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Popular Science Node
1999/07/27 Vol.006
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◆CONTENTS:

[Digest]
◇科学関連ニュースいろいろ

[Guest Column]
ペットボトル(by 田口善弘)
科学におけるセレンディピティーについて(by 須見哲也)

[New Books]
  『バイオディバーシティ3 藻類の多様性と系統』 雑誌『生物の科学 遺伝』8月号

[Event]
静岡県立大学環境科学研究所 一般公開
恐竜ナイトツアー1

[Website]
科学新聞社

[from editor's diary] 編集人のウェブ日記から

[from editor]


[Digest]
◇科学関連ニュースいろいろ

やはり「node」というコンセプトからすると、もっともっとURLを紹介すべきではなか ろうか、と考え、編集人のウェブ日記などから適当にURLを紹介し、ダイジェストの ニュースとします。実際にはニュースでもなんでもないのですが、便宜上「ニュー ス」としておきます。


▼月探査機ルナ・プロスペクター、最後のミッション
http://www.ae.utexas.edu/~cfpl/lunar/
7/31日、現在月を周回中の月探査機ルナ・プロスペクターは月の極に衝突します。
 これによって発生するかもしれない水蒸気を観測し、水の存在を確認しようという計画です。

▼すばる望遠鏡、冥王星にエタンの氷、カロンに水の氷を発見
http://www.nao.ac.jp/Subaru/19990719/pic19990719.html

▼LIVE! ECLIPSE 99 8月11日、20世紀最後の皆既日食
http://www.solar-eclipse.org/index-j.html

▼「天竜川上流の主要な魚」 建設省 天竜川上流工事事務所, PDFファイル
http://www.cb.moc.go.jp/tenjyo/pdf/index.htm

▼くすりと副作用(萬有製薬)
http://www.banyu.co.jp/health/fukusayou/index.html

[Guest Column 1]

◇ペットボトル(by 田口善弘)

田口善弘さんのサイエンスコラムです。本誌連載第3回目。


【ペットボトル】

なんかのテレビ番組で、こんなクイズをやっていた。

「2リットルのペットボトルにいっぱい水が入っています。ペットボトルをなるべくはやく空にするにはどうすればいいですか?」

やってみれば解るが、単にペットボトルを逆さにしただけでは、水はなかなか出て行かない。理由は簡単で、水がいっぱいに入ったペットボトルを逆さにすると、ペットボトルの口いっぱいに水が殺到するので、空気が入り込む余地がない。そこで、ちょっと水が出ては空気が入り、またちょっと水が出ては空気が入り、という風に水と空気が交替交替で出たり入ったりしなくてはいけないことになり、これだとえらく効率が悪くてなかなか水が出て行ってくれないのだ。

これを解決するには、ペットボトルの尻にでも穴を開けて空気の入口を作ってやればいいのだが、そんなことすると、もはやペットボトルとしては役に立たないものになってしまう。どうすればいいか?番組では年配の男性が無理矢理ペットボトルを押し潰して水を押し出し、最初にペットボトルを空にしていたが、勿論、正解はそんなんではない。ペットボトルをくるくる回して、渦を作りながらだしてやる、というのが正解である。こうしてやると、ボトルの真中に穴があいて空気の通り道ができる。で、水が出て行くのと空気が入って来るのが同時に行われるので、素早くペットボトルが空になる、ということなのだ。

渦が出来るとどうして「穴」があくんだろうか?これは遠心力のおかげである。一般に水と言うのは水平な平面をもつ。重力に垂直といってもいい。水をコップに入れてぐるぐる回し、コップの中の水に回転を与えてやると真中がへこむのが解るだろう。これは遠心力のおかげで、重力の他に横向きの力が加わっているために起きていることだ。遠心力の分だけ水平な面の向きが傾いてしまうのだ。

実際、これはなんら不思議なことじゃなくて、僕等も毎日目にしていることだ。地球だって「自転」という回転をしているのだから、その分、水面は曲がっている。ただ、現実問題として地球はかなり大きいので、我々にはその水面の曲がりはほとんど見えないだけなのである。

それにしても、コップを回転させた時の水面の曲がり方と渦が出来たときの水面の曲がり方は随分と違う。渦の時の方がずっと曲がり方がきついようだ。この差は、渦の時の方が回転がきついから起きて来る。渦の場合、水が流れ落ちるために穴の中心に近付くにしたがって、水の回転速度がどんどん速くなる。そこで、遠心力がきつくなって、水面の傾きがどんどんきつくなり、最後は殆ど垂直になるほどになり、「穴」が開くのだ。

この「真中程回転が速い」という事実は、実は、たつまきの強烈な破壊力の秘密なのである。ペットボトルから出て行く水の動きは、流れの向きを反対にすると、ちょうど竜巻の空気の動きと同じである。たつまきの場合は、真中の強い回転で、空気が吸い上げらえた後、空へ登って行く。ちょうどペットボトルと逆になっている。

そういえば、僕が学部生の頃、川久保達之という先生がおられて、そこの研究室に配属になった僕の同級生(いまは高校の先生をしている)は、大きな水槽から水が渦を巻いて流れ出るところをレーザードップラー計という機械で計測して、渦のどこがどんな速度なのか、というのを一生懸命測っていた。何の研究なのか、と聞くと、竜巻の研究だと教えられて、いろいろ説明も聞いたのだが、その時はなんで渦が竜巻の研究なんだかちっとも解らなかった。今、思うと随分とおもしろそうな研究だと思うのだが、そのときは解らなかった。つくづく残念。

関連リンク:
▼渦をつくろう
http://www.sunfield.ne.jp/~oshima/omosiro/uzu.htm
▼まわす
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/exhibits/S/S9/mawasu.html
▼まがる水面
http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/exhibit/text/3-33.html
▼遠心力洗濯機
http://www.panasonic.co.jp/denka/special/shikumi1.html
▼幡多郡大方町入野港沖に竜巻発生
http://www.gallery.ne.jp/~tanaka/fishing/etc/980418.html
▼川久保 達之
http://www.goo.ne.jp/default.asp?MT=%1B%24B%40n5WJ%5DC%23G7%1B%28B&SM=name&DE=2&DC=100&_v=2


田口善弘(たぐち よしひろ) 中央大学理工学部物理学科/理工学研究所
http://www.granular.com/tag/index-j.html

[Guest Column 2]

◇科学におけるセレンディピティーについて(by 須見哲也)

現在、海外で研究活動を行っておられる須見哲也氏からご寄稿頂きました。


【科学におけるセレンディピティーについて】

 ”なぜ、他の科学者たちが創造的でない研究領域で、ある科学者は特別に創造的でありえるだろうか?”という疑問をお持ちになったことはないでしょうか。”どうやって、アインシュタインは相対性理論を思いついたんだろう”、とか、”エジソンはいつどこで電球を発明したんだろう”とかいう疑問は同様で、科学技術に関わっている方であれば一度は、考えてみたことがあると思います。

 セレンディピティーという言葉は”偶然の発見をすること”とか”人が目を付けないことに着目して大きな発見をすること”とかいわれますが、これが一体なんで、どうすればそれを大学の教育課程に取り入れられるか、というのが主題の論文がありますので、要約してみます。


"Educating for the Serendipitous Discovery" R.S. Lenox, J. Chem. Educ., Vol.62, No.4, April (1985) 282<要約>

 一般に、科学分野において学位を得た学生はその分野について事実に基づく多くの知識を有しているかもしれない。しかし、事実に基づく知識を得て、方法論と技術の専門性を伸ばすことは、科学者として働くためのトータルな準備にはならない。このような準備は技術的に有能な人、あるいは高度に腕のいい技術者を作り上げるが、真に創造的な科学者を作り上げない。
 最近の学部化学のテキストから研究方法論を引用すると、1) データを得る 2) 法則に照らし合わせてデータを関連づける(物理的環境のある面の挙動に関連した一般化) 3) 法則を考慮した仮説の展開 4) その仮説の予測能力の検証 5) もしその仮説が正しい予測であることが分かれば、汎用理論の定式化。これは問題を調査するとき多くの科学者によって踏襲されるプロセスであるが、科学者がそのプロセスの最初のステップにどうやって到達したかについて、何も述べていない。なぜ、他の科学者たちが創造的でない研究領域で、ある科学者は特別に創造的でありえるだろうか?
(中略)
 一般に、成功する科学者が特別な問題の検証に導かれ、あるいは、既存の問題に対する特別で正しい解を提案するには主に3つの手法があるようである。
 その一つ目はおそらく最も容易に理解できるもので、Aufbau法、あるいは蓄積法と呼ばれる手法である。ある展開した仮説から異なる仮説を導き、おそらく連関したさらに異なる仮説を導き出す。

 2つ目の方法は、洞察力と呼ばれるのが最善であるものに起因する。この発見のモードは理解するのが容易ではない。おそらくこの手法に関する最高の記述は、近年イギリスの2人の科学者(Brown, R.A., and Luckcock, R.G., J. Chem. Educ., 55, 694 (1978))によるもので、彼らは夢を見ているとき、夢を見ているのに類似した状態、あるいは田舎を歩いているときでさえ起こりうる洞察のフラッシュの重要性を論じている。

 第3で最後の方法は、偶然の方法、あるいはセレンディピティー的発見であり、科学者にとって非常に重要で興味深いものであり続けてきた。

Chance Discoveries in Science

 18世紀後半の論理学者で神学者のWilliam Paleyは述べている。”設計の中にチャンスが必ずある;これは設計されたことを追跡することから設計していないことが必然的に出てくることを意味している”。Horace Wapoleは”Serendipの3人の王子”という童話を読み、1754年にHorace Mannに当てた手紙の中で最初にセレンディピティーという言葉を”設計されない(not-designed)”出来事として提案している。Serendipはセイロンの昔の名前で、Walpoleによると、”王子たちはいつも求めていないことを偶然発見していた”。Robert K. Mertonはこの言葉を科学における偶然の発見に適用した(Merton, R.K., "Social Theory and Social Structure", The Free Press, Glencoe, IL, 1957, p. 104)。

 おそらく、全ての科学におけるセレンディピティーの最も有名なケースはAlexander Flemingによるペニシリンの発見であろう。バクテリアの培養を試験して いるとき、Flemingはペトリ皿の一部がカビで汚れており、その周りでバクテリアのコロニーが破壊されていることに気が付いた。Flemingはすぐにカビのサンプルを成長メディアの中に置き、その観察を確かめた。抗生物質が第二次大戦中に重度に必要とされるまで、ペニシリンは最終的な商業化へと展開しなかったが、彼はさらにカビの性質を調査し、その代謝物質がペニシリンの発見へとつながった。Flemingの共同研究者であるMerlin Pryceは初期の発見について語っている(Maurois, A., "The Life of Sir Alexander Fleming", E.P. Dutton, New York, 1959, p.125):”私を驚かせたのは彼が観察に留まっただけでなく、すぐに行動を起こしたことです。多くの人々が現象を観察し、これは重要なことかもしれないと感じましたが、驚く以上のことはありませんでしたーその後彼らは忘れてしまったのです。”

Educating for the Chance Discovery

 もし自然科学において偶然の発見がこのような重要な現象であるなら、どうすれば学生がより偶然の観察ができ、その重要性を認識できるよう学部の科学カリキュラムに組み込むことができるだろうか?ある研究領域は調査者に偶然の発見のより多くの機会をもたらすであろうが、全ての科学者にセレンディピティー的発見のチャンスがあるはずである。

 学部の科学カリキュラムの中で偶然の発見のトレーニングを可能とする最初の方法は観察をし、記録することである。学生に通常の実験ノートを持つことを要求して、観察と記録のくせを教えるべきである。これは学生に何を記録するべきか判断することを要求するだけでなく、注意深く、きわどく観察することを強いることになる。ノートは、答えを”修正”するためでなく、記録技術をみるために教官によって読まれるべきである。

 学部学生が発見者として進歩するのを助けうる第2の方法は、あるタイプの長期間の組織的な研究の状況を提供することである。これは学部のメンバーとの正式な研究プログラム、あるいはインダストリーとの共同実験であってもよく、コースに関連した実験プログラムの一部でかもしれない。

 セレンティピティー的発見の概念は思考のフレキシビリティーと結び付けられる。WoodburnとO'Bournによると”期待しない糸口に敏感であるためには、科学者はその知識を固定観念の中に堅く閉じさせることなく、その知識を吸収し、回収できなければならない。”起きると信じていることだけを探している調査者は他のことが起きても観察しないだろう。もし、観察したとしてもその重要性と結びつけられないであろう。

 アメリカの物理学者Joseph Henryはこの必要性を述べている
”偉大な発見の種は常に我々の周りに漂っている、しかし、それは、それを受け取る準備がよくなされた心にのみ根を下ろす。”
Louis Pasteurは彼の有名な言明により同じ考えを発表した。
”観察の場において、チャンスは準備された精神のみを好む(Dans les champs del'observation, le hasard ne favorise que les esprits prepare.)”

もしFlemingのペニシリンの発見をこの哲学に照らして再検証するなら、彼は本当に抗バクテリア剤を探していたまさにそのとき抗バクテリアのカビを偶然発見したという事実に衝撃を受ける。さらに、彼はその分野で極めてよく本を読み、教養があったことも確かである。Flemingはよい観察者であり記録者であった;彼はよく準備され、好奇心旺盛であった;彼は完全にそのペニシリンの発見に供されていた。

 偶然の発見の教育と、科学への真の熱意を掘り起こすためにもう一つの特質が必要である。それはどん欲な好奇心である。ある人は科学的な好奇心は先天的なものであると主張するかもしれないが、まちがいなくある人の好奇心と発見への熱意は他の者に明白な影響がある。これは特に学生と教師の関係において真実である。もし真に科学的な好奇心を示し、このような好奇心を科学的能力の必要な一部であると認める科学教師と学生が教育的な経験の中で真に共にするなら、学生は間違いなく科学者の”駆動力”の一部としてその必要性が分かるだろう。

教師は文献を読み、学生と彼、あるいは彼女自身の偶然の発見と洞察を分け合うべきである。手短かに言えば、教師はクラスルーム内外で学生のモデルとして働かなければならない。科学のよい教師は正に飽くことのない科学的好奇心のモデルであるべきである。


<要約の要約>

 セレンディピティー、あるいは偶然の発見は科学の発見における重要な手段の一つである。
 一般に、成功する科学者が特別な問題の検証に導かれ、あるいは、既存の問題に対 する特別で正しい解を提案するには主に3つの手法がある。
1. Aufbau法、あるいは蓄積法と呼ばれる手法で、ある展開した仮説から異なる仮説を導き、連関した異なる仮説を導き出していく方法。
2. 洞察力と呼ばれるのが最善であるものに起因したもの。
3. 偶然の方法、あるいはセレンディピティー的発見であり、科学者にとって非常に重要で興味深い。Flemingによるペニシリンの発見はセレンディピティー的発見の良い例である。
 セレンディピティーを認識し、このような発見の機会を最大なものにするために、その方法を科学者として、学生に教育することも重要である。そのためには、
1. 観察することとその記録、
2. ダイナミックで組織的な研究機会の提供、
3. フレキシブルな思考の奨励、
4. 真の好奇心、
5. 発見モードの議論、
が肝要である。これらの方法は学生にセレンディピティーだけでなく、発見と創造性のための全ての手段をよく提供する。学生が最高に発見の可能性のある状態を用意することが科学教育者の務めである。


ということです。発見への努力といったものは科学に携わる者に少なからず共通したものだと思いますが、発見のための手法、あるいはその教育方法を議論した文献は日本語のものでは数少ないのではないかと思います。Lenoxの主張を自分の大学院の経験と照らし合わせると、やはり彼のいう蓄積法のみを教えられていたように思います(少なくとも私の教授はそうだったと思われます)。また、同じ傾向は多くの研究室であるのではないかと思います。データの蓄積とその展開=研究開発 、と思ってしまうことは、よい科学者になる早道なのかもしれませんが、一方で、発見の機会を見逃し、問題に取り組むさいのいわゆる”視野”を狭くしてしまう危険をはらんでいることに気付かされます。


須見哲也(すみ・てつや)

◇New Books

出版社・著者らからの新刊案内をそのまま流します。
本誌が内容を保証するものでも書評でもありません。単なる書籍広告欄です。
あくまでご参考にどうぞ。
新刊案内を流したい編集者・著者は編集人まで。


◇『バイオディバーシティ3 藻類の多様性と系統』千原光雄編著 本体4700円+税,
 裳華房  http://www02.so-net.ne.jp/~shokabo/book_news.html#7.1
 かつては植物の中の一群とされていた藻類も,
 現在では多様な起源をもつ生物の集まりであることがわかってきている.
 藻類研究の歴史や人との関わりをはじめ,原核生物や原生動物との系統関係,
 葉緑体の起源や細胞内共生による進化過程など,さまざまな視点からこの生物群を
 解説する.豊富な植物画を配し,分類形質一覧表等の付録も充実. 

◇雑誌『生物の科学 遺伝』8月号 特集:ゲノム情報からみた新しい生物学
 本体1100円+税 裳華房  http://www02.so-net.ne.jp/~shokabo/iden.html
 ヒトの全ゲノム解析も時間の問題となった今,
 ポストゲノム解析時代の生物学を探る.

 <目次>
  特集にあたってゲノム情報解析の現状
  国際DNAデータバンクとDDBJにおけるゲノム情報活動
  ゲノム情報に基づく生物機能の知識ペース
  ゲノム配列情報から機能情報へ−ゲノム生物学の展望
  情報生物学の提案

◇Event

科学に関するイベント情報などを収集して告知します。
告知したいイベント主催者は編集人までメールを。

◇静岡県立大学環境科学研究所 一般公開 8/21(土)10:00-16:00
  http://133.33.73.63/environ/OPEN/openinst99_2.html

◇恐竜ナイトツアー1 7/28〜7/29 岐阜県博物館
  http://www.museum.pref.gifu.jp/gifu1map/guid_evt/kouza/night_k.htm


◇Website

この欄では、私が時折訪問するウェブサイト、ポピュラーサイエンスという面でも優れた内容を持つウェブサイトを勝手に紹介する。
日本語で書かれたポピュラーサイエンスのサイトは確かに数少ない。
だが、数少ないなりにはあるのだ。


■科学新聞社
http://www.sci-news.co.jp/
知っている人はみんな知っているが知らない人はたぶんぜんぜん知らない、紙媒体の科学専門新聞のウェブサイト。週一で<今週の一面>という記事が更新されるので、興味のある方は要チェック。ちなみに最新記事は、「平成11年7月9日号」で、

・心象画像と実際の視覚情報 同じ脳領野で処理していた
  TMS使う待望の脳機能解析技術登場
・人工ニュートリノ発射実験
  KEKからスーパーカミオカンデ 250km先で検出に成功
・レーザー核融合で英が米に支援を表明
・学術研究の総合的推進 学審が文相へ答申
・=連載=文部省平成11年度COE形成プログラムから
  東北大学・破壊の物理化学と制御研究施設

といった記事が掲載されている。なお実際の紙版は、私も昔読んでいたのだが、非常にマニアックな内容である。何の目的もなくパッと読むというわけにはいかないが、それだけに目的があれば役に立つだろう。もちろんウェブには購読案内もある。

◇from editor's diary http://www.moriyama.com/diary/

編集人のウェブ日記から、ある一日を適当に抜粋します。


99.07.23

▼最近、3時間寝たら目が覚めちゃうんですけど。クーラーつけっぱなしで寝ているのがいけないのかなあ。というわけで昨日は午後10時に就寝、午前1時に起床。そのままダラダラとウェブを回る。
▼課題処理モードで『「超」整理法3』。原稿を書いて送ったところで時間が来たのでお出かけ。暦では大暑、暑い暑い。東京駅で待ち人と合流、名古屋へ。三菱重工飛島工場へ。防塵服を着て、JEM(http://jem.tksc.nasda.go.jp/iss_jem/ doc09.html)を見せてもらいました。
なあんて、淡々と書いてますが、本当はく〜〜!って感じ。顔がほころんでます、はい。内容はこちらでは書いちゃいけないと思うので略。早く原稿書かねば。
▼と、僕が非常に楽しく過ごしているときに世の中ではハイジャックによって機長が刺殺されたりと大変なことが起こっていたらしい。大阪では現金輸送車襲撃事件。大学時代の先輩が住んでいるすぐ近所だったらしい。
▼夕刊フジに『クローン・マンモス再生構想発表』という記事が出ている。発表したのはフランス国立歴史博物館のベルナール・ブイグという人物で、マンモスの体細胞を使ってクローンを作ろうというもの。普通に考えれば冷凍された体細胞を使うっていうのは無理じゃないか、まだ日本の後藤先生らが考えている精子を使ってマンモス復活を、っていうほうがよっぽど可能性があると思うのだが、それを敢えてやろうということは、よほど発見されたマンモスの状態が良かったということか。9月にはヘリでシベリアの研究施設に運ぶそうである。
復活させてどうするのかというのはまた別の話。
▼チャンドラX線望遠鏡は無事射出されたようだ。
http://japan.cnn.com/TECH/space/9907/19/chandra.primer.ap/
▼hotwiredから。指で発電するノートパソコン。
http://www.hotwired.co.jp/news/news/2779.html。
▼行き帰りの新幹線で本も読んだんだけど眠いんでもう寝る。

http://www.moriyama.com/diary/1999/diary.99.07.htm#diary.99.07.23 より

◇from editor

日記まんまで眠いので編集後記は省略。
8月31日に、NHKの「ETV特集」でメルマガがいろいろと紹介されるらしいです。
どんなメルマガが紹介されるのか楽しみにしています。

ではでは、今後ともよろしくどうぞお願い申し上げます。



Popular Science Node Vol.006 1999/07/27発行 (配信数:3,159部)
発行・編集人:森山和道(moriyama@moriyama.com, フリーライター)
【独断と偏見のSF&科学書評】ホームページ:
http://www.moriyama.com/
本誌ホームページ:http://www.moriyama.com/popular_science_node/
*本誌に関するご意見・お問い合わせはmoriyama@moriyama.comまでお寄せ下さい。
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なお編集人の独断で認めない場合もありますので予めご了承下さい。


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