東京医科歯科大学整形外科に設置された脊髄磁場計測装置の試作機

東京医科歯科大学整形外科に設置された脊髄磁場計測装置の試作機

金沢工業大学 世界初の脊髄機能イメージング 金沢工業大学が新しい脊髄障害の診断装置を開発 −日本整形外科学会にて試作機を発表・展示−.

金沢工業大学は、東京医科歯科大学、横河電機などと共同で脊髄障害を非侵襲で検査することのできる脊髄磁場計測装置を世界で初めて開発したと発表した。

超伝導を応用した高感度磁気センサを使って脊髄神経の発する微弱な磁場を検出し、神経のはたらきを可視化することができる。従来診断が困難だった脊髄障害の場所を正確に調べることのできるという。

開発した試作機は5月27日〜5月30日に東京国際フォーラム/よみうりホール(東京・有楽町)で開催される第83回日本整形外科学会学術総会にて横河電機によって展示発表される。

脊髄の磁場は脳磁場に比べてさらに10分の1ほどの大きさしかなく、地磁気の 100億分の1程度の強度しかない。そのため検出には「SQUID(超伝導量子干渉素子)」を用いた超高感度磁気センサを使用する。検出した磁場データに、空間フィルタ法と呼ばれる磁場源解析処理を行うことで、脊髄の神経活動を画像情報として可視化することができるという。

金沢工業大学先端電子技術応用研究所が平成16年度〜平成20年度に参画した文部科学省知的クラスター創成事業「石川ハイテクセンシングクラスター構想」の一環で開発された脊髄誘発磁場計測装置を石川県の「新豊かさ創造実用化プロジェクト推進事業」などの補助を受けてさらに改良し、実際の患者に適用できる実用的な試作機の開発へとつなげた。金沢工業大学が装置全体の設計や高感度磁気センサなどのハードウェアの開発など、装置の運用と臨床応用を担当した東京医科歯科大学整形外科とともに中心的な役割を担った。そして首都大学東京が解析アルゴリズムの研究を、横河電機はソフトウェアの開発と実用化に向けたマーケティングを担当した。

試作機は東京医科歯科大学整形外科に設置され、すでに40人以上の脊髄障害の患者から診断に有用と見られる信号の検出に成功しているという。首都大学東京との共同で開発した画像化技術を用いることによって、脊髄神経の活動状態を視覚的にとらえる「脊髄機能イメージング」が可能となったという。

これにより、従来診断が難しかった手足のしびれや麻痺などの神経症状をもつ脊髄障害の患者に、より効果的な診断・治療が適用できることが期待できるという。脊椎変性疾患で脊髄が靭帯などに圧迫され、神経信号の伝搬が阻害されると手足の麻痺やしびれなどの症状となって現れる。このような症状について、従来の神経学的所見やMRIなどの形態的な画像情報だけでは、障害箇所を正確に特定することが困難な場合が多い。だが脊髄機能イメージングによって神経が正しく機能しているかどうかを直接観ることができれば、より正確な原因部位の特定が可能となる。

 脊髄磁場計測による頚部脊髄機能イメージングの例。脊髄傷害部位で神経信号が遅くなり、弱くなるのがわかる。

脊髄磁場計測による頚部脊髄機能イメージングの例。脊髄傷害部位で神経信号が遅くなり、弱くなるのがわかる。



脊髄損傷理学療法マニュアル
岩崎 洋
文光堂
売り上げランキング: 95996


脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ
サンドラ ブレイクスリー マシュー ブレイクスリー
インターシフト
売り上げランキング: 13798