天文
「サイエンス・メール」で天文学普及プロジェクト「天プラ」代表の高梨直紘氏へのインタビューを配信開始
4月 1st

photo credit: NASA Goddard Photo and Video
本誌管理人が編集発行している、有料の研究者インタビュー・メールマガジン「サイエンス・メール」で、新シリーズが始まりました。
東京大学 エグゼクティブ・マネジメント・プログラム 特任助教で、天文学普及プロジェクト「天プラ」代表の高梨直紘(たかなし・なおひろ)さんへのインタビューを配信開始です。
「天文学の知識が書かれたトイレットペーパー」の製作や、六本木ヒルズでの観望会などユニークな活動を行っている団体が「天プラ」です。
本日配信号(4月1日号)から、コンテンツの一部を引用してご紹介します。
■僕らがずっと昔からやっているのは、なるべくいろいろな人に、多くの人に天文学の面白さに触れる機会を提供したい。ちょっと回りくどいいい方ですけど、「面白さに触れてほしい」というと何か傲慢なので、「面白さに触れる機会を提供したい」といつも言っているんですけど。
○どういう意味ですか。
■どういう意味かというと、我々は「天文学が面白い」と思っているけど、それがすべての人にとって面白いかどうかは自明ではないので、それを押し付けるようなことはなるべくしたくない。遠慮深いので(笑)。
じゃあ、どうしたらいいかといったら、いろいろな人が「天文学にちょっと興味あるな」と思ったときに、簡単にアクセスできる場所に、ちゃんと我々が面白いと思っているものを置いておく活動をしなきゃいけないと。
普通そういうものって例えば科学館とかプラネタリウム、一般的にはそういうところにいっぱいあるんだと思うんですけど、そういうところってそもそも普通の人は行かないので(笑)。○そうかも。
■そんなところでやるよりはもっといろいろな人が行く場所、いろいろな場所にいろいろな形でいろいろなチャンスがあったらいいなと思っていて、科学館やプラネタリウムはもちろんオーケー、それに加えて、例えば東京都心の若い女の子がいっぱい集まる場所とか、普段、科学にあんまり触れる機会がない人たちが集まる場所で、活動したい。その1つが例えば六本木ヒルズの屋上とか、そういうふうになっています。
○なるほど。
■今年の夏はそういうところで実際にそういう天文科学、科学のイベントをやって、どれぐらいの人がどういう興味を持って参加してくれるかどうかというのを、見定めようと思ってやったんですけど、かなり好評だったので、これはいいなと。
森ビルさんと一緒にやっていたんですけど、森ビルさん側にも評価していただいて10月からまた毎週末やることになったので、そこでちょっと1つ、場所づくりを、今、一生懸命やっています。○六本木でも星は見えるものなんですか?
■見えます。
そもそもまあ、もっと言ってしまうと、僕は、星を見るのはあんまり興味がなくて(笑)。天文学者の大部分はたぶん星、見るのはあまり興味がないんですよ。○ああ(笑)。実際に今までお話を聞いた方にも、結構そういう方が多かったですね。
■多いですよね。例えば僕が夜空を見ていて面白いなと思うのは、見えている星なんて、たかだか数が限られているじゃないですか。東京だと本当に20個とか30個ぐらいしか見えない。
でも例えば僕たちの銀河系の中には1,000億個の星があるわけです。そのうち見えている10個や20個というのは本当に太陽系から数光年、十何光年とか、それぐらいのすごい近いところの星しか基本的に見えてなくて……。
でも、僕たちは実際には銀河系自身は10万光年の広がりがあって、宇宙自体は137億光年、広がりがあることは知識で知っているので、夜空を見るとき補完して見るわけですよ。○ええ。
■結局、星と星の間の真っ暗闇の空間の中にこそ、いっぱい天文学の面白いところが詰まっているんだなと思って見るから面白い。
それって、別に星がたくさん見えようが、少なく見えようが、たぶんどこでも同じ感想を抱けて、あとは見方を変えるだけなので、その「見方の変え方」を是非いろいろなところで話して回りたいなと思っています。
研究者インタビュー・メールマガジン「サイエンス・メール」は、バックナンバーともども、「まぐまぐ」にて配信中です。
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「あかり」による日本発の赤外線天体カタログが公開へ
3月 31st
「あかり」が検出した天体の天球面上の分布。青: 9 マイクロメートル 、緑: 18 マイクロメートル、赤: 90 マイクロメートル。中央横に拡がるのが銀河面(天の川)。青く見える天体の多くは銀河系内の星、赤く見えるのは、主に生まれたての星や、遠方の銀河。
JAXA|新世代の赤外線天体カタログ、日本から世界に公開へ.
赤外線天文衛星「あかり」が観測した約130万天体にも及ぶ赤外線で輝く天体の情報を集めた「赤外線天体カタログ」が、3/30日、世界の研究者に向けて公開された。今後の天文学の進展に大きく寄与する日本発のデータベースとなる。
赤外線はエネルギーが低いため、比較的低温の星や、塵(固体微粒子)を含む暗黒星雲、あるいはそれらの集合体である銀河などからも放射される。また、光よりも透過力が高いため、光では見えない領域を観測するのにも適している。
赤外線天体カタログは、20年以上前にIRAS(アイラス)衛星(1983年に打ち上げられた、アメリカ・イギリス・オランダが共同で開発した世界初の赤外天文衛星)によって初めて作られ、これまで広く天文学者に使われ続けてきた。
今回公開された「あかり」のカタログは、全天の96%以上をカバーし、「近・中間赤外線カメラ(IRC)」によって検出された約 87万天体のカタログと遠赤外線サーベイヤー(FIS)が観測した約43万天体のカタログから構成されている。
天体総数は約130万。IRASのカタログに比べて5倍の規模。またIRASに比べてより高い解像度、より高い感度、より広い波長域の情報が含まれているという。
このカタログの初版は2008年11月に完成し、プロジェクトチーム内での試用開始を宇宙開発委員会に報告された。その後、改良により遠赤外線カタログの天体数は6倍以上、全体では1.6倍に増加し、また天体の明るさの精度向上も達成し、世界の研究者に向けて一般公開されることになった。
「あかり」赤外線天体カタログからは、すでにいつどのくらい、どのように星が生まれてきたのかを調べる研究や、太陽以外の星のまわりで惑星が作られつつある場所を見つけ出すなど、いくつかの初期成果が得られている。
今回の一般公開により日本発のカタログが、赤外線天文分野のみならず、電波からX線にいたる広範な天文研究者によって多種多様な天体の研究に使われ、また地上望遠鏡から天文衛星まで、さまざまな天文台で観測計画のもとになるカタログとしても使われることになるという。
赤外線天文衛星「あかり」のイメージ図
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チリに建設中の「アルマ望遠鏡」日本のアンテナ愛称が「いざよい(十六夜)」に決定
3月 19th
アルマ望遠鏡完成想像図 Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)。左の一群が日本のアンテナ「いざよい」。
チリ・アタカマ砂漠に建設中の巨大電波望遠鏡ALMA(アルマ、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)の、日本のアンテナの愛称が決まった。2010年3月2日 (火)に選定委員会(松本零士委員長)を開催し慎重に検討し、愛称「いざよい」を選定したとのこと。
「愛称募集キャンペーン」は、18歳以下を応募対象として行った。子供たちに愛称を名付けてもらうことによってアルマ望遠鏡に親近感を持ってもらい、今後30年間運用を続けるアルマ計画を身近なものととらえてもらうことを目的としたという。
応募件数は2009年12月8日から2010年2月14日までの募集期間で1829件。その中で「いざよい」を提案したのは2番目に多い28名だった。
選定理由は、
- 日本のアンテナ台数「16」との数の一致
- 夜空、天体、宇宙のイメージとの一致
- 美しい大和言葉であること
現在、チリ現地の山頂施設(標高約5000m)と山麓施設(標高約2900m)に設置されている日本のアンテナは、合計5台。
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X線天文衛星「すざく」で木星周辺に広がる硬X線放射を発見 首都大学東京
1月 27th
「すざく」衛星で観測した木星周辺の硬X線画像。木星の可視光画像と磁力線モデルを重ねて表示
press_100126.pdf (application/pdf オブジェクト).
首都大学東京大学院 理工学研究科の江副祐一郎 助教らを中心とするグループは、日本のX線天文衛星「すざく」のデータから、木星周辺に広がる硬X線放射を発見した。
発見した放射は約16 x 8 木星半径(100万 km x 50万 km)に広がっており、地球の磁場の1万倍にもなる木星の強力な磁場に捉えられた粒子が作る放射線帯とよく一致する。これまで他のX線天文衛星の観測から、木星本体や衛星イオの軌道(5.9木星半径)から比較的低いエネルギーのX線(軟X線)が放射されていることは知られていたが、衛星イオの軌道の2倍以上もの広がりにわたって、高エネルギーX線を発見したのは世界で初めて。Astrophysical Journal Letters に「Discovery of Diffuse Hard X-ray Emission around Jupiter with Suzaku」(「すざく」を用いた木星周辺の広がった硬X線放射の発見) のタイトルで2010年02月01日(米国時間)に出版される。オンライン版は2010年1月14日(米国時間)から取得可能。
この放射は、高いエネルギーを持つX線が観測されていることなどから、通常の低エネルギー電子による放射とは考えにくく、何らかのしくみで光速近くにまで加速された高エネルギー電子がそこに大量にあり、それが太陽からの光子をX線にまで叩き上げている(逆コンプトン放射)と考えられるという。このような現象が惑星から検出されたのは初めて。
木星放射線帯を探査衛星で直接観測することは難しいため、今後は「すざく」衛星などによるX線観測が、木星の放射線帯での粒子加速を探る新たな手段になると期待されるという。
地球の放射線帯の電子は人工衛星などに障害を及ぼすことが知られ、「キラー電子」と呼ばれており、宇宙天気予報の重要課題になっている。逆コンプトン放射を出している電子は、地球の放射線帯の最高エネルギー電子の約10倍のエネルギーを持つと考えられる。このようなX線観測から木星の放射線環境を把握することで、将来の木星探査衛星の開発にも役立つ可能性がある。
木星の放射線帯の想像図。白線は木星の磁力線。向かって左の太陽方向から太陽風が吹き付ける。黄色や白色の粒子は磁場に捕獲された粒子(イオンや電子)であり、木星の磁力線に沿って木星へと落下しつつ加速を受けて、放射線帯を形作る。木星などのサイズは見やすさのため大きさの比を変えている。
「きぼう」の全天X線監視装置(MAXI:マキシ)観測データが公開開始 JAXAと理研
1月 13th
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と理化学研究所は、1月13日、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームに設置されている全天X線監視装置(MAXI: Monitor of All-sky X-ray Image)による観測データをサイトで公開開始した。
「MAXI」に搭載されている全天X線カメラのうち、「ガススリットカメラ」により得られた観測データ(全天X線画像と、個別の天体のX線画像やX線光度曲線(X線強度の変化)等)を処理・較正したもの。データは観測後一日以内に処理・自動更新される。現在は約100個の天体のデータが公開されていますが、今後、処理を進め、最終的には約1000個の天体に関して公開を行う予定。
今後は観測データの処理・較正作業を継続し、公開データの充実を図るとともに、速報データについては突発天体の発見後1分以内に自動速報が行えるようにシステムの改良を進める予定だという。
X線でさぐるブラックホール―X線天文学入門 (ポピュラー・サイエンス) 著者/訳者:北本 俊二 出版社:裳華房( 1998-06 ) 定価:¥ 1,470 Amazon価格:¥ 1,470 単行本 ( 146 ページ ) ISBN-10 : 4785386789 ISBN-13 : 9784785386788
ふたご座流星群、13日、14日にピーク
12月 12th
2009年12月 ふたご座流星群を眺めようキャンペーン:国立天文台.
既報のとおり、ふたご座流星群が12月13日、14日にピークを迎えます。
国立天文台によれば今年の極大は14日の日中なので、
13日真夜中〜14日の明け方か、
14日22時から15日の3時ごろまで
が良いのではないかとの事です。
16日が新月なので比較的観測には適しているはず。
放射点はふたご座ですが、あまり気にせずできるだけ夜空全体が入る場所が良いとのことです。
寒くなるようですので、風邪をひかないように。
火星の衛星「フォボス」と「ダイモス」を同時に撮影 ESA
12月 12th
火星の衛星「フォボス」と「ダイモス」。手前がフォボス
ESA – Mars Express – Pioneering images of both martian moons.
Credits: ESA/DLR/FU Berlin (G. Neukum)
ESA(欧州宇宙機関)の「マーズエクスプレス」が火星の衛星「フォボス」と「ダイモス」が一緒に映っている様子を11月5日に捉えた映像が公開された。画像はHRSC(High Resolution Stereo Camera、高解像度ステレオカメラ)のSRC(Super Resolution Channel)によって捉えられた。
カメラは1分半の間に130枚の画像を撮影した。解像度はフォボスが1ピクセルあたり110m、ダイモスが1ピクセルあたり240m。フォボスからは11,800km、ダイモスからは26,200km離れている。
火星-赤い惑星の46億年史―火星の科学入門最新版 (NEWTONムック) 著者/訳者:フランソワ・フォルジェ 出版社:ニュートンプレス( 2009-01 ) 定価:¥ 2,499 ムック ( 157 ページ ) ISBN-10 : 4315518506 ISBN-13 : 9784315518504
ローバー、火星を駆ける―僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢 著者/訳者:スティーヴ スクワイヤーズ 出版社:早川書房( 2007-09 ) 定価:¥ 2,625 Amazon価格:¥ 2,625 単行本 ( 502 ページ ) ISBN-10 : 4152088605 ISBN-13 : 9784152088604
超新星爆発の「化石」を発見 理研ほか
12月 11th
クラゲ星雲(IC443)の可視光画像(a)と、可視光およびX線(RGBカラー)の合成写真(b)
引用元:星の大爆発が宇宙に残した超高温火の玉の「化石」を発見 −X線天文衛星「すざく」が明かした新タイプの超新星残骸−
12月11日、理研基礎科学特別研究員の山口弘悦氏、京都大学博士課程学生の小澤碧氏、京都大学名誉教授の小山勝二氏、首都大学東京教授の政井邦昭氏を主要メンバーとする共同研究グループは、約4,000年前に爆発した超新星の残骸だと考えられているふたご座のクラゲ星雲が、爆発直後には太陽の1万倍以上も熱い巨大な火の玉であった証拠を世界で初めてとらえたと発表した。X線天文衛星「すざく」を使った成果で、米国の科学雑誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レター』(705号:11月1日発行)に掲載された。
研究グループは「すざく」を使って現在のガス温度である700万度では作ることができない完全電離ケイ素や硫黄を大量に発見した。これらの完全電離元素は、4,000年前に超新星が起きた直後の衝撃波で生成されたものを考えられる。超高温の火の玉が宇宙に残した「化石」といえるという。
通常の超新星残骸では、希薄な宇宙空間の中で、ガスの 温度は数百年以上かけてようやく1,000万度ほどに達する。今回の発見からクラゲ星雲は、爆発後一気に1億度以上にまでガスを加熱した「新しいタイプ」の超新星残骸であることが明らかとなったという。この研究は爆発前の星の大きさや活動性、爆発メカニズムを超新星残骸から解き明かす重要な手がかりを与えたものだという。
爆発直後のクラゲ星雲の想像図(池下章裕氏 作成)。 厚い雲を灼熱の火の玉にした衝撃波が、まさに雲を突き破ろうとしている瞬間。内部からは強烈なX線やガンマ線が放射されたと推測される。この後、火の玉は急速に膨張して冷えるが、完全電離イオンは「化石」のように残り、当時の激しさを私たちに伝える。
著者/訳者:日本天文学会百年史編纂委員会 出版社:恒星社厚生閣( 2008-03-25 ) 定価:¥ 3,465 Amazon価格:¥ 3,465 ハードカバー ( 378 ページ ) ISBN-10 : 4769910789 ISBN-13 : 9784769910787
国立天文台、「ふたご座流星群を眺めようキャンペーン」
12月 7th
2009年12月 ふたご座流星群を眺めようキャンペーン:国立天文台.
国立天文台では、今年で4回目となる「ふ たご座流星群を眺めよう」キャンペーンを実施中だ。
これは「ふたご座流星群の活動が活発になると思われる12月11日の夜から15日の朝までの4夜の間に15分間 以上星空を眺め、結果を報告ページから報告していただこうというもの」。
公式キャンペーンサイトにて、観察するために必要な情報や,流星の解説,ふたご座流星群の特徴などを解説している。
JAXA、「君も太陽系をヨットに乗って旅しよう!」キャンペーン
12月 5th
Let solar sail Carry Our Messages’s campaign! 君も太陽系をヨットに乗って旅しよう!.
宇宙航空開発機構(JAXA)は、2010年度に種子島宇宙センターからH-IIAロケットで打ち上げる、小型ソーラ電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」に搭載するメッセージを募集するキャンペーンを実施している。
「IKAROS」は金星探査機「あかつき(PLANET-C)」と相乗りで打ち上げられる小型実証機。「一辺約14.1mの大きな帆でヨットのように太陽の光を受けて,太陽系を航行する」宇宙船だ。
「イカロスキャンペーン」は、全世界 から名前とメッセージを集め、アルミプレートやDVDに収録して「イカロス」に載せ、金星軌道に向かって旅立たせる。
「イカロス」同様、2010年末に打ち上げ予定である米国惑星協会の「Light Sail-1(ライトセイル1号)」と相互にミッション応援キャンペーンを実施している。「ライトセイル1号」は高度800kmの地球周回軌道で、およそ5.5mの帆に光を受けて推進する実証機。
ソーラーセイル―宇宙帆船とルナカップレース (FRONTIER TECHNOLOGY SERIES) 著者/訳者:三浦 公亮 長友 信人 出版社:丸善( 1993-10 ) 定価:¥ 1,575 単行本 ( 148 ページ ) ISBN-10 : 4621038893 ISBN-13 : 9784621038895



















