Posts tagged 再生医療
川崎重工のロボット細胞自動培養装置でiPS細胞の自動培養に成功
6月 28th

独立行政法人 国立成育医療研究センター、独立行政法人 産業技術総合研究所は、川崎重工が開発したロボット細胞自動培養装置「R-CPX」を使って、熟練者でなければ培養が難しいヒトiPS細胞の自動培養に、世界で初めて成功したと発表した。
産総研 幹細胞工学研究センターの浅島研究センター長がプロジェクトリーダーとなり、iPS細胞の実用化に向けたコンセプトを定めた。その一環として大量培養を実現するため、成育医療の生殖・細胞医療研究部が確立したiPS細胞の培養プロトコルを、川崎重工がロボット技術と画像処理技術を活用した細胞自動培養装置で再現した。
これまで熟練した研究者が行っていたiPS細胞の分化・未分化の判断を自動化し、未分化の細胞のみを回収してさらに増やすことも可能。川崎重工は同装置で3ヶ月間培養を継続し、安定的に自動培養できることを実証するとともに、成育医療と産総研は各種検査を行い、培養された細胞が未分化のiPS細胞であることを検証している。
2010年6月30日から7月2日まで東京ビッグサイトで開催される国際バイオEXPOにおいて、細胞自動培養装置を出展するとともに、成果報告を行う予定。
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骨折が早く治る注射ができる リコンビナントヒトFGF-2の局所注射が骨折治癒促進剤に
6月 10th
骨折治癒を大幅に早める治療薬を開発 リコンビナントヒト線維芽細胞増殖因子-2 (rhFGF-2)製剤の臨床試験| 東京大学医学部附属病院.
東京大学医学部附属病院 整形外科の川口浩 准教授らの研究グループは、骨折した患部への細胞増殖を促すタンパク質の一種「リコンビナントヒトFGF-2(rhFGF-2)」の局所注射が骨折をはやく治すことを臨床試験で確認したと発表した。
国内48施設において、脛骨骨幹部 の新鮮骨折患者を対象とした臨床試験を行い、rhFGF-2の局所注射が骨折部の癒合までの時間を約4週間短縮することがわかったという。「rhFGF-2」製剤が、世界初の新鮮骨折治癒促進剤となりうることが示唆されたとしている。現在は、実用化に向け研究開発を進めている。「Journal of Bone and Mineral Research」電子版に掲載された。
怪我や事故による骨折、特に下肢の脛骨骨折では、ギプスなどの固定や手術をしても骨癒合が見られない場合、骨癒合が遅れ、変形が残ってしまう場合がある。その結果、患者は歩行が難しくなり、車椅子や松葉杖の生活を強いられることになり、再手術が必要になる場合もある。
この問題を克服するため、国内外において発生後数日以内の骨折である「新鮮骨折」(一般的な骨折のこと。厳密には血腫が出来て骨が作られ始める前の初期の段階を指す)に対する多くの骨折治癒促進剤の探索が行われてきたが、現在までに臨床応用されているものはない。
研究グループは以前からこの骨折治癒促進剤の開発を目指して、特に、線維芽細胞増殖因子(FGF)に注目してきた。FGFは全身のほとんどの組織で作られ、様々な生理作用を示すタンパク質(成長因子)。様々な細胞の増殖を助け、多彩な生物情報を精巧に制御している。たとえば、小人症の中でも最も頻度の高い軟骨無形成症をはじめ、骨・軟骨の形成が障害されている先天性疾患の多くは
FGFからの刺激を受け取るしくみに異常があることが知られている。
現在までにFGFファミリーとして23のサブタイプ、FGFの受容体(FGFからの刺激を受けて作用する物質)には4つのサブタイプが知られているが、中でもFGF-2は骨組織に最も多く存在していて、骨折の治癒過程において骨を作る細胞(骨芽細胞前駆細胞)の増殖を強力に促進している。
研究グループはFGF-2が骨折治癒促進剤として臨床応用できると考え、科研製薬株式会社とリコンビナントヒトFGF-2 (rhFGF-2)含有ゼラチン製剤による臨床試験を実施した。これまでの基礎検討で、rhFGF-2製剤は、ラット、ウサギ、イヌ、そしてサルの骨折および骨欠損モデルで骨癒合を強力に促進することを報告していた。
今回は、これらの非臨床試験に基づいて、このrhFGF-2製剤の脛骨骨折に対する効果をランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験(患者のプラセボ効果や観察者バイアスの影響を防ぐことを目的としている試験方法)によって検討した。
国内48施設の整形外科を2年間に受診した脛骨骨幹部の新鮮骨折患者194例のうち、厳密な基準を満たし同意の得られた71例を、プラセボ群(rhFGF-2を含まないゼラチンゲル製剤)、低用量群(0.8 mg rhFGF-2含有ゼラチンゲル製剤)、高用量群(2.4 mg rhFGF-2含有ゼラチンゲル製剤)の3群に無作為割付し、固定手術直後の骨折部に各製剤を注射投与した。
投与後24週間にわたって2週間毎にレントゲンで骨癒合を評価したところ、骨癒合までの時間は、rhFGF-2含有の2群でプラセボ群よりも有意に短く(低用量群とプラセボ群の比較;有意確率 p=0.031、および高用量群とプラセボ群の比較;p=0.009)、骨癒合までの日数はプラセボ群に対して低用量群では28日、高用量群では27日短縮された(図1)。低用量群と高用量群の間に有意差はなかった(p=0.776)。
図1. レントゲン上で骨癒合した患者比率の経時変化。 rhFGF-2含有の2群では骨癒合した患者の割合はプラセボ群よりも有意に高く、骨癒合に要する日数をプラセボ郡に対して約4週間短縮した。24週後でも癒合していない患者数は、プラセボ群、低用量群、高用量群でそれぞれ4、1、0例であった。
24週後でも癒合していない症例は、プラセボ群、低用量群、高用量群でそれぞれ4、1、0例だった(図2)。3群間で有害事象の発生頻度には有意差はなかった。
図2. 代表症例のレントゲン像。rhFGF-2含有の2群では16週で仮骨形成が見られ24週で骨癒合が完成しているが、プラセボ群では24週でも骨が癒合していない。
以上より、 rhFGF-2製剤局所投与の脛骨骨折に対する有効性および安全性が示されたとしている。
今回の成果によりrhFGF-2製剤が世界初の新鮮骨折治癒促進剤となる可能性が示されたため、今後は、今回の臨床試験の成果に基づき国内のみならず世界的な市場も視野に入れ、実用化に向けた研究開発を進めていくとしている。
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内視鏡だけで挿入可能、食物を飲み込む蠕動機能を持つ人工食道 新原理の物質搬送装置としても
4月 20th
東北大学加齢医学研究所心臓病電子医学分野/東北大学大学院医工学研究科人工臓器医工学講座/東北大学大学院医学系研究科先進外科学/トキコーポレーション株式会社
東北大学とトキコーポレーション株式会社は、 食物を飲み込む機能を持つ新しい人工食道を共同開発し、新しい蠕動運動搬送技術の発明で特許を獲得したと発表した。2010年5月にボルチモアで開催される米国人工内臓学会、および国際応用電磁力学学会等で順次発表される。
病変部の内側からは、励磁したハイパーサーミア・ステントによって食道がんの病変部を直接加温して、がんの進行を抑える機能を持つ。
内 側はバイオメタル蠕動機構により、食物塊による閉塞の心配がない。末期がんに対する新しい選択肢として将来性が期待されるという。
人間の食道の動きを再現するものだが、人工臓器としての応用だけでなく、新しい原理の物質搬送装置として産業分野への幅広い応用も期待されるとしている。
内視鏡だけで挿入できる、蠕動機構と温熱治療機能を持つステント人工食道
現在、食道がんに対しては切除手術が行われており、切除した食道の再建には、胃か腸管を代用に用いる手術が行われている。だが胃や腸管を代用に用いるために腹部にも切開が加えられるので手術侵襲が大きくなる。そのため高齢者や心肺機能に問題のある患者の場合、切除手術が難しくなる。
東北大学では、組織工学的な手法を用いて食道管を再生させる新しい再生医療の手術法の動物実験に成功し、食道管の再生を確認している。しかしながら、再生されるのは食道の内膜だけで、筋肉組織の持つ蠕動機構は再生することができない。
そこで、ナノテクノロジーを応用した形状記憶合金アクチュエータである「バイオメタル(トキコーポレーションの登録商標)」を用いて食道管の蠕動機構の開発を行い、加齢医学研究所と、医学系研究科先進外科学の共同研究による動物実験で、体内における食物を飲み込む蠕動機能の再現に成功した。
蠕動メカニズム
これまで、転移があるような進行した食道がんに対しては、切除手術はあまり有効ではないため、放射線治療や抗がん剤治療が行われてきた。進行した食道がんにおいては、食道が狭くなって食物を飲み込めなくなるので、ステントの挿入術などが行われている。
しかしながら従来の金属ステントでは、食物の塊などがステントを塞いでしまうことがあり、唾液さえも飲み込むことができなくなって嘔吐しつつ救急外来で内視鏡の処置を受けなくてはならなくなる合併症の発生なども起こるという。また食道がんが進行すれば、再び食物が飲み込めなくなる。
そこで東北大学では、食道がんで狭窄を起こした病変部に挿入することで食物を飲み込む機能だけでなくがんに対するハイパーサーミア治療(温熱療法)の機能を持ち、内視鏡だけで挿入できる新しい人工臓器としてのステント開発を進め、特許申請に至ったという。
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川崎重工と産総研、細胞自動培養ロボットシステム「R-CPX」を開発
3月 16th

再生医療向けに高品質・高効率な細胞自動培養ロボットシステムを開発
川崎重工業株式会社と独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)は、再生医療と遺伝子治療の2分野で必要とされる細胞培養を対象とし、 多人数の細胞を同時に、完全自動で培養できるロボットシステム「R-CPX(Robotized-Cell Processing eXpert system)」の実用機を開発したと発表した。
2台のクリーンロボットが並行動作を行うことで熟練技術者の複雑な動きを再現して培養作業の完全自動化を実現した。また過酸化水素蒸気による除染機能を装備し、装置内を常に無菌に保つ。培養作業以外にも装置内で手作業ができるようにして、システム全体の汎用性を高めている。
そのほか、画像処理によって細胞の培養状態を自動判定したり遠隔監視機能のほか、生産管理技術を応用することで細胞の履歴管理なども行える。
システム全体の大きさは幅3800×奥行き2250×高さ1930(mm)で、中に2台のロボットが入っており、二人分の仕事を協調 してこなす。ロボット本体は半導体作業用のロボットに対し特殊なめっきを施した6自由度のマニピュレータで、材質はアルミとステンレスを使用している。
……続きは、『ロボコンマガジン』(オーム社)でご覧下さい。2010年5月号(4月15日発売号)に掲載予定です。実際に取材してきましたので。
個人的には、再生医療+ロボットと、かつて取材していた二つの領域が重なり、色んな意味で感慨深いものがありました。今回のロボットを開発した方とも、こういうリリースの時にしかお会いしないのですが、かれこれ10年以上の付き合いになります。
もっとも、実用においてはやはり厚生労働省の認可がどうなるかなどなど、技術以外の問題が壁として出てきそうです。そのへん、経済産業省と厚生労働省で話し合って良いほうに動かしていってほしいものですが。
一つ、「ロボコンマガジン」の原稿には多分書かない情報を付け加えておくと、同種の自動細胞培養機械にはThe Automation Partnership (TAP) 社の「Cellmate」というロボットがあります。ただこちらはおそらく過酸化水素蒸気による除染機能などは持っていないだろう、とのことです。詳細はあまり明らかにされていないそうです。
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ヒト治療用・再生医療向け細胞搬送容器ユニットを開発 — 京都大学
12月 22nd

ヒト治療用・再生医療向け細胞搬送容器ユニットを開発 — 京都大学.
京都大学 医学部附属病院輸血細胞治療部教授の前川平氏らは、株式会社日立物流(執行役社長:鈴木登夫)、株式会社日立プラントテクノロジー(執行役社長:住川雅晴)、株式会社ウミヒラ(社長:海平富男)のグループと共同で、ヒト治療・再生医療に用いる新型の細胞搬送容器ユニットの開発に成功した。
これまでの再生医療用細胞を輸送できる専用の搬送容器には、無菌性保証、水平維持機構、定温保証などの性能が十分ではなかった。今回、京都大学とウミヒラで作製した無菌性保証と水平維持機構を持つ密閉性の金属製内容器と、日立物流で製作した定温化機能を持つ金属製外容器(4℃で11時間の定温維持が可能)、日立プラントテクノロジーのヒト細胞調製施設における無菌操作技術等を融合する事で、これまでにない新しい機能を満たす細胞搬送容器ユニットの開発に成功した。
この細胞搬送容器ユニットは再生医療の普及・拡大、ヒト治療用の細胞輸送の安全性向上などに貢献するという。また京都大学では医学研究科人間健康科学系専攻で2009年10月から再生医療に用いる細胞調製、細胞調製施設の管理、法制度に習熟した人材育成を目的に「細胞育成士」養成プロジェクトを開始している。人材教育の場でも今回開発した細胞搬送容器ユニットは活用されるという。









