ロボット

シンガポール初の等身大ヒューマノイド「NASH」動画

Nanyang Technological University (NTU) による「 NASH (NTU Advanced Smart Humanoid)」だそうです。
まだヨタヨタですが、今後。

ネズミみたいなヒゲで周囲の環境をセンシングする移動ロボット動画

University of the West of Englandのジャコウネズミ(Etruscan Shrew)にインスパイアされたロボット。
ブリストル・ロボット工学研究所(BRL)のロボットはこんなのばっかり。

「ルンバ」の赤外線センサーの様子を夜間撮影モードで撮影

掃除ロボット「ルンバ」には、障害物や床面検知用の近赤外線センサーがついてます。赤外線を出してその反射を受けるセンサーです。その様子はデジカメで見ると分かります。ハンディカムなどについているナイトショット(夜間撮影)モードを使うと、その様子を動画で見ることもできます。ルンバに何が見えて何が見えていないのかが分かります。

撮影のときは、カメラから出る赤外線を遮るようにしたほうが、ルンバが出している光だけ見えます。

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人のあとをついてきてくれる自動ゴルフカート(ビデオ)

人間のあとをついてきて来てくれる自動ゴルフカート。こんなのあるんですね。

ボストン・ダイナミクス社の軍事用4足ロボット「AlphaDog」ビデオ

「LS3」改め「AlphaDog」の動画。
GetRoboから。

レーザーレンジファインダーが着いてる。地形情報をある程度見ているということだろうか。
以前のBigDogにも着いていたっけ?

アルデバラン、「NAO Next Gen」を発表

アルデバランロボティクス(Aldebaran Robotics)社は同社の小型ヒューマノイド「NAO」の新型、「NAO Next Gen」を発表しました。見た目はあまり変わりませんが、音声認識の精度を向上、新しい歩行アルゴリズムや転倒制御、四肢の干渉回避そのほかで、研究用プラットフォームとして順当に発展させているようです。

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ホンダ、新パーソナルモビリティ「Uni-Cub」の動画を公開

ホンダUni-Cub

ホンダUni-Cub

12月5日、ホンダミーティングにて公開・配布された動画とのこと。
2009年に発表された試作機「U3-X」の発展版のようです。補助輪が後ろについていますが、同様に全方位駆動車輪機構(Honda Omni Traction Drive System)を使っているようです。

ホンダUni-Cub利用風景

ホンダUni-Cub利用風景

想定利用シーンは同じですね。

動画はこちら

HONDA 明日への挑戦: ASIMOから小型ジェット機まで
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第3回「ZMPフォーラム」 レポート 小さい自動車は走る実験室

11月29日、TEPIAにて第3回「ZMPフォーラム」がおこなわれた。ZMP社は以前はロボット開発と販売を主な事業としていたが、最近は「ロボットカー」ビジネスに軸足を移している。もともとロボットと次世代自動車とは技術的親和性は高い。またビジネスを考えるとロボットカーというのは妥当なところだと思う。

・RoboCarとロボット技術の応用製品

谷口社長は同社の基幹製品である「RoboCar」を挨拶で紹介。2009年に発売した10分の1の車である「RoboCar 1/10」はいまは海外からも引き合いがあり、ユーザー数はおよそ200。2011年に発売した実際に人間が乗れる原付4輪「RoboCar MEV」はユーザー数は10程度。車庫証明も必要とせずランニングコストがあまりかからない点が受け入れられているという。いまはトヨタのプリウスをベースにした「RoboCar HEV」を部品メーカーなどが自社製品を開発・評価できる研究用プラットフォームとして開発中で、2012年から販売予定だ。選んだ理由はインパネがかっこいいと思ったからだという。谷口社長は「ZMPはプラットフォームを持っているので車の全体像を把握している。先行するチャンスだと考えている」と述べた。

富士通研究所顧問の内山隆氏は「ロボットの自立化技術とその応用」と題して、これまでの富士通のロボット開発の歴史などについて述べ、現在開発中のオフィス内で作業するサービスロボットや、ロボット技術を通して生まれた技術を紹介した。

宇宙ロボット開発でつちかった技術をベースに製品化した高速干渉チェックや柔軟物モデルなどのリアルタイムシミュレーションによる仮想試作ができるだけでなく、設計・開発・製造の全工程でデータを連携できるVPS(Virtual Product Simulator)は携帯電話やパソコンなどの設計に実際に用いられており、年間数億円の売り上げがある。それ以外に、並列演算回路(シストリックアレイ)を用い消費電力の低いステレオビジョンモジュール、モーションスイッチ、携帯電話ヒンジや画像技術などが応用されているという。

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・「e-nuvo Wheelを導入した学部学生向け実験事例」

金沢大学電子情報学系の金子修准教授は「e-nuvo Wheelを導入した学部学生向け実験事例」について講演した。電気電子の学生は意外と「制御」に対する意識があまりなく、学生向けの教材として、結果が目で見て物理的にわかって、楽しさや醍醐味を体感でき、頑丈でコンパクトだがシンプルすぎない教材として、e-nuvoWheelは良いと述べた。

対象は3年生で、古典制御や現代制御の実験教材として用いられている。3-4名につき1台のe-nuvo Wheelを用いて、対象特性を理解できるか、伝達関数・状態空間は導き出せるか、安定化制御器を設計できるかどうか、Simlink/Matlabなどでシミュレーションし、実装できるかどうか、そして考察などを学習させている。学生グループ実験なので、グループ内でのやりとりも学習の一環だ。まずは古典制御で制御をさせたあとに現代制御で制御させることで、制御のおもしろさやパワーを実感させる。

今後は競技形式でやってみるとか、学習制御など違った視点から考えさせたり、ライントレースなども導入していきたいと考えているという。また大学院生向けの教材としての活用も検討中だ。

・「マイクロソフトの技術でロボティクス」

マイクロソフトの太田寛は「未来を先取りした最新テクノロジー。マイクロソフトの技術でロボティクス」と題して、最近はセンサーあるいは入力機器として人気のKinect、ファームウェアの.Net Micro Framework、コンソールとしてのWindows phone、Robotics Developer Studio 4.0などの概要と、組み合わせによる活用について解説した。

Kinectは赤外線と深度を計るCMOS、そして色を見るCMOSカメラのほか、マイクロフォンアレイが搭載されている。開発に必要な環境はWindows7とVisual Studio、Kinect for Windows SDKなど。言語はC++とC#。ライセンスは非商用となっている。また原則、XBOXにしか繋げないことになっている。来年初旬には商用版がリリースされるほか、新型Kinectも発売される予定だ。Kinectは最大二人まで認識でき、複数デバイスを繋げることもできる。80cmから4mまでの距離で認識可能で、スケルトン情報や深度情報を得られる。

.NET Micro Frameworkは超小型組込み機器向けファームウェアで、256KB Flash ROM、64K RAM、MMU無しで、様々なCPU上で動作する。歴史を振り返ると、MSが発売していた「SPOT」という時計があったが、そのなかで動いていた。2009年からオープンソース化しており、自由に使える。いまは動作した状態でアップデートできたりセキュリティを強化したVer.4.2がリリース直前の状態。ロボットのノードなどで活用できるという。開発はVisual Studio 2010でおこなえる。日本ではフェリカかーどのリーダーや、T-Kernelなどでポーティングして使われている。

デバイスとしてはFezシリーズのほか、スイッチサイエンスからNetduinoが購入できる。ライブラリはソースコードが公開されている。また「.NET Gadgeteer」という小型機器向けのラピッド開発環境があり、プロトタイピングに使えると太田氏は紹介した。

Windows phoneは最新版は7.1。センサー系も組み込まれているし、インターフェースとしては優れているので、ロボットのモニタリングにも良いのではないかという。MSのクラウドプラットフォームサービスであるWindowsアジュールとの連携基盤としても使えるのではないかという。エミュレーターでのUDPを使ったグループ内通信デモを紹介した。ロボットは分散ノードが動いている環境であり、Robotics Studioはそれを動かす実行環境であり、オーサリング環境、シミュレーターである。4.0からはKinectに対応した。実Kinectがなくてもシミュレーターが対応する。ロボットが見ている実画像と深度情報、コンソールのシミュレーションが可能だ。

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・車載データ統合アーキテクチャ「Cloudia」

名古屋大学大学院 情報科学研究科付属組込みシステム研究センター(NCES)の武井千春氏と、名古屋大学工学部高田研究室の熊谷康太氏は「RoboCar 1/10を用いた車載データ統合アーキテクチャの評価」として講演。車載ソフトウェアの検証をRoboCarを使って行った例を紹介した。

名古屋大学組込みシステム研究センターは組込み専門の高度な人材育成と研究を目標とした機関で、組み込み産業界の大学病院のような位置づけを目指しており、企業からの外部資金によるテーマごとの複数プロジェクトで組織されている。これまでにCANの高速化や宇宙機用のSpaceWire関連の開発をおこなっている。

車はソフトウェアで走っており、機能ごとにECUと呼ばれる電子制御ユニットが搭載されており、その数は100個に及ぼうとしている。しかもそれらは相互にネットワークで繋がっている。品質面でもそろそろ限界が近づいている。また車載データは多種多様になっている。機能一つずつに別々のECUが個別に開発されてきたため、データ管理も別々におこなわれている。そのため車載データを論理的なデータ空間のなかで統合する必要性がある。縦割りから統合管理による高性能化、低価格化、信頼性向上、設計容易性の向上、高付加価値だ。各センサーが収集した各データを階層化して抽象化・統合化することで、利用しやすくする。センサー群とアプリケーションを分離しないと、増改築を繰り返した家のような状態になってしまう。

やりかたとしてはSQLによる通常のデータベースを使うやりかたと、継続型クエリによるデータストリーム型のやり方がある。武井氏らはアダプティブコントロールによるシミュレーションなどで両者を比較した結果、現在は、時々刻々と状況が変化する自動車には連続してデータがやってきてアプリケーションが判断をおこなう「データストリーム型」がむいていると考えている。実際にはMITが開発したBorealisを使ってLinuxで実装。「Cloudia」と呼ぶミニクラウドのような自動コンフィグレーション・ソフトウェア・プラットフォームを作って評価検証を行っている。

またITSアーキテクチャの流れを見ると、国際的には地図データをLDM(Local Dynamic Map)というかたちで管理しようという動きが標準になりつつあるという。データを4層に分けて管理する考え方で、1層と2層はスタティックな地図で、上位のレイヤーになるほど変化するデータを扱うようになっている。武井氏らはその第4層に自分たちの研究開発のアウトプットを対応させることを取りあえずの着地点として、路車間、車車間通信利用の安全運転支援技術として開発を進めている。来年4月からコンソーシアム型の共同研究を自動車会社各社とも進める予定だ。研究費を負担する企業のメリットも考えながら、一定期間経過の後には成果をオープンにする予定だ。

Cloudiaの詳細とRoboCarでの評価については熊谷康太氏が紹介した。RoboCarはレーザーレンジファインダーやカメラなど豊富なセンサー群を搭載している。それらをそれぞれ別個に使うことで、異なるセンサーを搭載した車を想定した衝突回避実験を行った。RoboCarにCloudiaを移植して実行したところストリームに問題はなかったという。

・「小さい自動車は走る実験室」

東京農工大教授の永井正夫氏は「超小型電気自動車の運動制御と自動運転の事例紹介」として、車両の衝突の予防安全技術の現状と可能性を紹介。シートベルトやエアバッグ、衝撃吸収車体のような衝突安全システム、直前にブレーキをかけるプリクラッシュセーフティを経て、研究室では危険が顕在化する前から安全性を高めるアクティブセーフティが研究されている。

車には現状でも前後運動、横運動など様々な制御系がある。車両の運動はタイヤ摩擦力で決まる。それらを前提にインホイールモーターの超小型電気自動車の自動化の研究を永井氏はおこなっている。高いセンサーを使うと実際の車両では使えないので、なるべく少ないセンサーを使い、オブザーバーで状態を推定して、フィードバック制御をかけて安定化するのが基本だ。ハンドルや車輪のトルクに制御をかけると車両が横滑りしにくくなったりする。高級車にはそれらの制御技術が実際に応用されている。

小さい自動車は「走る実験室」だという永井氏。今後は高齢者向け自動車の開発を進めていくという。なお永井氏の著書の『カー・ロボティクス』はアマゾンでも購入できる。

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・ZMP社の商品展開

最後にZMPの西村明浩氏とダニエル・ワットマン氏が、発表されたばかりのオプティカルフロー(光学的流動、周囲の風景がどちらへ動いているのかから自分自身の状態を知る)を検出する5cm角のカメラ、FPGA、メモリ一体型のセンサーモジュール「OpticalFlow-Z」などの紹介をデモを交えておこなった。たとえばRoboCar 1/10の横などにつけることで、併走する、あるいは後方から接近する車両の相対速度などを検出することで、安全か危険かの判定などに用いることができる。最大解像度は1920×1080、フレームレートを優先した場合は最大で240fps。

一人乗りロボットEV「RoboCar MEV」は自動運転の研究開発プラットフォームのほか、センサデバイスの実証評価に使われており、「RoboCar 1/10」は上記の研究室のほか、早稲田大学や首都大学東京、三重大学などでも隊列走行や自動車庫入れのアルゴリズム検証やヒューマンインターフェースの研究に使われている。九州産業大学ではネットワークローミングの研究にも使われている。また教育でも用いられており、そちらでは学生ならではのユニークな使われ方で活用されているようだ。

9軸ワイヤレスモーションセンサ「IMU-Z」は諸般の事情でカメラを設置できない現場でのモーションセンサとして使われているほか、マスタースレーブの入力そのほかにも用いられている。同社としてはライブラリが公開されていることと、複数のセンサを用いることができる点を売りとしている。また気圧センサなどもあり、それを使うと建物内での上がり下がり、フロア特定にも用いることができる。

このほか基礎的なエンジニア研修に用いるモータ制御学習キット「e-nuvo BASIC」や「e-nuvo Wheel」などをZMPでは展開している。また小型自動車の大型リチウム電池なども販売している。

モータ制御で学ぶ電子回路と組込みプログラミング
坂井 亮介
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映画「リアル・スティール」レビュー

・ストーリー

映画「リアル・スティール」が間もなく12月9日から日本でも公開される。時代設定は2020年。ヒューマノイド・ロボットによるボクシングや格闘技が登場し、人間による格闘技は廃れてしまった(リチャード・マシスンによる原作では禁止された)時代。主人公はヒュー・ジャックマン演じるチャーリー・ケントン。彼は元ボクサーでロボットを使った格闘技プロモーターの一人だが、場末の格闘での賭けの負けからも逃げ回るダメな生活を送っていた。

どのくらいダメかというと、10年前に別れた妻が死んだあと、11歳の息子マックス(ダコタ・ゴヨ)の親権を早速彼の叔母に譲るサインを迷うことなくしてしまい、さらに旦那が金持ちだと分かると裏でこっそりカネを要求するくらいのダメな親父だ。チャーリーはカネをもらうことと引き換えに彼らが旅行に出かける夏休みの間だけマックスと暮らすことになったが、マックスはそんな親父の行動を見抜いていて最初からうんざり。だがロボット格闘技のマニアで、チャーリーと行動を共にすることになる。

映画冒頭の賭け試合(ロボット vs. 猛牛)でロボットをスクラップにされたチャーリーは、息子の親権を売ったカネで新しいロボットを購入して試合に挑むが、馴れないロボットに最初から高望みしてまたまたスクラップにされてしまう。仕方なく廃品置き場を二人でうろついてロボットの部品を探すことに。

ところが廃品置き場(どうも昔はダムか何かだったらしい)の崖が崩れて息子のマックスは滑り落ちてしまう。偶然、何かに引っかかって助かるが、それはロボットの腕だった。マックスは自分の命を助けてられた旧式ロボット「ATOM」に特別な力があると信じ、人まねができる「シャドー機能」を使ってボクシングを教えるようチャーリーに頼む。最初は小柄で一世代前のスパーリング用のロボットがリングで勝てるわけがないと眺めていたチャーリーだったが、「ATOM」は案外タフで素早く動けることが分かった。やがて……というストーリー。最後はもちろん、ロボットボクシングの公式戦でチャンピオンのロボット「ゼウス」と闘う。

ストーリーはまっすぐ。ひねりはない。身長は2.3mから2.6m、重さ500kg、片手で900kgの牛も殴り倒せるという設定のロボット同士の格闘は迫力満点だし、ロボット・ボクシングを通して描かれるとにかくダメな親父と息子の絆復活と、まさにハリウッド映画らしいエンターテイメント作品である。2時間を超える長尺だが、見たいものをさっさと見せてくれるテンポの良さも悪くない。

ただし、映画前半は場末のリングでの試合という設定のせいか、ロボットは互いにぶっ壊れるまで殴り合う。首は飛ぶわ腕は飛ぶわで、日本人にはちょっと刺激が強いかもしれない。後半はボクシング公式戦だからか、そのへんの激しい描写はなくなる。

ロボット同士のバトルだから肉弾戦ではないのだが、見ていると自然と体が熱くなる。ヒュー・ジャックマンのダメっぷりも良いし、子役のダコタ・ゴヨも可愛いし、親子で見に行く年末映画としては最適なチョイスの一作と言えよう。

・ATOMは男の魂の象徴

彼らが拾った「ATOM」という名前のロボットは、いわば、主人公チャーリー・ケントンが人生の途中で落としてしまった男の魂の象徴である。最初、彼は拾ったそれを信じないし見ようともしない。だが彼の息子はそれを信じた。息子に信じられることで、やがてチャーリー自身も自分を信じ、自信を取り戻していく。

「ATOM」には「シャドー」と名付けられた物まねの機能がある。チャーリーが「Watch Me」とATOMにやって見せるシーンがあるのだが、そのシーンは、そのまま受け取ることもできるのだが、後から思い出すと、まるでATOMがチャーリーに言って聞かせているようにも見える。映画のシナリオ上も、スクラップとして捨てられていたATOMは、チャーリー自身の鏡として機能している。

この「ATOM」という名前だが、「鉄腕アトム」に由来しているのだろうか。「リアル・スティール」にはタク・マシド(カール・ユーン)なる日本人という設定のロボット・デザイナーのほか、息子は日本語が少し分かったり(ゲームで覚えたそうだ)、最後の試合でもカタカナで「ロボット」と描かれたTシャツを着ていたりするのだから、そう思いたくなる。

だが「SFマガジン」2012年1月号に掲載されているショーン・レヴィ監督インタビュー(インタビュアーは渡辺麻紀氏)によれば、「偶然」だという。彼はそのインタビューでこう語っている。

『鉄腕アトム』からなのか、って訊きたいんだろ? 日本の人たちはみんなそこが気になるみたいで、必ず訊ねるんだ(笑)。でも、ホントにこれは偶然で、日本のコミックから取ったわけじゃない。アトムは、科学の最小の単位であり、人間の起源でもあるアダムの意味もある。このロボットが現れて、父と子が生まれ変わるわけだから、アトムという名前はぴったりと思ったんだ。原始的でエレメンタルな感じがするところも気に入っている。

・タイムレスな時代設定

映画のなかの大きな要素であるロボットボクシングの演出も良い。もし実際にこれだけタフなヒューマノイドができたら、これだけショーアップされて盛り上がるのかもしれないと十分感じさせる説得力がある。

この映画は少し未来の設定で、ロボット以外は携帯電話とカーナビくらいしか進歩しているものはない。またヒューマノイドがこれだけ進んでいるなら他にもロボットが普及して使われているのではないかと思うのだが、そのへんはまるごと省かれていて、どこか時代設定が良く分からない感じになっている。今と変わらない時代にポンとタフなヒューマノイドだけが放り込まれている印象だ。

なおロボットの撮影は、格闘シーンはCGだが、実際に立っている状態では実物が使われた。そのため演技もしやすかったとヒュー・ジャックマンも語っている。ちなみにロボットのデザインだが、個人的には「ジョジョの奇妙な冒険」の「スタンド」に似ているなと感じた。

・現代のロボットバトル、未来のロボット

ところで、今作で行われているようなロボットのバトルとしては、「Battle Bots」が有名だ。

こういうロボット同士のバトルが行われている国であっても映画にするときにはヒューマノイド同士のバトルにする点は少し面白い。もっとも設定上もヒューマノイドでないと話にならないわけだが。日本の二足歩行ロボットのロボコン「ROBO-ONE」も、将来はこのくらい派手になるのだろうか。いやいや、アメリカでこういう大型ロボットのバトルが行われる時代になっても、日本では小さいロボットでバトルしあっているんじゃないだろうかという気がする。

映画のなかの設定では、既に等身大の格闘用のロボットが(しかも日本から)誕生している時代なのだが、映画のようなロボットができるまでにはまだまだ先は無限に長い。これだけタフで、ロバストで、バランス能力に優れ、ちょっとぶつかっただけでも道の水道栓がぶっ壊れてしまうくらいのパワーがあるのに、11歳の子供の体をそっと抱き上げるような繊細さを併せ持つ、そんなロボットがどうすればできるのかさっぱり分からない。

だが「リアル・スティールのような」映画を両親と一緒に見る子供たちは強い印象を心の中に抱くに違いない。そして彼らのなかの一部の子供たちは思うのではなかろうか。「いつかこんなロボットを実際に作ってみたい」と。フィクションが与えるそういう気持ちが現実のロボットをさらにまた進歩させていくのかもしれない。

ボストン・ダイナミクス社のヒューマノイド「Petman」動画

中に人間が入ってるんじゃないかと思ってしまうくらいキモい動き方の四足歩行ロボット「BigDog」で世界的に、広く一般にまで有名になったボストン・ダイナミクス社が開発しているヒューマノイド「Petman」が、上半身もついた状態になりました。

以前は下半身だけでしたが上半身もつき、大きく右左に身体を揺らしながらのっしのっしと油圧で歩いてます。もちろん押されてもバランスを保つデモは今回も健在。歩く様子もそうですが、人間くさく膝をつく仕草には、おおっと思ってしまいました。どういう意味があるのかよく分からないですが、腕立てふせまでやってます。上半身のアームもちゃんとトルクを出してますよ、ってことでしょうか。

ただ、正面から見ると分かりやすいですが、人間とは歩き方はだいぶ違います。人間はもっと正中線に近いところに足をおいて左右に重心をふらないように歩いているのに対して、Petmanはかなりのがに股状態です。化学防護服のテスト用、人間のシミュレーターがPetmanの用途だそうですが、こんなにがに股で大丈夫なんでしょうか。服だと、どこがすれるかといったことも重要だと思うんですよね。汗をかく機能もつけるとかいっているそうですが、それ以前にもうちょっと人らしく歩いてほしいです。にしても面白いです。必見。

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