Popular Science Node 1999/11/23 Vol.022 |
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◆CONTENTS: |
[Digest]
◇科学関連やじうま
[Column]
抗酸化ストレス能力が高められて寿命が延びたマウス
[New Books]
『お茶はなぜ体によいのか ―カテキンパワーの秘密』
『遺伝子できまること、きまらぬこと』
『脳・心・進化』雑誌「生物の科学 遺伝」別冊11号
[Event]
JCOで何が起きたのか
ウェステック'99 廃棄物処理・再資源化展
動物行動遺伝子−探索から農林水産技術へー
国立天文台すばる望遠鏡完成記念シンポジウム
[from editor's diary] 編集人のウェブ日記から
[Digest]
◇科学関連ニュースいろいろ |
▼科学技術振興事業団横山情報分子プロジェクト、研究員・技術員募集
http://cytologic.riken.go.jp/Cell_Signaling/
▼H-IIロケット8号機の打上げ失敗について(速報)
http://yyy.tksc.nasda.go.jp/Home/Press/Press-j/199911/gijutsu_991116_j.html
▼宇宙作家クラブ有志、11月15日H-IIロケット8号機打ち上げ失敗に向けた緊急アピール
http://www.sacj.org/
▼H-IIロケット8号機の打上げ失敗について(続報)
http://yyy.tksc.nasda.go.jp/Home/Press/Press-j/199911/h28_991117_j.html
▼ロシア生物医学問題研究所における長期閉鎖実験
http://yyy.tksc.nasda.go.jp/Home/Press/Press-j/199911/iss_991117_01_j.html
▼「第3回環境レポート大賞」の受賞作品の決定及び表彰式の開催について
http://www.eic.or.jp/kisha/199911/66202.html
▼技術創造の社会的条件 経団連・21世紀政策研究所
http://www.keidanren.or.jp/21ppi/japanese/policy/19991006b/sum.html
▼NHK、2000年スペシャル あなたが選ぶ「史上最大の発明」 投票募集中
http://www.nhk.or.jp/h2000/
▼「受精卵クローン牛」の通称公募
http://www.lin.go.jp/maff/clontuusyo.PDF
▼NTTアドバンステクノロジ、情報通信技術の専門家集団が技術や製品に対する“目利き”をする「メキキ・サービス」を開始
http://www.ntt-at.co.jp/newsrelease/991116.html
▼コンパックと富士通が科学技術系アプリケーションで協業
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/news/1999/Nov/16-4.html
▼第13回『日本IBM科学賞』受賞者決定
http://www.jp.ibm.com/NewsDB.nsf/1999/11172
▼女性研究者・技術者のためのウェブサイト「K3−NET」
http://k3-net.uc.to/
◇抗酸化ストレス能力が高められて寿命が延びたマウス |
イタリアの研究グループがp66shcというタンパクをコードする遺伝子をノックアウトしたネズミを作ったところ、寿命が3割増したという話が科学雑誌『nature』に掲載されました。最近なにかとトピックスの多い研究分野ですが、これまた非常に面白く興味を惹かれる話です。
実際の記事は
http://www.nature.com/server-java/Propub/nature/402243A0.abs_frameset
http://www.nature.com/server-java/Propub/nature/402243A0.pdf (PDFファイル)
で読めますが、
簡単な解説を羊土社『実験医学』編集部の中川尚(なかがわ・たかし)さんにして頂きました。以下です。
p66shcは細胞の増殖などにかかわる細胞内シグナル伝達分子として知られていたタンパク質ですが,今回酸化ストレスの応答性にも関与していることがわかったそうです.
p66shcは普段はDNA損傷に対する修復機構に抑制的に働いており,酸化ストレスを細胞が受けると,このp66shcのなかのセリン残基がリン酸化され(リン酸化はタンパク質の立体構造に変化を起こさせ,活性を変化させる重要な手段です),その結果p66shcは不活性化され,修復機構に対する抑制が解除されて防御機構が働くような仕組みになっているようです.さらにリン酸化されたp66shcは,損傷がひどくて修復が効かないときは,細胞を自殺(アポトーシス)に導いて,おかしな細胞が増殖するのを抑える働きもしているそうです(この辺はp53に似てますね).
この欠損マウスでは,p66shcがないために修復機構の亢進がみられ酸化ストレスに耐性が高まっていたと考えられます.酸化ストレスと寿命との関係はショウジョウバエなどでよく言われていましたが,哺乳動物では今回がはじめての報告でしょう.ただ,酸化ストレスに耐性になるとなぜ寿命が延びるかというのは依然不明ですが・・・
もうひとつ重要なことは,今までの報告では寿命が延びたマウスなどは,発生や性成熟などに異常が見られる場合が多いのですが,今回のマウスはまったく正常だったそうです.p66shcがないと異常細胞のアポトーシスが起こらずに癌などが発生しそうですが,そのへんはp53などがうまく代償しているのでしょう.
◇New Books |
出版社・著者らからの新刊案内をそのまま流します。
本誌が内容を保証するものでも書評でもありません。単なる書籍広告欄です。
あくまでご参考にどうぞ。
新刊案内を流したい編集者・著者は編集人まで。
◇『お茶はなぜ体によいのか ―カテキンパワーの秘密』 ポピュラー・サイエンス 211 黒田行昭・原 征彦共著 四六判/188頁/本体1600円+税,裳華房 http://www02.so-net.ne.jp/~shokabo/book_news.html#11.3 ISBN4-7853-8711-4 古くから日本人に親しまれ,今日の日本人にも欠かせない飲み物と なっているお茶.最近,このお茶がガンや成人病の予防,殺菌・酸 化予防に非常に効果的である実 験結果が続々と報告されています. その効果を科学的に解説し,さらにお茶の中に含まれているカテキン を使用したいろいろな商品についてもわかりやすく紹介します. 目 次 1章 日本のお茶 2章 お茶の病気予防効果 3章 生活習慣病とお茶 4章 感染症とお茶 5章 お茶の殺菌・酸化防止効果 6章 お茶のおいしい飲み方 7章 茶カテキンの食品や産業面への応用 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ◇『遺伝子できまること、きまらぬこと』 ポピュラー・サイエンス 209 順天堂大学客員教授 医博 中込弥男 著 四六判/ 頁/本体1500円+税,裳華房 http://www02.so-net.ne.jp/~shokabo/book_news.html#11.4 ISBN4-7853-8709-2 人の性格や能力などは,どの程度遺伝子によってきまるのでしょう. 遺伝病だけでなく,生活習慣病(成人病)やがんなどにも遺伝子が 関係しているという話もあります.逆になんでも遺伝子できまるから, 自分でできることや、子どもの成長に親や教師が手助けできることは ないのでしょうか? 本書は,誰もが知りたい遺伝子のはたらき・ 役割について,身近な題材を例にわかりやすく読みやすく解説しました. 目 次 1章 あれも遺伝子、これも遺伝子 2章 男と女、遺伝子の違い、環境の違い 3章 運動神経や性格と遺伝子 4章 双子、遺伝子と環境 5章 生活習慣病と遺伝子 6章 先天異常をめぐって 7章 「がん」遺伝子か環境か 8章 遺伝子と二一世紀の医療−ヒトゲノムと二一世紀の遺伝医療 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ◇『脳・心・進化』 雑誌「生物の科学 遺伝」別冊11号 渡邊正孝・長谷川寿一・遺伝学普及会 編 B5判/178頁/本体2400円+税,裳華房 http://www02.so-net.ne.jp/~shokabo/iden_betu11/iden_betu11.html ますますエキサイティングな展開をみせる“脳と心”研究.認知神経科学, 精神医学,行動遺伝学,そしてこの分野の新しい潮流「進化心理学」等々の 最新成果をもとに,“脳と心” およびその進化の本質に,第一線で活躍する 研究者たちが鋭く迫る. 目 次 1.「脳・心・進化」特集にあたって 2.脳・意識そして心 3.脳が病む・心が病む 4.脳のはたらきから心を考える 5.心の遺伝子を追って 6.進化からみた人の心 |
なお編集人による新刊科学書評は http://www.moriyama.com/ にアップされています。
◇Event |
科学に関するイベント情報などを収集して告知します。
告知したいイベント主催者は編集人までメールを。
◇「理科教室」編集部主催 ミニミニ講演会ご案内 共催 日本科学者会議「環境・教育研究会」 後援 科学教育研究協議会東京支部 ---------------------------------------------------------------- JCOで何が起きたのか ---------------------------------------------------------------- お話をして下さるかた 野口邦和さん −日本大学で放射線の研究をされています− どなたでも参加できます。 お忙しい時期ですが、ぜひご参加下さい。 ---------------------------------------------------------------- 会場 都立工芸高校 JR水道橋駅または 地下鉄三田線水道橋駅 下車徒歩1分 とき 12月25日(土) 2時から5時まで 受付は1時半からです。事前の申込は必要ありません。 参加費 大人1000円 高校生・大学生 100円 中学生以下 0円 ミニミニ講演会に関する、お問い合わせ。 〒113−0034 東京都文京区湯島2−23−5 新生出版株式会社『理科教室』編集部 TEL 03−3832−8933 FAX 03−3832−8935 電子メール アドレス :sinsei@asahi-net.email.ne.jp ----------------------------------------------------------------- ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ◇ウェステック'99 廃棄物処理・再資源化展 http://www.milestone.co.jp/wastec/contents/cont_index.htm 【会期】11月23日(火)〜26日(金) 【会場】幕張メッセ ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ◇動物行動遺伝子−探索から農林水産技術へー 社団法人農林水産技術情報協会 12月13日 南青山会館 http://www.afftis.or.jp/news/seminar/#c1213 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ◇国立天文台すばる望遠鏡完成記念シンポジウム 「すばる」が明かす大宇宙の謎 12月9日 東京ファッションタウン内 TFTホール500 http://www.asahi.com/ad/clients/subarutenmon/subaru.html ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
◇Website |
この欄では、ポピュラーサイエンス関連の優れたウェブサイトを勝手に紹介する。 日本語で書かれたポピュラーサイエンス・サイトは確かに少ない。 だが、少ないなりにはあるのだ。
◇from editor's diary http://www.moriyama.com/diary/1999/diary.htm |
99.11.13http://www.moriyama.com/diary/1999/diary.99.11.htm#diary.99.11.13 より
▼大学の先輩が30才になり無事に年寄りの仲間入りしたということで、記念に鍋をする。そのままいろいろオタクビデオを見たり。
▼東京の古本屋でも自然科学関連の本なんかほとんど出回ってないっすよ。少なくとも俺が行くようなところには。刷り部数がそもそも少ないから、ダメなんじゃないかと思うんですが。一番ダメなのは、中途半端に売れて品切れ重版予定なしになっちゃう本ですな。
そういや俺が死んだらこの本の山はどうなるんだろう。燃やされるくらいなら、誰かに引き取ってもらいたいものです。そうだよ、俺くらいならまだ大したことないけど、世の蔵書家の中には、家族もいずにひっそり死ぬ人も多いと思うのだが、そういう本はどうなっているんだろう。▼92年前の今日、ヘリコプターが初めて飛んだそうである。作ったのはフランスの自転車屋さんだったとか。
▼トルコでまた大きな地震。M7.2と推定されている模様。
◇from editor |
獅子座流星群の極大期は終わってしまいました。
実際の極大期は18日午前11時頃、つまり真っ昼間だったようです。
ですが、流星はべつに極大日しか見えないわけではありません。
活発な活動で知られる日本流星研究会のウェブサイト
http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Enms/index.html
を見ると、
23日の夜くらいまでは見ることができるかもしれないという話です。
またそろそろ、もっとも星空が美しい(と僕は思う)季節がやってきました。
寒くなってきましたが背を丸めて下ばかり見るのではなく、上を向いて歩きたいものです。
弊誌では相変わらず科学に関する寄稿をお待ちしております。 ではでは、今後ともよろしくどうぞお願い申し上げます。
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