Popular Science Node 1999/11/02 Vol.019 |
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◆CONTENTS: |
[Digest]
◇科学関連やじうま
[Column]
国際ロボット展&マイクロマシン展 雑感
[New Books]
『知の創造−−ネイチャーで見る科学の世界』
『巨人の肩に乗って――現代科学の気鋭、偉大なる先人を語る』
[Event]
文部省・国立天文台 ・三鷹キャンパス一般公開
TEPIA国際シンポジウム「デジタル・ルネサンス〜人にやさしいデジタル社会〜」
ネイチャーが語る先端サイエンスの今
[from editor's diary] 編集人のウェブ日記から
[Digest]
◇科学関連ニュースいろいろ |
▼1兆ビット/平方インチ級の情報量に相当するナノ構造体配列をシリコンチップ上に書き込むことに成功
http://www.waseda.ac.jp/koho/news99/991020.html
▼宇宙飛行士候補者の基礎訓練 月間基礎訓練レポート10月号
http://jem.tksc.nasda.go.jp/astro/ascan/ascan_rep9910.html
▼NASDA スペースパーソンNo.31 「STS-95ミッションでの植物実験をサポート
-宇宙開発事業団宇宙環境利用システム本部 宇宙環境利用研究センター 相澤幸子-」
http://spaceboy.nasda.go.jp/Spacef/sp/j/spacep_j.html
▼第7回衛星設計コンテスト最終審査会の一般公開について(発表文)
http://yyy.tksc.nasda.go.jp/Home/Press/Press-j/199910/eisei_991012_j.html
▼東海大医学部・猪子英俊教授、英サンガーセンター、米フレッド・ハッチンソンがん研究センターなどが糖尿病やリウマチに関する遺伝子があると考えられる領域の解読に成功。
参考:http://www.genome.ad.jp/brochure/japanese/p32.html
▼大学の物理教育のためのメイリングリスト開設
http://www.granular.com/peu
◇国際ロボット展&マイクロマシン展 雑感 |
先週、国際ロボット展(http://www.jade.dti.ne.jp/~jara/jp/03event/detail03.html)とマイクロマシン展(http://www.mesago-jp.com/micro/)が行われた。それぞれ「ひやかし」に行ってみた。
ロボット展のテーマは「人との共生−ロボットは更に変化する」。
様々な産業用ロボットが腕を振り回していた。そのスジの人たちにとっては、オープンロボットネットワーク(Open Robot Interface for the Network:ORiN)と呼ばれる規格のブースがウリだったらしい。産業用の中にも部品の間をある程度自律で動き回るロボット(DENSO)などが展示されていて、人々の目を集めていた。三菱製の原子力発電プラント水中点検用の、双腕としっぽを持った、まるでサソリの様なロボットもまた異彩を放っていた。
一方、一般人の興味はやはり非製造分野のロボット展示。企画展「ロボットテクノプラザ」ではホンダP3(静展示、つまり置かれていただけ)を始め、大学や研究機関、また民間企業の警備ロボットなどが展示されていた。
ざっと紹介すると、東大たち(漢字が出ない)研究室の相互テレイグジスタンスのための再帰性反射材のデモンストレーション、ガイコツに電極がさされた形で異彩を放ちまくっていた咀嚼ロボット、オムロンによるペットロボット(メンタルコミットロボットと呼ばれていた。ねこの「たま」と新しく作られたゴマアザラシ型ロボット)、SOKによる警備ロボット、宇宙研、明治大、中央大学による月探査用ローバー、東大・光石研究室によるテレサージェリー用ロボットシステム、セコムによる食事支援ロボットなどがあった。
特に目新しく映るものはなかったが、こういうのはやはり実物を見る貴重な機会である。産業用ロボットにしても、みな実にスムーズかつ素早く、そして意外と静かに動く。今年見に行けなかった人は来年覗いてみては如何だろうか。
各種超小型センサや超小型モーターはもちろんだが、マイクロウェーブで電気を送らて駆動する自律配管検査ロボットや、「細管群外部検査試作システム」と呼ばれる群れで細管外側を検査するロボット、脳内血管に入り込んで治療を行うカテーテルなどが展示されていた。その小ささはもちろんだが、まるで虫のようなスムーズな動きにも感嘆した。
また今回の目玉である「マイクロファクトリー」はそれぞれ要素ごとにブースが作られていて、ホール一つをまるごと使ってた。まさにファクトリー全体がマイクロマシン技術のアセンブルの結果であることを実感させてくれる展示群だった。
繰り返しになってしまうが実際にモノを見ると、その小ささに本当に驚く。マイクロマシンはただ小さくすればできあがるというものではない。たとえば配管検査用ロボットからの画像転送は、ピントが合っている部分だけを送り、それを合成して一つの絵にすることにより、ビットレート面でも画質面でも得をするといった工夫がなされているのである。
これからに期待できそうだなと実感させられる展示だった。ただし一般写真撮影禁止には疑問を感じた。
◇New Books |
出版社・著者らからの新刊案内をそのまま流します。
本誌が内容を保証するものでも書評でもありません。単なる書籍広告欄です。
あくまでご参考にどうぞ。
新刊案内を流したい編集者・著者は編集人まで。
◇『知の創造−−ネイチャーで見る科学の世界』 ネイチャー責任編集、竹内薫 責任翻訳 発行は、徳間書店(10月15日刊行) A5ハード、552ページ(本文図版120点、オールカラー)、定価4200円 ●序文----リチャード・ドーキンス。 ●推薦----江崎玲於奈、立花隆、養老孟司 世界で最も権威ある科学誌『ネイチャー』が、 日本で初めて単行本を刊行 ! ネイチャー責任編集の最先端科学コラム選集(Nature -- News & Views ) 『知の創造---ネイチャーで見る科学の世界』が、 徳間書店より刊行されました !! 本書は、ネイチャーの顔ともいうべき看板コラム&イラスト〈ニューズ・アンド・ ヴューズ〉1年分(1998年のものよりネイチャー自身が選りすぐった67本)を一冊の単 行本にまとめ、『知の創造』というタイトルで翻訳出版する日本版オリジナルです。 これはネイチャーの歴史上初めて、世界最初の試みとなります。 以後、年ごとに同様にして刊行していく予定です。 先端科学の現場で目まぐるしく変貌する知の動向が、この本によって一望の下に収 めることが可能になりました。また各コラム1項目につき必ず1点以上のカラー図版が 入ります。『ネイチャー』はその記事の質はもちろん、この図版にも大変な工夫と労 力を注いでいます。そのため、見ても楽しい、そして資料価値もたいへん高いものと なっています。 『知の創造』は、新しい知が生まれつつある瞬間とその未来を、科学に関係する人た ちばかりでなく広く一般読者にも問いかけていく本です!! とりわけ英語の不得手な 大多数の日本の読者にとって、専門化してブラックボックスに入ってしまった先端サ イエンスの全体像に直接触れることができるということは、未体験の、知的刺激に満 ちた有意義な経験となることでしょう。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ◇書名:巨人の肩に乗って――現代科学の気鋭、偉大なる先人を語る 著者:メルヴィン・ブラッグ 訳者:熊谷千寿 解説:長谷川眞理子 定価:本体価格2200円+税 ISBN:4-88135-788-3 <目次> ・アルキメデス(BC 287-BC 212) リーザ・ジャーディン、ジェフリー・ロイド、サイモン・シェファー、ルイス・ウォルパート ・ガリレオ・ガリレイ(1564-1642) マーリオ・ビアジオーリ、ポール・デイヴィス、マイケル・シャラット、 マーガレット・ワーハイム サー・アイザック・ニュートン(1642-1727) ジョン・グリビン、ロバート・アイリフ、ジョン・マラン、マーティン・リース アントアーヌ・ラヴォアジェ(1743-1794) ピーター・アトキンス、ジャン=ピエール・ポワリエ、サイモン・シェファー、 ベルナデット・ベンソード=ヴァンサン マイケル・ファラデー(1791-1867) ジェフリー・カンター、ラヴィ・ミルカンダニ、アイワン・モーラス、 ジョン・ミューリグ・トマス チャールズ・ダーウィン(1809-1882) ジェネット・ブラウン、リチャード・ドーキンス、ダニエル・デネット、 スティーブン・ジェイ・グールド、リチャード・ダーウィン・ケインズ、 ジョン・メイナード・スミス ジュール・アンリ・ポアンカレ(1854-1912) ジューン・バロー・グリーン、ロバート・メイ、マイケル・パティー、 イアン・スチュアート ジークムント・フロイト(1856-1939) スーザン・グリーンフィールド、アダム・フィリップス、オリヴァー・サックス マリー・キュリー(1867-1934) フランソワーズ・バリバール、ジョン・グリビン、ドミニク・ペストル、 スーザン・クイン アルバート・アインシュタイン(1879-1955) ジョスリン・ベル・バーネル、ポール・デイヴィス、ジョン・グリビン、 ロジャー・ペンローズ、ロバート・シュルマン フランシス・クリック(1916-)、ジェイムズ・ワトソン(1928-) ジェイムズ・ワトソン、リチャード・ドーキンス、 イヴリン・フォックス・ケラー、ジョン・メイナード・スミス いまどこにいるのか イゴール・アレクサンダー、ジョスリン・ベル・バーネル、ポール・デイヴィス、 リチャード・ドーキンス、ジョン・ホーガン、ジョン・マドックス、 ジョン・メイナード・スミス、ロジャー・ペンローズ 解説――長谷川眞理子 <内容解説> 「わたしが人より遠くを見てきたのは、巨人の肩に乗っていたからだ」(1675年、 サー・アイザック・ニュートン)という言葉もあるように、偉大な科学の発見はすべ て、先人の業績の上に成り立っている。いや、その積み重ねこそが、科学と言ってい いのかも知れない。 アルキメデスからワトソン&クリックに至る「知の巨人」について、現代科学を代 表する科学者たちが語った内容をまとめた本書は、その意味において、科学、あるい は科学者のあり方を考えさせる本と言える。 BBCの人気インタビュー番組(ラジオ)をまとめただけあって、ガリレオをポール・ デイヴィス(『宇宙最後の3分間』)が、ニュートンをジョン・グリビン(『木星効 果』)が、ラヴォアジェをピーター・アトキンス(『分子と人間』)が、ダーウィン をドーキンス(『利己的な遺伝子』)やグールド(『ワンダフル・ライフ』)が、ポ アンカレをイアン・スチュアート(『カオス的世界像』)、フロイトをオリヴァー サックス(『妻を帽子と間違えた男』)が、アインシュタインをロジャー・ペンロー ズ(『皇帝の新しい心』)が語るなど、その組み合わせは、他で実現することは難し いほど豪華なものとなっている。 語られる内容も、彼らの残した業績が現在の科学に及ぼしている影響から、彼ら個 人個人の才能や性格に至るまでいわゆる通り一遍の偉人伝では書かれていない生臭い 話まで言及されている点が、さすがベストセラー作家をインタビュアーとしてもって きただけのことはある。 また解説では、『科学の目科学のこころ』の長谷川眞理子が、本書の内容を受け、 芸術と科学における過去の業績の捉え方の違いに触れながら、科学のあり方について 語っているのも見逃せない点だ。 |
なお編集人による新刊科学書評は http://www.moriyama.com/ にアップされています。
◇Event |
科学に関するイベント情報などを収集して告知します。
告知したいイベント主催者は編集人までメールを。
◇文部省・国立天文台 ・三鷹キャンパス一般公開 <メインテーマ>「動き始めたすばる望遠鏡」 11月27日 http://www.nao.ac.jp/open-day/ ◇TEPIA国際シンポジウム「デジタル・ルネサンス〜人にやさしいデジタル社会〜」 11/4 TEPIAホール 入場無料 先着250名 機械産業記念事業財団 http://www.tepia.or.jp/12event/SYMPO/index.html ◇ネイチャーが語る先端サイエンスの今 『知の創造−−ネイチャーで見る科学の世界』発刊記念イベント 11月2日(火) http://www.tokuma.co.jp/nature/event.html 紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4F) 入場料1,700円 (主な内容) ・サイエンス最前線では、今、どんなことが行われ、そして考えられているのか!? ・専門化が進み過ぎてブラックボックスに入ってしまった先端サイエンスの成果を、 どうしたら再び私たちの手に取り戻すことができるのか!? ・世界の科学における日本の位置づけはどうなっているのか。 ・ネイチャーの歴史と21世紀への科学の展望は−− (ネイチャー誌が選ぶ20世紀の科学における10大ニュース発表)ほか (出演者) ティム・リンカン(Tim Lincoln) 『ネイチャー』誌ニューズ&ヴューズ編集長。海軍士官を経験後、生物学と海洋学の 学位を取得し、科学出版の世界に入る。1980年に『ネイチャー』誌書評欄の編集者に 任命され、後に論文審査部門の責任者も兼ねるようになった。1993年よりニューズ・ アンド・ヴューズの編集者になり、現在に至る。 江崎玲於奈(えさき・れおな) ノーベル賞物理学者。研究者としてエサキダイオードをはじめ半導体素子材料開発に かかわる数々の大きな成果をあげる。1992年に筑波大学学長に就任、その後茨城県科 学技術振興財団理事長を務めるなど、近年は科学の啓蒙活動に尽くしている。 養老孟司(ようろう・たけし) 解剖学者。北里大学一般教育総合センター教授。大学を卒業後、平成7年退官まで 東 京大学医学部解剖学教室に勤める。解剖学者の視点からとらえた著書も多く、 『から だの見方』(筑摩書房)『涼しい脳味噌』(文藝春秋)『脳が語る科学―養老 孟司対 談集』(青土社)ほか。昆虫好きとしても有名。 竹内薫(たけうち・かおる) 科学哲学者。『知の創造』の翻訳責任者。東大教養学部および理学部物理学科を卒 業 後、カナダ・マギール大学大学院にて理学博士号を取得。主な著訳書に『宮沢 賢治・ 時空の旅人』(日経サイエンス)、『科学の終焉』『宇宙フラクタル構造の謎』 (以 上、徳間書店)などがある。
◇Website |
この欄では、ポピュラーサイエンス関連の優れたウェブサイトを勝手に紹介する。 日本語で書かれたポピュラーサイエンス・サイトは確かに少ない。 だが、少ないなりにはあるのだ。
◇from editor's diary http://www.moriyama.com/diary/1999/diary.htm |
99.10.30 曇りhttp://www.moriyama.com/diary/1999/diary.99.10.htm#diary.99.10.30 より
▼科学書を訳して大儲けしようと思ったら色々と仕掛けないと絶対に無理ですよ。世の中そんなに甘くない。
▼科学MLに面白い投稿があった。北里大学獣医畜産学部獣医繁殖学教室の三浦 弘さんによる「松茸のシーズン」。
http://www.freeml.com/cgi-bin/vi.cgi?ML=science&NO=log7&ID=3077
スウェーデンで生えている松茸と日本の松茸が同じもので、しかも命名がスウェーデンのほうが早く、マツタケの学名が変わるかもしれないというニュースを受けてのもの。三浦さんはいくつか疑問を提出されているので、どなたか詳しい方いらしたらよろしくどうぞお願い申し上げます。僕も知りたい。▼昨日の過酸化水素水の話だが、運搬した会社は昨日が初めてだったらしい。
▼風野掲示板
http://www.tcup1.com/143/shrink.html?
にも書いたんですけど、日本で幻肢症を診るのってやっぱり精神科医なんでしょうか?そういう論文とかってあるんですか? ていうか誰か診ている人っているのかな? どなたか教えて下さい。▼hotwiredから。パターンを認識する人間的なコンピューティング
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/3268.html
低燃費で環境に優しい未来の軽量自動車
http://www.hotwired.co.jp/news/news/3270.html▼ascii24から。直径1cmのパイプ中をワイヤレスで自在に動き回る検査マシン――第10回マイクロマシン展レポート
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/1999/1027/topi03.html
ウェアラブルコンピューターの最先端動向を探る−−第3回ISWCレポート
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/1999/1027/topi01.html
いいなあ。仕事にできて。俺なんかただの趣味だもんなあ。くそー。▼ZDnetから。東芝,米国集団訴訟和解で1100億円の特別損失
http://www.zdnet.co.jp/news/9910/29/toshiba.html
AIBOファンよ集結せよ! ソニーが「AIBO EXPO'99」開催
http://www.zdnet.co.jp/news/9910/29/aiboexpo.html
◇from editor |
最近手抜きですいません。僕もいろいろあるんです。
弊誌では相変わらず科学に関する寄稿をお待ちしております。 ではでは、今後ともよろしくどうぞお願い申し上げます。
本誌ホームページ:http://www.moriyama.com/popular_science_node/ *本誌に関するご意見・お問い合わせはmoriyama@moriyama.comまでお寄せ下さい。 |
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