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「スピン流」を使って絶縁体に電気信号を流すことに成功 東北大学 発熱によるエネルギーロスなし
3月 12th

絶縁体に電気信号を流すことに成功 省エネデバイスに新展開 | 受賞・成果等 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-.
東北大学金属材料研究所の齊藤英治教授らは、慶應義塾大学 大学院理工学研究科修士課程2年の梶原瑛祐(ようすけ)氏、東北大学金属材料研究所の前川禎通 教授と高梨弘毅 教授、FDK社との共同で、電子のスピンを用いて絶縁体に電気信号を流す方法を発見した。イギリスの科学雑誌「Nature」3/11日号に掲載される。
通常、絶縁体には電気は流れない。だが電気信号をスピンに変換して「磁性ガーネット結晶」と呼ばれる絶縁体へと注入し、絶縁体中を「スピンの波」として伝送して再び電気に変換することによって、絶縁体中も電気信号を伝送できることを発見した。
しかも絶縁体の中をジュール熱の発生なしに信号を流せるため、発熱によるエネルギーロスの問題を根本的に解決しうる。よってこの電気信号伝送は、省エネルギー技術へも応用できるという。
電子は「電荷」と「スピン」の2つの性質を持つ。これまでのエレクトロニクスでは電荷を利用して来たが、今回の研究では、スピンを使うことで「スピン流」という形で絶縁体にも電気信号を流すことができることを利用した。
絶縁体である磁性ガーネット薄膜の高品質表面に2つの白金(Pt)電極薄膜を付けて精密な電気測定を行い、一方の白金電極に流した電流が絶縁体を介して、離れたもう一方の白金電極に電圧を発生させることを発見した。この電気信号伝送は、磁場を加えることで容易にスイッチオン・オフする。
この現象は、白金電極中の電流が「スピンホール効果」と呼ばれる固体中の相対論効果によって電子スピンの流れ(スピン流)を生み出し、これが磁性ガーネット中をスピンの波として伝わり、このスピンの波がもう一方の白金電極中でスピンホール効果により電圧に変換されたものと考えられるという。磁性ガーネットなどの磁性を持った絶縁体は、電流は通さないがスピンの波は通す物質であることがポイントだとしている。
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