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古人骨の巻 国立科学博物館の分館の公開に行ってきました(2)
4月 26th
前回「イルカの解剖の巻 国立科学博物館の分館の公開に行ってきました(1)」からの続きです。
イルカの解剖の次に、おそらく想定順路と思われる、古人骨の公開へと回りました。
予想以上の人が来たのか、それとも毎年こうなのかは分かりませんが、とにかくどこの部屋も大行列でした。この部屋もエレベーター乗り場を降りて部屋のほうにまわると、廊下に人が行列していました。公開されている部屋の隣にあるトイレへの行列かなーといぶかしんで、みんな回っては並び直すといった具合でした。
しかもなかなか進まない上に、どのくらい待たされるかもよく分からない状態。廊下には残念ながら研究紹介のパネルが置かれているわけでもなく、仕方ないのでただ雑談しながら待ちました。
で、ようやく入った部屋がこちら。ずらりと人骨が並んでいました。

さらにこの奥にもずらりと標本が収蔵されていました。

僕も仕事柄、解剖学教室には伺ったことがありまが、たぶん今回で、一生分の人骨を見たような気がします。
さて、古い人骨といっても、レベルはいろいろです。この部屋で公開されていたのは、人類の祖先の骨、縄文時代、弥生時代の骨、そしてそれ移行のいわゆる近世の骨でした。
まずレクチャーを受けたのは、人骨を見るだけで、おでこの男女差や、骨盤の違いなどから性別を判断したりできることでした。
そして、人類の祖先いろいろ。2万年前まで生存していたと考えられる小型人類「ホモ・フロレシエンシス」のような最近の発見についても紹介されました。残念ながら、「ホモ・フロレシエンシス」そのほかのインパクトについて混雑のなか、短時間で伝えるのは難しかったようです。

ちなみに、見ていた人たちのリアクションが一番大きかったのは、赤ん坊の骨が示されたときでした。小さい頭骨が示されたとたん、「わあ……」という声が上がっていました。
僕がお邪魔した時に解説してくれていたのは、海部陽介氏。
海部陽介氏。丁寧な解説でした
どこかで聞いたお名前だよなあと思いながらも思い出せないまま名札を見ていたのですが、『人類がたどってきた道 “文化の多様化”の起源を探る』(NHK出版)の著者の方でした。この本はおすすめです。
どうせならもっと話を伺いたかったのですが、先に述べたように我々グループの後ろも大行列でして、「はい次〜」という感じで流されてしまいました。
なお「ホモ・フロレシエンシス」については本も出てますが、いま、国立科学博物館地球館地下2階人類の「原人・旧人の進化」コーナーで生体復元されているそうです。知らなかったんですが記念講演もあったんですね。残念。

聞きたかったことというのは、最近、『火の賜物 ヒトは料理で進化した』(リチャード・ランガム/NTT出版)という本を読んだんですが、その本のなかで、脳の大きさの拡大と、消化器官の縮小との間に関係があるという話が出てるんですね。そこから連想して、ホモ・フロレシエンシスの食性とかはどうだったのかなーと思ったんですが、まだ詳しいことは全然分かってないとのことでした。
あとは弥生時代/縄文時代から、その後、現在の人間に至るまでの頭蓋骨の変遷。並べてみると確かに違います。
左が古い人骨。平安や室町、江戸時代を経て右が現代人。
どうしてこういう違いになるんでしょうね。よく食い物が違うからだというんですが、それが世代を超えた変化になって残るっておかしいというか、不思議だなと思うんですよね。
子供記者っぽい子も来ていて、パシパシと一眼レフで写真を丁寧に撮っていました。
天文台というラベルが貼られていた骨
あとは江戸時代とか、都内のあちこちで発掘された骨だとかがずらずらっとおさまった収蔵庫を見学して終了です。「ここ、絶対にいるよ〜」と言いながら歩き回ってる女の子がいましたが、幽霊がいたらそのまま研究対象として収蔵されそうですね。
続きはまた。
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メスらしさのはじまり「HIBOTAN」遺伝子群の発見 ゲノム解読が明かすメスとオスへの進化
4月 18th
ゲノム解読がはじめて明かすメスとオスへの進化 – プレスリリース – 東京大学 大学院理学系研究科・理学部.
東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 准教授の野崎久義氏、奈良女子大学 特任助教の西井一郎氏、東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 博士課程3年の浜地貴志氏、元東京大学大学院理学系研究科 外国人客員共同研究員・現米国ソーク研究所 客員研究員のPatrick Ferris氏、ソーク研究所 助教授のJames Umen氏らは、緑藻類ボルボックスのゲノム解読から、メスまたはオスだけがもつ複数の遺伝子群を明らかにしたと発表した。
特にメス特異的な「HIBOTAN」遺伝子群の発見は、メスが「性の原型」そのままではなく、そこから進化するためにメスらしさをもたらす新たな遺伝子の獲得が必要であったことを強く示唆しているという。
緑藻類ボルボックス(Volvox carteri )の無性生殖の群体。次の世代の16個の娘群体が親群体の中につくられている。娘群体は孫世代をつくる大きな細胞を分化させている。西井一郎撮影。
「性」が原始の生物で誕生して以来、合体する2個の配偶子が、未分化で同じ大きさの「同型配偶」(単細胞藻類、粘菌類など)から、次第に大型で運動能力のない「卵」に小型で運動能力のある「精子」が受精する「卵生殖」(ボルボックス、高等動植物など)へと進化したと推測されている。だが「メスらしさ」と「オスらしさ」が原始の性からどのように進化したかはこれまで明らかでなかった。
2006年に研究グループは卵生殖するボルボックスの仲間(プレオドリナ)で、オス特異的遺伝子「OTOKOG I」を発見した。そして「メス」が同型配偶の性の原型(プラス交配型)から、「オス」は性の派生型(マイナス交配型)からそれぞれ進化したことを明らかにした。
同型配偶の交配型とメスとオスとの進化的な対応関係はついたものの、雌雄の配偶子が未分化な同型配偶の交配型から卵と精子をつくるメスとオスがどのような遺伝子を獲得して進化したかは、明らかではなかった。また、メスは「性の原型」から進化したものであり、高等動植物ではメスのゲノムに特異的な遺伝子が認められない、または稀であることから、同型配偶のプラス交配型からメスを進化させたと考えられるメス特異的な遺伝子は存在しない可能性もあった。
高等動物や陸上植物に近縁な生物では同型配偶のものが現存しないので、メスとオスの進化研究には不向きである。しかし、緑藻類のボルボックスやプレオドリナのような群体性ボルボックス目の生物では、同型配偶から卵生殖まで様々な様式の有性生殖が知られており、有性生殖の進化研究のモデル生物群と研究グループは考えている。群体性ボルボックス目に極めて近縁な同型配偶の単細胞緑藻クラミドモナスで性の分子遺伝学的研究が進展していることも、これらの生物群の利点だという。
群体性ボルボックス目の進化の模式図。細胞数の増加と共に非生殖細胞が分化・増大、並びに雌雄性の発展的進化が観察される。系統関係はこれまでの我々の分子系統学的研究に基づく。
同型配偶の生物では配偶子の大きさ等に差がないために異なる性(交配型)を便宜的にプラスまたはマイナスとしている。プラスとマイナスの配偶子は合体する。
クラミドモナスではマイナス交配型がプラスに対して優性で、マイナス交配型は性特異的な「MID 遺伝子」によって決定されている。MID遺伝子の存在でプラスの性はマイナスに転換する。よって、性の原型はMID遺伝子を欠くプラス型 であり、マイナス型の性はMID遺伝子によってプラス型から派生したものと考えられる。メスとオスが分化した群体性ボルボックス目(プレオドリナ)では MID と起源を同じくする遺伝子 (PlestMID) がオスだけにあり、それが上述の「OTOKOG I」である。
MID のような交配型に特異的な数個の遺伝子は交叉による組換えが起こらない原始的な性染色体構造を構成している。従って、同型配偶からメス・オスに分化した卵生殖への進化に、このような性染色体領域の遺伝子群がどのように関連するかは進化生物学的に非常に興味深い問題であり、このため、クラミドモナスに近縁なメスとオスの配偶子(卵・精子)が分化した群体性ボルボックス目のボルボックス・プレオドリナ等の性染色体領域のゲノム解読が期待されていたという。
しかし、性染色体に局在する遺伝子は進化速度が速い。そのために探索が困難であり、ボルボックス・プレオドリナ等における性染色体領域のゲノム構造に関してはほとんど知見がなかった。
研究グループは、卵生殖のボルボックス・プレオドリナ等のメスとオスの性染色体領域のゲノム構造の解読と遺伝子群の同定と解析を行って、同型配偶のクラミドモナスの性染色体領域のそれと比較した結果、同型配偶からメスとオスを進化させた遺伝子群がどのようなものであるかが明らかとなり、性染色体領域における卵生殖を生み出した遺伝子・ゲノムレベルでの進化生物学的基盤が解明できると考えた。
卵生殖のボルボックス(Volvox carteri)は雌雄異株で、メスとオスの性が遺伝的に決定されている。今回、アメリカ側の研究グループがメス株のゲノム解読を進めた結果、メスの性染色体領域のおおまかな構造は明らかになっていた。しかし、ボルボックスのオス株に関してはゲノム解読が着手されておらず、性染色体領域に局在をするオス特異的遺伝子も同定されていなかった。
緑藻類ボルボックス(Volvox carteri )。有性生殖を誘導すると多くの卵をもつ独特のメス群体がつくられ、オス群体でつくられた精子の束が泳いできてばらばらの精子となり(右上写真矢印)入り込む。野崎久義撮影。
そのため、今回の日本側の研究チームは独自に開発した「縮重プライマー(単一のアミノ酸に対して可能な塩基配列すべての組み合わせの混合物からなるプライマー。目的の遺伝子の塩基配列が不明である場合に用いる)」を用いてボルボックスのオス特異的遺伝子を探索し、精子形成を誘導したVolvox carteriオス株培養液からオス特異的遺伝子「OTOKOG I」を単離した。
このボルボックスの「OTOKOG I」をマーカー(目印)としたゲノム解析の結果、オスの性染色体領域が含まれるゲノム断片を探索することに成功し、ゲノム断片の解読を端にしてオスの性染色体領域の全貌が明らかになった。また、ボルボックスのメスとオスの性染色体領域には繰り返し配列(リピート)が多く、コードされている遺伝子のアノテーション(遺伝子の機能を予測し注釈として意味付けすること)は難しかった。
だが、磁気ビーズ上に増幅したDNA断片を大量・高速・安価に配列決定する「次世代シーケンサー」を駆使した「トランスクリプトーム解析(細胞に存在するRNAの配列を網羅的に決定し、転写産物の動体を詳細に解析すること)」で、多くのメスまたはオス特異的遺伝子の存在を明らかにした。
解読されたボルボックスの性染色体領域はメスとオスのそれぞれで1.0Mb(百万塩基対)で、同型配偶のクラミドモナスの性染色体領域(0.2-0.3Mb)の約5倍に拡大していることが明らかとなった。オスの性染色体領域には “OTOKOG I”等のオス特異的遺伝子が10 個、メスの領域にはメス特異的遺伝子が5 個解読された。
同型配偶から卵生殖への進化の模式図。Nozaki et al. (2006) および今回の研究成果に基づく。
特に5個のメス特異的 “HIBOTAN ”遺伝子群すべてが同型配偶のクラミドモナスでは認められないもので、これらの遺伝子の獲得が同型配偶のプラス交配型からメスに進化する直接的な原因となったと考えられるという。
従って、メスは単なる性の原型ではなく、メスへの進化には、メスらしさをもたらす遺伝子群の新たなる獲得が必要であったことが示唆されるという。一方、オス特異的遺伝子10個中の8個がクラミドモナスでは認められない遺伝子であり、精子を形成するオスに進化するために獲得されたことが推測されるとしている。
また、ボルボックスのメスとオスの性染色体領域に共通して存在する遺伝子の中に、両性で配列が著しく異なるものが認められた。特に細胞分裂に関係するヒトの網膜芽細胞腫のガン抑制遺伝子と相同のMAT3 遺伝子がボルボックスのオスでは遺伝子構造や発現がクラミドモナスのものと著しく異なり、細胞分裂して小さな精子を形成するというオスらしさを進化させた原因の遺伝子群のひとつであると推測された。
プラス・マイナスの同型配偶からメスとオスの卵生殖に至る進化のゲノムレベルの基盤は、両性の遺伝子が組み替えしない性染色体領域に存在する。また、性染色体領域の拡大とこの領域に局在する遺伝子の両性での特異化および性特異的遺伝子の新たなる獲得が、メスとオスへの進化に直接影響したと考えられるという。
この研究では、同型配偶からメスとオスの性をもつ卵生殖に至る進化の根本原因が両性で特異的な遺伝子群を新たに獲得したことを初めて明らかにした。
メスは同型配偶の “性の原型” から進化し、高等動植物ではメスのゲノムに特異的な遺伝子が一般的に認められないことから、メスは「性の原型」そのものだと考えられることもあった。しかし、今回のボルボックスの性染色体のゲノム解読によるメス特異的 “HIBOTAN ” 遺伝子群の発見は、メスは単なる性の原型ではなく、メスへの進化には、メスらしさをもたらす遺伝子の新たなる獲得が必要であったことを示している。このことは雌雄の性に関する根本的な概念に影響し、生物学のみならず、様々な学問分野に大きく浸透するものと思われるという。
今回、性染色体のゲノムを解読した生物は群体性ボルボックス目でメスとオスの差異が最も顕著なボルボックスであり、メスとオスが進化した直後の段階ではない。これまでの系統学的研究によると群体性ボルボックス目でメスとオスが進化したのはヤマギシエラと ユードリナの分岐の間であり、この両者の両性(交配型プラスとマイナス、メスとオス)の性染色体領域のピンポイント的ゲノム比較を実施することで、メスとオスの進化のより直接の原因となった遺伝子をあぶり出すことが可能になると考えられるという。
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グーグルの衛星写真で200万年前の猿人化石が見つかる
4月 10th
New Hominid Species Discovery: Australopithecus sediba / University of the Witwatersrand
200万年前の新種猿人化石 ヒト属起源探るてがかり
現代人の直系祖先?南アで200万年前の猿人 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).
【ワシントン=山田哲朗】南アフリカ北部で約200万年前の新種の猿人化石が見つかった。
ウィットウォータースランド大(南ア)などの研究チームが9日付の米科学誌サイエンスに発表した。現生人類の直系の祖先にあたる可能性もある。
というのはいいのですが、というかこれ自体、おおーという成果なんですが、
チームは米検索大手グーグルの衛星写真を使って探索した洞窟で、195万〜178万年前の化石2体を発見。1体は20〜30歳代の成人女性、もう1体は 8〜9歳の少年と見られ、いずれも体重約30キロ、身長127センチ程度と推定された。泉を意味する現地語から「アウストラロピテクス・セディーバ」と命 名された。
「グーグルの衛星写真を使って探索した洞窟で」。
いやー、すごい時代ですね。
ウィットウォータースランド大学によるオリジナルのリリースはこちら。
動画もありました。
一番詳しく紹介しているのはナショナルジオグラフィックのようです。
セディバ猿人、ヒト属の祖先か猿人か
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林原自然科学博物館、現生鳥類の祖先グループの新種「ホランダ・ルセリア」をゴビ砂漠で発見
3月 17th
「ホランダ・ルセリア」の復元図
林原グループ 鳥類の進化に新たな視点を加える新属新種の鳥化石を発見 -恐竜時代のモンゴルの陸上を走り回っていた鳥−
林原自然科学博物館では、「林原-モンゴル共同調査隊」が1997年にモンゴルのゴビ砂漠西部の白亜紀後期の地層から採集した鳥類の部分骨格の化石が、現生の鳥類の祖先グループである「オルニチュウロモルファ類」の中の新属新種であることがわかったと発表した。国際学術雑誌「Cretaceous Research」誌に掲載された。
林原—モンゴル共同調査隊による新属新種の鳥類化石の発見はこれが二例目。「ホランダ・ルセリア」と名付けられた。
「ホランダ・ルセリア」は、非常に後足が長い。また第三番目の指(中指)の各骨の長さを計測して現生鳥類と比較した結果、飛ぶことはできるものの、地上を走ることを得意とし、もっぱら地上で餌をとり、地面に巣を作ったと考えられるという。現在の鳥類では北米に生息するカッコウ科のミチバシリのような生態だったという。
発見された化石
| ●学 名: | Hollanda luceria の由来。 属名:チアッペ博士が所属するロサンゼルス郡立博物館恐竜研究所の研究支援者Holland氏にちなむ。 種名:ラテン語で「輝く」の意。 |
| ●発見: | 1997年7月18日 モンゴル国 南ゴビ県 ヘルミンツァフ (北緯43°28′東経 99°50′) |
| ●標本: | 後ろ足の膝から足先にかけての骨格 (すねの骨の長さ:17cm、中足骨の長さ:12cm) |
| ●推定全長: | 50センチ〜1メートル |
| ●時代: | 白亜紀後期 約7500-7000万年前 |
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長い間、現在生きている鳥類は白亜紀の海や湖など水辺で暮らしていた鳥から進化したと考えられてきたという。19世紀から20世紀前半に発見された白亜紀の鳥化石のほとんどが海でたまった地層から発見されてきた経緯があるからだ。30年前から大陸内部でできた地層からも鳥化石が発見されはじめた。大部分は「エナンティオルニス類」というグループで、世界中の白亜紀層から50種類以上が発見されている。「エナンティオルニス類」は白亜紀末期に恐竜とともに絶滅し、現在にその子孫を残していない。
いっぽう、現生鳥類につながるグループの鳥化石(オルニチュウロモルファ類)は、海や水辺の鳥は約20種類記録されているが、陸上の鳥は、わずか5種類のみで、現生鳥類への進化の過程はよくわかっていないのが現状だという。
今回、後期白亜紀層から発見された「ホランダ・ルセリア」は、陸上で生活していた6番目のオルニチュウロモルファ類となる。中生代の鳥類から現生鳥類へと進化の過程で、海鳥など水辺の鳥からだけではなく内陸性の鳥からの進化の可能性も示唆しており、鳥の進化の道筋を解明する上で非常に重要な標本だとしている。
中生代鳥類化石の系統関係
「重複遺伝子」による形態の進化機構 理研
12月 24th
遺伝子を含むDNAのある領域が重複することで重複遺伝子ができる。重複遺伝子には、同一個体に、同じ遺伝子が2つ存在する。コピー直後の重複遺伝子を構成する各遺伝子はどちらも同じ機能を有するが、時間の経過とともに、各遺伝子が突然変異を受けて、発現部位や産出するタンパク質が変化する。
遺伝子のコピー「重複遺伝子」が起こす形態にかかわる進化機構を解明|2009年 プレスリリース|理化学研究所.
理化学研究所 植物科学研究センター 機能開発研究グループの花田耕介研究員らは、重複遺伝子による突然変異が生物の形態進化に関わっていることを解明したと発表した。アメリカの科学誌『Plos Genetics』オンライン版(12月23日付け:日本時間12月24日)に掲載された。
重複遺伝子とは遺伝子のコピーによって生じる遺伝子。進化に関係すると考えられているが、重複遺伝子を構成する各遺伝子が、どういった変化を受けて形態変化に関わるか関与するか、その全体像は明らかになっていない。
研究グループは、モデル植物であるシロイヌナズナを用いて、形態形成に関わる492個の重複遺伝子に着目し、統計的な解析を行った。
まず、重複した遺伝子の一方だけ欠損すると、それぞれまったく別の形態変化を示す重複遺伝子を163対、重複した遺伝子の一方だけ欠損するといずれも形態変化がほぼ同じである重複遺伝子235対、重複した遺伝子の両方を同時に欠損したときには形態変化を示すが、どちらか一方の遺伝子を欠損した時には形態変化を示さない重複遺伝子94対に分類した。
次に、分類した各重複遺伝子対について、分子レベルの変化率を調べた。全遺伝子の発現解析(mRNA転写パターン解析)を、組織や発生時期の違いなど634種類の異なる条件で行い、発現部位の変化率とタンパク質の変化率を求めた。
その結果、形態分離性が大きくなるにつれて、発現部位の変化率と産生するタンパク質の変化率の両方が高くなることが分かった。つまり、生物が進化する過程で、形態変化に関わる遺伝子機能を獲得するためには、コピー後の重複遺伝子を構成する各遺伝子が突然変異を受けて、発現部位を変えるか、産生するタンパク質を変化させることが重要であることが分かった。
これら2つの変化の相対的な寄与度は、発現部位の変化だけで形態変化を引き起こす重複遺伝子が3〜4割、産出するタンパク質の変化だけで形態変化を引き起こす重複遺伝子が6〜7 割だった。従って、タンパク質の変化の方が、形態進化を引き起こす際により頻度が高いことも明らかになった。
重複遺伝子と形態変化を解析する今回の成果を利用することで、重複遺伝子の各遺伝子の機能的な違いを知ることができ、可能となり、これまで分からなかった個々の遺伝子の機能解析が可能になる可能性があるという。
モデル植物の実験プロトコール―イネ・シロイヌナズナ・ミヤコグサ編 (細胞工学別冊―植物細胞工学シリーズ) 著者/訳者:島本 功 岡田 清孝 田畑 哲之 出版社:秀潤社( 2005-03 ) 定価:¥ 4,200 大型本 ( 324 ページ ) ISBN-10 : 4879622869 ISBN-13 : 9784879622860
DNAの3次元構造が変異に影響する
12月 3rd
東京大学 大学院新領域創成科学研究科の森下真一 教授らは、スタンフォード大学のアンドリュー・ファイヤー教授らとの共同研究で、DNAの3次元構造(ヌクレオソーム構造)がDNAの変異に相関することを、メダカのDNAを分析することで明らかにした。JST バイオインフォマティクス推進事業、文部科学省 特定領域研究 ゲノム4領域、米国国立衛生研究所(NIH)の研究助成によって行われた研究で、米国東部時間12月11日に米科学誌「Science」 オンライン速報版で公開される。
メダカは、南日本由来系統と北日本由来系統の2系統のDNA塩基配列の間には「1塩基多型(SNP)」がDNA配列全体の3.4%、約1600万個存在することが分かっていた。それぞれの系統のメダカは交配可能だが、この変異はチンパンジー・ヒ ト間のDNA変異率1.2%を大きく上回る。そのため、種内の遺伝的多様性(個体差)が生まれる過程を研究する上で有用なモデル生物とし て注目されている。
今回の研究では、超高速DNA解読装置を使って、メダカのヌクレオソーム構造をDNA全体にわたって網羅的に分析した。その結果、遺伝子の転写開始点の下流にあるヌクレオソーム構造が、DNA変異の周期性を引き起こす要因となっていることを突き止めた。
遺伝子はDNA配列から「転写」されることで機能する。そのため、例えば転写開始点周辺に1塩基置換のような変異が起きると、遺伝子の働きに影響する。研究グループでは、転写 開始点の周辺で起きた1塩基置換や塩基配列の挿入削除による変異の分布を調べた。すると、特徴的な周期的変動が見つかった。転写開始点下流約200塩基、 400塩基、600塩基の位置で挿入削除率は上昇し、逆に1塩基置換率は約100塩基、300塩基、500塩基の位置で上昇することが分かった。
今回の研究は、この転写開始点下流に存在する200塩基の周期性が、DNAが細胞内でコンパクトに折りたたまれる高次構造に相関することを明らかにしたというもの。
DNAは「ヌクレオソーム」という構造を単位として折りたたまれコンパクトな3次元構造を取る。(図)。
この研究では、メダカの胞胚(受精後6〜8時間の卵)からヌクレオソーム構造を取るDNA塩基配列を抽出し、DNAのどの領域がヌクレオソームへと構造化されているかを分析した。その結果、転写開始点下流約100塩基、300塩基、500塩基の位置 を中心としてヌクレオソームコアが存在する傾向にあることが分かり、この構造がDNA変異の周期性を引き起こす要因となっていることが分かった。
DNA配列を折りたたむヌクレオソーム構造が遺伝子の転写や遺伝的多様性にどのように関わっているのか、その具体的なメカニズムはまだよく分かっ ていないという。
引用元: DNAの3次元構造が生物進化に影響する.(超高速シークエンサーとバイオインフォマティクスによる科学的発見)![]()
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出版社:羊土社( 2008-04 ) 定価:¥ 5,670 Amazon価格:¥ 5,670 単行本 ( 225 ページ ) ISBN-10 : 4758102902 ISBN-13 : 9784758102902














