Popular Science Node 1999/09/28 Vol.014 |
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◆CONTENTS: |
[Digest]
◇科学関連やじうま
[Book Review]
『イルカに学ぶ流体力学』
[New Books]
『スタイビング教授の超古代文明謎解き講座』
雑誌『生物の科学 遺伝』10月号(特大号)
『人間性はどこから来たか──サル学からのアプローチ』
[Event]
キャノンアートラボ第9回企画展「分離する身体」
[Website]
田中館愛橘記念館 「日本の科学者・技術者100人 デジタル・アーカイブ」
[from editor's diary] 編集人のウェブ日記から
[Digest]
◇科学関連ニュースいろいろ |
▼東京大学地震研究所地震予知情報センター -台湾地震特集-
http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/topics/taiwan/index-j.html
▼チャンドラX線望遠鏡による3つの超新星
http://science.nasa.gov/newhome/headlines/ast21sep99_2.htm
▼H-IIロケット8号機の打上げ延期について(続報)
http://yyy.tksc.nasda.go.jp/Home/Press/Press-j/199909/h28_990922_j.html
▼Nature BioNews 遺伝学:走り回るのは痩せたハツカネズミ
体重と活発性を結びつけるカギは遺伝子?
http://www.naturejpn.com/newnature/bionews/bionews990922/bionewsj-990922f.htm
▼Nature BioNews 脳:頭の中の配線図 MRIを使って情報の流れをたどる
http://www.naturejpn.com/newnature/bionews/bionews990922/bionewsj-990922e.htm
▼団藤保晴の「インターネットで読み解く!」
第75回 大地震に備える時が来ていないか
http://www.alles.or.jp/~dando/backno/990923.htm
▼Mars Climate Orbiter、ミッション失敗
http://mars.jpl.nasa.gov/msp98/orbiter/
http://mars.jpl.nasa.gov/msp98/news/mco990924.html
http://www.flatoday.com/space/today/092399mco.htm
▼アメリカIncyte社がヒトには14万個以上の遺伝子が存在と発表。
従来言われていた10万、あるいは8万から一気に増大。
▼特許から見たバイオテクノロジー産業の現状と課題
http://www.jpo-miti.go.jp/info/vaio.htm
◇書評再録『イルカに学ぶ流体力学』 |
編集人のウェブサイト「独断と偏見のSF&科学書評」から書評を再録します。
今回は『イルカに学ぶ流体力学』のレビューを再録。
イルカに学ぶ流体力学 (永井實(ながい・みのる)著 オーム社(テクノライフ選書) 1400円) 「イルカは説明が不可能なほどに速く泳ぐ」。 どういうことか? イルカはオビレをふって推進し、泳いでいる。単純に考えれば、最高速度の限界は その筋肉が発すると考えられるパワーと、体表面が受ける抵抗からはじき出されるは ずである。 ところがイルカは、推定される最高速度より遙かに速く──最低2倍以上だという─ ─泳いでいるというのである。これは指摘した研究者の名前をとり「グレイのパラ ドックス」と呼ばれている。多くの研究者が挑んでいるが、未だにクリアに説明する ことができていないのだそうである。 本書は、それを取り巻く謎を解説しながら、流体力学の基礎理論の世界を紹介してい く本である。基本的には教養レベルの教科書的な内容なので、はっきりいって難し い。だが、こういう素材で勉強できる学生がちょっとうらやましいかな。後半では著 者らが行っているロボット・フィッシュ開発の話になるが、ここらはいま一つの感あ り。面白いからいいけど。 なお、本書を通読しても、結局パラドックスはパラドックスのままである。つまり、 イルカがなぜ考えられる以上のスピードを出せるのかは未だに分かってないのであ る。著者は今後の研究に期待を寄せている。 最近、サメの体表面にあるリブレットという微少なでこぼこが大幅に抵抗をなくすこ とが明らかになり、各方面で応用されつつあるが、イルカはそういう効果では説明で きないほど速く泳ぐ。理由もなく速いということはあり得ない。体表で起こっている 「何事か」がその理由であることだけは明らかだ。体表でアクティブに流れを制御し ているのかもしれない。今後、ミクロなレベルでの流体力学とイルカの生理学の研究 が進めば、やがて謎も明らかになるだろう。 TVや水族館で身近な動物にも、大きな謎が秘められているのだ。 http://www.moriyama.com/1999/sciencebook.99.9.htm#sci.99.9.08 より |
なお編集人による新刊科学書評は http://www.moriyama.com/ にアップされています。
◇New Books |
出版社・著者らからの新刊案内をそのまま流します。
本誌が内容を保証するものでも書評でもありません。単なる書籍広告欄です。
あくまでご参考にどうぞ。
新刊案内を流したい編集者・著者は編集人まで。
◇『スタイビング教授の超古代文明謎解き講座』 ピラミッド・ミステリー、ナスカの地上絵、ノアの箱船等々、超古代の不思議な 遺物に関する珍説・奇説・トンデモ説の間違いを正し、真相を明かす。 故カール・セーガン、S・グールドらも推薦。 W・スタイビング(ニューオリンズ大学歴史学部教授)著 皆神龍太郎 監修・解説 本体2000円+税 太田出版 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ◇雑誌『生物の科学 遺伝』10月号(特大号) 本体1400円+税 裳華房 http://www02.so-net.ne.jp/~shokabo/iden.html 【特集1・日本の草地が危ない】 農畜産業の衰退・構造の変化等に伴って,急速に失われつつある日本の草地を 守るためには,どのような考え方・手だてが必要なのかを紹介する. <目次> 特集にあたって ヒトがつくりあげた日本の草地 野草地のあり方と保全 草原生物群集の成立と衰退 草原の管理と種多様性 カヤ場の利用と景観生態 草地とその生物多様性の保護−ヒトとかかわりのある自然の保全 【特集2・飲酒と遺伝】 アルコールの代謝に関する遺伝子が解明され,その個人差,民族による差異等が わかってきた.いわゆる酒に強い・弱いにはどんな遺伝子が関係するのか等,人と 飲酒の関係の遺伝的側面を解説する. <目次> 特集にあたって 飲酒に影響を与える遺伝子 飲酒の遺伝生態学 アルコール依存症と遺伝子 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ◇『人間性はどこから来たか──サル学からのアプローチ』 西田利貞 著 京都大学学術出版会 ISBN 4-87698-079-9 2800円(税別) 家族の絆や近しい集団の中での協力、一方での異なるグループ間の対立・闘争と 和解、……など、ヒトに共通な心理や行動の特徴は進化史の中でどのように形成さ れたのか? 生態人類学の成果と生物進化の理論から人間性の由来を探り、現代社 会の諸病理──戦争や環境破壊、文明病等々──の原因を、自然の中のヒトの位置 から解き明かしています。 ご存じのように、我が国の野生チンパンジー研究の草分けであり、国際霊長類学 会の会長として日本と世界のサル学をリードしてきた著者が、自らの学部講義を再 現した、ホミニゼーション(ヒトの進化史)の初の入門書です。 *****目次***** はじめに 1──狼少年の神話 2──人はなぜ太るのか? 3──ヒトは白紙で生まれてこない 第一章 現代人は狩猟採集民 1──文明病 2──男と女はこんなに違う 3──狩猟採集時代の遺産? 4──行動の性差のメカニズム 5──女は優れている 第二章 人間性の研究の方法 1──人間性の研究の歴史 2──ヒトの生物学的特性の研究方法 第三章 社会生物学から見た人類 1──ヒトの繁殖行動 2──社会生物学に反する習慣? 第四章 社会の起源 1──霊長類集団の多様性 2──生態と社会 3──近親援助(ネポチズム) 第五章 互酬性の起源 1──互酬性の進化 2──霊長類における互酬的援助行動 3──ヒトの互酬的利他行動と互酬性 4──残された課題 第六章 家族の起源 1──インセスト回避の起源 2──人間家族における労働の性的分業 3──性的分業の起源をめぐる四つの問題 4──配偶関係 5──子どもの依存期間の長期化 6──生計活動の性差 7──食物分配と交換の問題 8──コミュニティ、家族の誕生と排卵の隠蔽 第七章 攻撃性と葛藤解決 1──攻撃性 2──葛藤解決 3──戦争 第八章 文化の起源 1──学習 2──文化の定義 3──霊長類の文化 4──霊長類における社会的伝達 5──ヒトの文化 第九章 言語の起源 1──野生霊長類の初期の音声研究 2──ヒトの音声言語と霊長類の音声の相違 3──飼育下の類人猿の言語研究 4──言語の起源 第一〇章 知能の進化 1──知能進化の二つの仮説 2──脳の発達程度の種間比較 3──生態仮説 4──社会仮説 5──知能と認識適応 6──どちらが正しい? 第一一章 初期人類の進化 1──最後の共通祖先 2──共通祖先の森林での行動様式 3──二足歩行の起源と初期人類の生活 4──乾燥疎開林での適応 5──初期人類の社会構造 6──原人の段階 第一二章 終 章 1──共有地の悲劇 2──経済成長の内幕 3──進歩の幻想 4──どうすべきか? あとがき |
なお編集人による新刊科学書評は http://www.moriyama.com/ にアップされています。
◇Event |
科学に関するイベント情報などを収集して告知します。
告知したいイベント主催者は編集人までメールを。
◇キャノンアートラボ第9回企画展「分離する身体」 10/6(水)よりヒルサイドプラザ(東京・代官山) http://www.canon.co.jp/cast/artlab/topics/new/main-j.html
◇Website |
▼田中館愛橘記念館 「日本の科学者・技術者100人 デジタル・アーカイブ」
http://www.tanakadate-msm.ninohe.iwate.jp/
まずこのサイトのコンテンツを見るためには、Javascriptをオンにしていなければならない。さらにShockwave Playerがインストールされていなければならない。はっきり言って最悪のインターフェースである。いまどき、どこの誰が間抜けにチラチラするだけの遊びなど見たいと思うだろうか。
だが、他にはこういうものがないのだから仕方がない。歴史に名を残した100人の科学者たちの経歴や業績がアップされている。
◇from editor's diary http://www.moriyama.com/diary/ |
編集人のウェブ日記から、ある一日を適当に抜粋します。
99.09.22 雨http://www.moriyama.com/diary/1999/diary.99.09.htm#diary.99.09.22 より
▼雨、雨、雨。赤坂方面定例会議。
▼クラリオンガールの話だが、知人達の日記などによると東大理学部3年で動物学を学んでいる子らしい。僕は、未だかつて同級生が有名人になったという経験がないのだが(ということはこれからもない)、いったいどういう気持ちなんでしょう。
http://www.clarion-girl.com/
▼<特報・太古の花>香川大農学部グループが8900万年前の化石(毎日新聞)。
香川大農学部 生命機能専攻 高橋正道教授の仕事。
http://www.ag.kagawa-u.ac.jp/souran/takahashi/takahashi.html
これですね。
http://133.92.54.27/masa/masa57.data
▼CNNから。NASA tag coated with moon dust sells for $310,500。
http://www.cnn.com/TECH/space/9909/19/space.auction.ap/index.html
▼次世代ネットワークの検証実験“MIRAInet”を開始 〜多様化する情報社会のニーズに変幻自在に対応する「適応型ネットワーク」の実現を目指して〜NTT。
http://www.ntt.co.jp/news/news99/9909/990921.html
▼運輸多目的衛星(MTSAT)愛称募集。
http://www.motnet.go.jp/koho99/mtsat/MTovrvw.htm
◇from editor |
火星探査機Climate Orbiterが火星に近づきすぎて燃え尽きてしまいました。
「・・・・・」という感想しか出てこないような、残念な失敗でした。
弊誌では相変わらず科学に関する寄稿をお待ちしております。 ではでは、今後ともよろしくどうぞお願い申し上げます。
本誌ホームページ:http://www.moriyama.com/popular_science_node/ *本誌に関するご意見・お問い合わせはmoriyama@moriyama.comまでお寄せ下さい。 |
新刊書籍情報・イベント告知情報ほか各種情報の掲載について
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