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■『「知」の欺瞞』は確かに笑えた。だが同時に現代思想家の権威主義と傲慢さも、数学者・科学者たちの権力志向もありありと見え、一種のおぞましさを感じさせる本でもあった。あまりにも科学寄りの視点も危険なので、バランスをとるために、科学哲学の側からこの一連の論争を眺めた本書をすすめておきたいと思う。『「知」の欺瞞』に対する否定的態度からはやや狭量な印象を受けるが、全体としてはニュートラルを心がけようとする著者の誠実さは信頼できる。(石堂藍さん)

2点 『聖なる対称性』(ジョージ・ジョンソン 著 長尾力ほか訳 白揚社 3800円)
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■原題は「内なる炎――科学、信仰、そして秩序の探求」。物理学(量子論)と生物学の一般向け啓蒙書。書き方に文学的な工夫があり、かなり読みやすい。量子論の描き方などもユーモラスで、楽しめる。(石堂藍さん)

2点 『優生学と人間社会』(米本 昌平 他著 講談社(現代新書) 720円)
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■過去の優生政策の歴史的実態から優生学の根本を見直す好著(青木みやさん)

2点 『虫を愛し、虫に愛された人 理論生物学者W.ハミルトン 人と思索』(長谷川眞理子編 文一総合出版 1200円)
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■「血縁選択」などなど、同時代の生物学者に強い影響を与え続けた著名な理論生物学者であるWD ハミルトンの手記と関係した日本人研究者のエッセイをまとめた本である。進化生態学の理論に多少とも興味や知識のある人は、ハミルトンが重要な説をたくさん発表したことやそのナチュラリストぶりに驚くことであろう。(大塚公雄さん)
■熱帯熱マラリアで急逝したハミルトン博士の遺稿と追悼文集なのだが,名著であり,是非大勢の人に読んで欲しい。(中澤港さん)

2点 『大探検時代の博物学者たち』(ピーター・レイビー 著 高田朔 訳 河出書房新社)
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■「博物学なんて科学じゃない」という意見があるのは承知の上で……。(ひらやま ひろゆきさん)

2点 『医療倫理の夜明け』(デイヴィッド・ロスマン(David J. Rothman)著、酒井忠昭監訳、晶文社 3600円 原題:Strangers at the Bedside: A History of How Law and Bioethics Transformed, 1991)
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2点 『パンルヴェ方程式』(野海正俊著、朝倉書店)
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■いままで日本語でかかれたパンルヴェ方程式に関する入門的な本はなかったと思うので入れておく。あまり予備知識を必要としない割にはかなり高度な内容を扱っていて難しく、読み応え十分である。素人でもパンルヴェ方程式の面白さの一端を味わえる。欲を言えば、非線形格子力学やホロノミック量子場との関連も書いて欲しかった。(伊藤周さん)

2点 『ロボットにつけるクスリ』(星野力 著 アスキ−)
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2点『進化の風景 魅せる研究と生物たち』 (石川統著 裳華房)
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■ここ数年の、進化に関するさまざまなトピックスをとりあげ、著者なりの視点から紹介し考察している。取り上げられている話題がどれも面白く、それを材料にした著者の議論も興味深い。あまり目立たない本なので損をしているが、良い本だと思う。(彦坂 暁さん)

2点 『カエルのきもち』(千葉県立中央博物館(ちばけんりつちゅうおうはくぶつかん)監修  晶文社)
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■生物学だけでなく、環境問題だけでもなく、まさしく博物館的なカエルの紹介。カエルを愛する人々のディープな世界の入り口もちらほら見える。(渡部義弥さん)
■カエル好きの人も、ちょっと苦手な人も、子供から大人まで楽しめる、そして考えさせられる本。(彦坂 暁さん)

2点 『科学者の自由な楽園』(朝永振一郎著、江沢洋編 岩波文庫 760円)
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■科学の枠内にとどまらない知性と人柄を感じます。楽しませてもらいました。(上原子正利さん)

2点 『我々の歩いて来た道 ある免疫学者の回想』(石坂公成著 黙出版 3800円)
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■有名な石坂先生の自伝。予想以上に様々な分野で貢献されていることを知り、敬服いたしました。数年前のコーンバーグの自伝も面白かったが、この自伝も水準以上。(井上裕さん)
■石坂公成さんの事を全く知らないで読みました。自伝としての側面も良いのですが、研究者、教育者としての考え方も素晴しいと感じました。アメリカ免疫学会会長就任時のスピーチの内容は、多くの人々が常に頭の片隅に置いておくべき事だと思います。(上原子正利さん)

2点 『放浪の天才数学者エルデシュ』(ポール・ホフマン 平石律子訳 草思社 1800円)
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■奇人数学者の生涯。単純に楽しい。ホフマンの数学関連書はまさしく一般向けで、刺激的でかつ楽しんで読める。それにしても数学のわかる文学者に数学者が主人公の魅力ある作品を書いて欲しいと熱烈に思う。天文学者はあるのだから……。(石堂藍さん)
■エルデシュの強烈キャラは「これ本当に作り話無し?」と思ってしまうくらい。おもしろいけど、真近にいたら結構大変かもしれない。(上原子正利さん)

2点 『二人の小さな野蛮人』(アーネスト・T・シートン著 中山理訳 秀英書房)
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2点 『サイエンス21』(ミチオ・カク著 野本 陽代訳 翔泳社)
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■とにかく話題が盛り沢山でおもしろい。(アクビさん)

1点 『徳の起源 他人をおもいやる遺伝子』(マット・リドレー著 岸 由二監修 古川 奈々子訳 翔泳社 )
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■「赤の女王」につづいて、遺伝子の利己性に関して興味深い著作。(内藤泰宏さん)

1点 『はじめての天文学』(半田利弘(はんだ・としひろ)著 誠文堂新光社)
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■現役研究者だからこそかけた現代天文学のスケッチ。絵画にはなっていないが素材などはいい。次はよりドキュメンタリーを期待したい。(渡部義弥さん)

1点 『遺伝子問題とはなにか ヒトゲノム計画から人間を問い直す』(青野由利 著 新曜社 2200円)
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1点 『ハエ、マウス、ヒト 生物学者による未来への証言』(フランソワ・ジャコブ 著 原章二 訳 みすず書房 2600円)
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1点 『夢分析』(新宮一成 著 岩波書店 700円)
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■僕は精神分析は苦手なのですが、彼の文章だけはスーッと入ってくるんです。果たして精神分析が科学なのかは非常に怪しいですが、科学者が、「自然科学」の「普遍性」を護るために「人文科学」をアリバイにしてきた歴史から考えれば(また同時に「人文科学」の「科学性」の欺瞞も)、こういうふうに淡々と文章を書いている人は貴重のようにも思います。文学屋の発想ですが(笑)。(渡邊利道さん)

1点 『不思議な銀河の物語』(谷口義明 著 裳華房)
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■自分の編集した本をあげるのは反則技に近い気もするけど,贔屓目を抜きにしても面白いと思います.原価から口絵が2頁しか入れられなかったのが悔やまれる…….(國分利幸さん)

1点 『計算理論の基礎』(Michael Sipser 著 渡辺治・太田和夫 監訳 阿部正幸〔ほか〕訳 共立出版 7500円)
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■これはもとがいいし、よく訳せているし、本としてのレイアウトやつくりも読みやすくていい。いろんな数論の証明についても、証明そのものの前に「証明のアイデア」を書いてく れて、こういう考え方でいけばいけるのがわかるのはいいな。ぼくは数論や計算機科学は素人だから完全な評価はできないけれど、素人なりによっくわからせてもらえたと思う。(山形浩生さん)

1点 『魔球をつくる 究極の変化球を求めて』(姫野龍太郎著 岩波書店(岩波科学ライブラリー))
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■この本を読んで、野球観戦に新たな楽しみが加わった。(K.Ogiharaさん)

1点 『複雑系』(M.M.ワールドロップ〔著〕 田中 三彦、遠山 峻征訳 新潮社(新潮文庫) 933円)
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1点 『怠け数学者の記』(小平邦彦 著 岩波書店(岩波文庫) 1000円)
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1点 『ドラゴンフライ』(ブライアン・バロウ著  北村道雄訳 寺門 和夫監修 筑摩書房)
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■「一般科学啓蒙書」に入るかはやや疑問だが、科学・技術・政治が互いに影響し合う一大プロジェクトの実体を赤裸に描いた本書は、ロシアの宇宙ステーション「ミール」のポンコツさ加減に驚くばかりでなく、科学と周辺との関係を考えるきっかけとしても、人々のドラマとしても非常に楽しめる本である。(大塚公雄さん)

1点 『干し草のなかの恐竜 化石証拠と進化論の大展開』(スティーヴン・ジェイ・グールド著 渡辺政隆 訳 早川書房)
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■ご存じグールドのエッセイ集。長く続く連載にも関わらず、筆致の衰えを感じず楽しく読める。(大塚公雄さん)

1点 『ミーム・マシーンとしての私』(スーザン・ブラックモア著 垂水雄二 訳 草思社)
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■「人格=ミーム・コンプレックス論」陣営の急先鋒。ただ、ミーム伝播における「意味」の役割に触れておらず、ちょっとドライ過ぎか。(高橋貴さん)

1点 『川に親しむ』(松浦秀俊 著 岩波書店(岩波ジュニア新書353) 700円)
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■個人的には一番影響を受けた本。娘を川に連れて行くようになりました。(橋本公太郎さん)

1点 『数論の3つの真珠 (はじめよう数学 4)』(ア・ヤ・ヒンチン、蟹江 幸博 訳、日本評論社 2200円)
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1点 『岩波講座現代工学の基礎 5 技術連関系3 品質管理 』(久米均 著 吉川弘之ほか編、岩波書店 3800円)
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1点 『大地の躍動を見る―新しい地震・火山像』(山下輝夫 編著 岩波書店(ジュニア新書359) 740円)
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■一つくらいは地球科学関連の本をと思い入れました。わりと目新しい研究内容が紹介されていて良いと思います。ただ著者によっては、子供に語りかけるような文体で書かれているのが、かえって良くないのでは(これはジュニア新書とはいえ「子供」が気楽に読めるような本では全くない)。(新正裕尚さん)

1点 『可積分系の応用数理』(中村 佳正編,辻本 諭ほか著 裳華房)
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■数値計算アルゴリズムと可積分系との関係について述べた(たぶん)初めての本という点を買って一票.(金森敬文さん)

1点 『われ思うゆえに思考実験あり 最新科学理論がもたらす究極の知的冒険』(橋元淳一郎著 早川書房)
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■遊び心のある本.楽しく読める.(金森敬文さん)

1点 『原典に見るトライボロジーの世紀』(吉武立雄 編訳 工業調査会 3800円)
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1点 『光の鉛筆  光技術者のための応用光学 5』(鶴田匡夫著 新技術コミュニケーションズ 5500円)
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1点 『SETI@homeファンブック 〜おうちのパソコンで宇宙人探し〜』(野尻抱介著 ローカス)
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■パソコンの処理速度向上とインターネットの発達により可能になった分散コンピューティングに基ずく「SETI@home」プロジェクト。その解説と、“実践の魅力”に大きく影響を受けた。(西田仁さん)

1点 『感染症の時代  エイズ、O157、結核から麻薬まで』(井上栄 著 講談社現代新書)
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■たいへんに示唆に富んだ,現代における感染症問題の概説書である。(中澤港さん)

1点 『ミトコンドリアはどこからきたか 生命40億年を遡る』(黒岩常祥 著 NHKブックス)
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■文章が多少とっつきにくいが,内容はすばらしい。(中澤港さん)

1点 『オランウータンに森を返す日』(川端裕人 著 旺文社)
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■児童書の体裁だが,大人が読んでも気づかされることが多い。(中澤港さん)

1点 『物理の小事典』(島昌夫 鈴木皇 編 岩波ジュニア新書 1400円)
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■素人の「やり直しの物理」にはなかなかかと。(ひらやま ひろゆきさん)

1点 『おいしい水 安全な水』(左巻健男 著 日本実業出版社(入門ビジュアルエコロジー) 1400円)
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■水道水の安全性、水環境問題について、広くかつ平明に記述。特に、各種の“おいしい水ビジネス”の科学的根拠について正面から検証。水問題に関心のある知人・家族に一読を勧めています。(吉川和身さん)

1点 『天に梯子を架ける方法 科学奇想物語』(ジェイ・イングラム著、中村和幸訳、紀伊國屋書店、2400円)
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■自分の好きなトピックスについて語っていて、楽しさが気持ちよく伝わってくる。(森下一仁さん)

1点 『人類進化の空白を探る』(アラン・ウォーカー/パット・シップマン著、河合信和訳、朝日新聞社、1700円)
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1点 『月面に立った男』(ジーン・サーナン著 飛鳥新社)
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■この本を読んで、アポロ時代のNASAや宇宙飛行士達が、何を考えて月を目指していたのかが少し理解できた。映画のアポロ13やライトスタッフを併せて見ると、より楽しく読める。(buruさん)

1点 『心はどのように遺伝するか』(安藤寿康著 講談社ブルーバックス)
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■釈然としない箇所は多々あるのですが、読んで遺伝への観かたが変わりました。印象的な本です。普段サイエンスに接してない、例えば文学部生に批判的に読んでもらいたいです。(元文学部生さん)

1点 『ソフトウェアの20世紀 ヒトとコンピュータの対話の歴史』(長谷川裕行 著 翔泳社)
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■IT革命云々と吹聴したところで、人類はまだまだコンピュータの可能性を活かしきれていない事実に変わりはない。その可能性を想像し、追求するためにも一読の価値があり。(アクビさん)

1点 『バージョン管理システム(CVS)の導入と活用』(鯉江英隆 西本卓也 馬場肇 著 ソフトバンクパブリッシング)
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■人間というのは思いのほか共同作業が苦手なものだ。そういう観点から、このバージョン管理システムの解説を読んで/読み直してみて欲しい。いや本書でなくとも良い。他にも良質な CVS 解説書が出版されている。(アクビさん)

1点 『論理学をつくる』(戸田山和久 著 名古屋大学出版会)
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■たとえば算数の勉強をしている時に、なぜ -1 x -1 = 1 なんだろう?そうでなくてはならないのだろう?といったような疑問を持ったことはありませんか?そういった種類の疑問を持った経験のある人にオススメ。構成的な考え方を堪能できます。(アクビさん)

1点 『論理学入門 推論のセンスとテクニックのために』(三浦 俊彦著 日本放送出版協会(NHKブックス 895))
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■何をもって正しいとするかによって、あることが正しいかそうでないかは変わってきます。しかし論理的な意味での正しさというのは推論のプロセスの妥当性のことです。ここを間違えるとまともなな対話は成立しません。(アクビさん)

1点 『遺伝子万能神話をぶっとばせ』(ルース・ハッバード,イライジャ・ウォールド著,佐藤雅彦訳 東京書籍)
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■遺伝子治療や遺伝子診断の華々しい報道と,お粗末な現実とのギャップが浮き彫りになる本.科学と商売が結びつく時には,必ずといっていいほど悪用と乱用が起こる.最新技術を「誇大広告」と疑う姿勢,それを我々に教えてくれる一冊.(西川大亮さん)

1点 『プルトニウムファイル』(アイリーン・ウェルサム著,渡辺正 訳 翔泳社)
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■94年に前作が出版されているとはいえ,アメリカにおける「核人体実験」の全貌を暴いたこの本に,投票がないのは不思議.医師としてのプライドなど,学者としての功名心の前には簡単に消え去る.科学を監視する視座を得るための必読書.(西川大亮さん)

 
1点 『カミング・プレイグ』(ローリー・ギャレット著 山内一也監訳,野中 浩一,大西 正夫訳 河出書房新社)
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■未知なる感染症の,発生から病原体の同定,その鎮圧までを綴った「感染症の百科事典」.上下で1000ページ近い大著だが,文章に臨場感があり読んでいて全く飽きない.本書に登場する,勇気ある科学者達を心の底から尊敬する.(西川大亮さん)

 
1点 『熱血昆虫記』(バーンド・ハインリッチ著,渡辺政隆,榊原 充隆訳 どうぶつ社)
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■昆虫の生態を「熱管理」の面から捉え,様々な興味深い事例を提示しながら全般を概説.昆虫が,我々脊椎動物とは全く違うアプローチで,発達・適応した生命体であることを実感できる.イラストに味があり,読んでいて楽しくなる本.(西川大亮さん)

 
1点 『ヒトに最も近い類人猿ボノボ』(フランス・ドゥ・ヴァール著,フランス・ランティング写真 加納 隆至監修,藤井 留美訳 TBSブリタニカ)
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■“最後の類人猿”ボノボの生態を紹介する科学書兼写真集.「一家に一冊」といいたくなる良書だ.写真の美しさは特筆もの,豊かな表情とその視線は,知性を感じさせるに十分であり,圧倒的な到達力がある.文章は中学生ぐらいから読める.ボノボに特徴的な性的描写を気にする人もいるかもしれないが,子供達にぜひ読んでもらいたい.(西川大亮さん)


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