清水建設、建物内の床上の黒点模様でロボット位置を検出する技術を開発、実証実験で確認
床上の黒点を読み取り、自分の現在位置を 検出しながら移動する「MIYUKA」
建物内におけるロボットの位置を瞬時に検出 /ニュースリリース2010年−清水建設.
清水建設は、建物内を移動するロボットが床表面にランダムにつけた黒点模様を読み取り、自分の位置を瞬時かつ高精度に検出できるシステム「MIYUKA」を東京理科大学の協力を得て開発し、実証試験を通じてシステムの有効性を確認したと発表した。
介護や補助、警備、搬送などのサービスを行う各種ロボットの活躍が期待されているが、本格的な普及展開には、建物内におけるロボットの位置を安定的に検出する技術が欠かせない。
建物内の床面に貼られたICコードチップを読みとったり、レーザ光を水平に平面的に発振して壁などの形状を認識することにより、ロボットの位置を検出するシステムが注目を集めている。だが前者は自由な移動経路を選択できず、後者は広い空間やレーザ光を反射するガラスや鏡面がある空間では位置検出が難しい。
またいずれの場合も、建物内のレイアウト変更への柔軟な対応が難しく、チップの再配置やレイアウトデータの入れ替えなどが必要になる。MIYUKAはこれらの課題を解決したという。
「MIYUKA」は、黒ゴマを撒き散らしたようなパターンをつけた床とそのパターンを瞬時に読み取り位置検出する装置部から構成されている。床パターンは、9cm角あたり15〜35、平均で25個程度の黒点をランダムにつけたもの。
装置部は、産業用カメラと撮影部を照らすLED、撮影画像中の黒点の位置関係をデータベースと照合し、画像の床上での位置を算出する計算機から構成される。データベースには、任意の黒点から半径約13cm以内にある黒点の位置関係がすべて入力されている。
「MIYUKA」搭載のロボットは、移動時に床の黒点を連続撮影しながら、黒点の位置関係をもとに自分の位置を検出する。具体的には、床上約8cmの位置から毎秒15〜20カット、10cm角の床写真を連続撮影するとともに、瞬時に撮影した写真に含まれる黒点群の位置関係とデータベースを照合、一致する黒点群の床上の位置を検索し、ロボットの現在位置を検出する仕組み。
検出時間は0.1秒以内、位置精度は0.5mm以下、方向精度は1°以下。位置検出が可能なロボットの移動速度は4km/h(人間の歩行速度程度)。
この検出システムのアルゴリズムは、人工衛星で使われている姿勢計測技術を応用したもの。宇宙空間では、恒星を撮影し、星図と照合することによりカメラの姿勢を算出する。「MIYUKA」では、床の黒点を恒星、黒点の位置関係を星図に見立てているという。
清水建設の技術研究所で実施した実証実験では、床パターンをつけた4.5m角の床上で、実際にロボットを移動させながら、ロボットが自分の位置と向きを確実に検出できること、任意の位置へ正確に移動できることを確認した。「MIYUKA」を実用化することで、軌道が拘束されない経路計画やレイアウト変更にも柔軟に対応できるロボットの開発が可能になると考えているとしている。
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