Archive for 4月, 2010

NEDO、ロボット産業は2035年には9.7兆円まで成長と予測

ロボット産業の将来市場予測

ロボット産業の将来市場予測

NEDO:ロボットの将来市場予測を公表.

NEDOは、ロボット産業の将来市場についての推計を発表した。ロボット産業の将来市場は、2020年には2.9兆円、2035年には9.7兆円まで成長すると予測している。サービス業等の各分野のロボットごとに、類似製品の普及や価格に関するモデルを用いた検討を行った。

現在は産業用ロボットを中心に7千億円程度の市場(2005年度実績)だが、製造業を始めとした現在市場が形成されている分野の成長に加え、サービス分野を始めとした新たな分野へのロボットの普及が見込まれるとしている。

市場予測2


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火星から見た地球

Credit: NASA/JPL/Cornell/Texas A&M

引用元: Earth From Mars on Flickr – Photo Sharing!.
2004年3月8日に火星探査ローバー「スピリット」が、火星から撮影した地球の姿です。

夜明け一時間前の火星の空に輝く地球の姿。


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太陽観測衛星「SDO」が撮影した太陽活動の画像

太陽観測衛星「SDO(Solar Dynamics Observatory) 」が撮影した画像をNASAが公開。

ナショナルジオグラフィックの
SDO観測開始:波打つ太陽表面
SDO観測開始:印象派の太陽?

などでも解説されてますが、これを機会に「太陽」という恒星について知りたい人にはやはり本をおすすめします。


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浜松科学館で活躍中の案内ロボット「ブルー夢」&お話ロボット

浜松駅から徒歩10分弱の場所にある浜松科学館で活躍中の案内ロボット「ブルー夢」を取材してきました。

ぼやきながら動き回ったり、タッチパネルでいろいろゲームができるほか、非接触ICカードを使った「ブルー夢カード」を使ってちょっとしたことができたりします。

もちろん自動充電も可能。

中身はALSOKの案内ロボット「An9-PR」。今回はロボットの安全性に関する取材の一環ということで、ALSOKに取材対応してもらったものです。記事は「ロボコンマガジン」に掲載される予定です。

おまけ。

浜松科学館はこれまでにもロボット導入に積極的だったようで、入り口には「お話ロボット」がいます。これがかなり気になるロボットでして、空圧でプシュプシュ動いて、胸のCRTディスプレイと音声を使って三択で質問してきます。カメラもついていて、こちらの写真を撮ったりもします。本当は、これの詳細を伺いたかったところです。

動画を撮ったときには誰もいなかったんですが、来館したときには多くの子供たちに囲まれていました。
怖がる子もいる一方で、すごく惹き付けられる子もいるようです。

たぶん、筑波万博の頃に作られたものではないでしょうか。全国にこういうロボットの同類がいると思うんですよね。もうなかなか難しいでしょうけど、こういうものについてまとめた資料が一つくらい欲しいところです。


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火星探査ゲームで人間とロボットのインタラクションデータを収集 MIT

Play Mars Escape

引用元: Mars Escape.

MITメディアラボの「パーソナルロボットグループ」が、社会的なロボットの研究のために「Mars Escape」という火星探査ゲームを提供しています。ナチュラルな人間の社会的インタラクションを観察し、チームワークのデータを集めるためとのこと。

ゲームは二人用で、プレイヤーはロボットか人間になります。相手はネットワーク上から任意に決まります。人間ではないこともあるようです。

MacでもWindowsでも試せます。私も取りあえずやってみました。
これがゲームの起動画面。

ゲーム画面

チュートリアルは難なくこなしたんですが、本番はなんだか良く分からなかった、というのが正直なところ。

ともあれ、簡単に試せるので興味がある方はやってみては。

日本の研究者たちによる「社会的知能発生学」研究用シミュレーションプラットフォーム「SIGVerse」なんかもこういうことをやりたいのかもしれませんね。



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体細胞クローン豚「ゼナ」、約10年で寿命を終える 異種移植研究用のクローン豚

体細胞クローン豚「ゼナ」の誕生時(左:体重1.2kg)  と9歳時(右:体重約180kg)の写真

体細胞クローン豚「ゼナ」の誕生時(左:体重1.2kg) と9歳時(右:体重約180kg)の写真

農業生物資源研究所 – プレスリリース – 世界最高齢の体細胞クローン豚「ゼナ」約10年で寿命を終える – 体細胞クローン動物が必ずしも早死にではないことを示す -.

(独)農業生物資源研究所とプライムテック(株)、(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所は、体細胞クローン豚「ゼナ」(雌、品種:梅山豚(メイシャントン))を飼育してきた。

「ゼナ」は、世界で2例目、日本で初めて誕生した体細胞クローン豚として、2000年7月2日に誕生。順調に発育して14頭の正常子豚を出産し、正常な繁殖能力を示した。3月18日に9年8か月の生存期間を記録し、寿命を終えた。

体細胞クローン動物の寿命については、世界初の体細胞クローン羊「ドリー」が6年 7か月で死亡したことから、短命ではないかとの議論がある。だが、その後の研究で体細胞クローン動物と通常の動物で「テロメア(染色体の末端に位置し、染色体を保護する役目を持つ)」の長さに差違はなく、誕生時に老化は生じていないと考えられている。

また、世界初の体細胞クローンマウス「キュムリナ」 は2年7か月で死亡しており、その寿命は通常のマウスと同等だった。

そして今回、「ゼナ」が約10年間、正常に発育・生存したことから、体細胞クローン技術により誕生した動物が必ずしも早く死ぬわけではないことが示されたとしている。

なお豚は、多くは生後半年で食肉として出荷され、繁殖用とされる種豚であっても3~4年で更新されることから、正確な寿命は分かっていない。日本で飼育されてきた梅山豚の生存期間として10年以上のものは確認されていないという。

今後については、(独)農業生物資源研究所は、プライムテック(株)と共同で、体細胞クローン技術と遺伝子組換え技術を組み合わせて、2003年に緑色蛍光タンパク質(EGFP)を発現する遺伝子組換え豚を開発している。現在までに移植時に臓器が拒絶されにくい豚など、10種類の遺伝子組換え豚を開発しており、医療研究用モデル豚の開発に積極的に取り組んでいるという。

今後は更に、ヒトiPS細胞の安全性評価などに欠かせない再生医療研究用モデル豚や動脈硬化・高脂血症等の疾患モデル豚の開発を進めていくとしている。


さて、この異種移植用の研究の一環として誕生した体細胞クローン豚「ゼナ」ですが、私は、この豚が生まれてしばらく経った頃(2001年1月)に取材に行き、実際に見せてもらったことがあります。ずいぶんと人懐っこいブタだったことを今でもよく覚えています。

せっかくですのでここにそのまま当時の原稿を再録しておきます。なお実際に掲載された原稿は多少手を入れていますのでこれとは違います。

あくまで2001年当時の記事ですので、内容はかなり古いことをご了承ください。

体細胞クローン豚作出の概略図

体細胞クローン豚作出の概略図

 その黒豚は実に人なつっこかった。柵のそばまで駆け寄ってきて、鼻をすりつけてくる。豚というより、まるで飼い犬のようだ。「飼い主」である農林水産省畜産試験場の大西彰さんは「一頭だけ別にして飼ってるからね。自分をブタだとおもってないんじゃないかな」と笑って紹介してくれた。

 もちろん、ただの豚ではない。新聞紙面を騒がしたことも何度もある、国内初の体細胞クローン豚である。名前はゼナ。Xenotransplantation、すなわち「異種移植」から取られた名前である。

 異種移植とは読んで字の如し、ヒト以外の動物から臓器を移植することだ。歴史的には1964年に行われたチンパンジーからの心臓移植を皮切りに、ヒヒの心臓を移植された「ベビー・フェイ」など(1984年)、何度も試験的に行われてきた。

 だがヒト同士の移植すら難しいのに、異種からの移植が簡単に進むわけはない。異種からの臓器を移植すると免疫系の働きにより通常の拒絶反応とはまた違った「超急性拒絶反応」という激しい拒絶反応が起こってしまう。数分も経たないうちに臓器が破壊されていってしまうのだ。

 だが現在、圧倒的な臓器不足と科学的基盤の高まりを背景に、異種移植技術は急速に現実味を増しつつある。
 その臓器元のターゲットが、ヒトとほぼ臓器のサイズが同じで、大量飼育の技術が確立しているブタなのだ。クローンブタ「ゼナ」も異種移植の基盤技術として注目されているのである。

 クローン技術と異種移植技術。この二つはどのように関連しているのか?

 まずは、異種移植の説明から始めよう。異種移植を阻む超急性拒絶反応は、豚の臓器細胞の表面にある「αガラクトース抗原」というものにヒトがもつ抗体が結合し、それが血清中に含まれる「補体」と呼ばれるタンパク質の反応をカスケード状に引き起こすことによって起こる。

 ブタの臓器をヒトに移植したとする。ブタの細胞表面にあるαガラクトース抗原を「発見」した抗体は、ただちにブタ臓器を異物として認識し、免疫系の活動が始まる。抗体は抗原に結合し、抗原=抗体複合物を作る。いわばこれが目印となって、補体の反応を次々と引き起こしていくのである。まず血管壁が破壊され、血液凝固が始まり、臓器への血流が止まり、ついには臓器は死滅してしまう。

 補体は本来、細菌の感染からわれわれの体を守ってくれる重要なタンパク質なのだが、異種移植を可能にするためには、この反応を止めなければならない。手法は大別すると以下の3つである。

1)ブタ臓器を異物としているαガラクトース抗原をなくす。
2)補体の反応を止める。
3)抗体と補体の反応を止める。

 一つ目はブタの遺伝子をノックアウトし、αガラクトース抗原を壊してしまうという手法。二つ目は補体そのものの反応を止めてやる手法。三つ目は、ヒトの抗体がブタ臓器に結合しても、そこから先の反応、つまり補体を介した反応が進まないようにするという手法である。体には、自己細胞に対する反応をコントロールすために補体制御蛋白と呼ばれるタンパク質がある。それをブタに入れてやるのである。つまり、ヒトの補体制御タンパクを持ったブタ、ヒト遺伝子を入れたトランスジェニック・ブタを作ろうという話だ。 既にこのブタは誕生している。

 大西さんは1と3の手法を組み合わせた、いわば「ノックアウト・トランスジェニックブタ」ができるといいですね、と語る。

「やることはもう見えているんです。問題は、きちんとノックアウトできるかどうか。そういう系がちゃんと細胞レベルで作れるかどうか。その次はそれが個体としてちゃんと成長するかどうか。そういったレベルの問題です」

 もし、抗原をノックアウトし、補体制御蛋白をうまく挿入したブタがいったん誕生したら──。そして、もしそれをクローン技術で増やしてやることができれば──。臓器移植用養豚場の誕生である。体細胞クローンブタ・ゼナの誕生は、その基本技術の一つとして必須のものだったのだ。ブタの臓器をヒトに移植する──。異種移植は、決してサイエンス・フィクションではないのである。

 だが体細胞クローンブタは、異種移植のためだけに生まれたわけではない。

「畜産上の意味でいいますとね、優良種豚を複製して増やしていきたいと。
 もう一つは、卵子の保存方法とか精子の保存方法とかが、ブタはできてるようでできてないんです。そこを確立したいんですよ」

 たとえばウシでは、ほとんどが人工授精で誕生し、既に受精卵クローンが市場に出ている。選びに選び抜かれた雄牛の精子だけが交配に使われ、それによって良い牛が生産されてきた。

 ところがブタの場合、一頭一頭の能力そのものよりも、全体の平均値が重視されていたのだという。

「そうなるとね、高度な繁殖技術は必要ないわけですよ。だから今まで研究者もあまりいなかった」

 それに、ブタの卵細胞は油が多く凍結に適さない、顕微受精の操作が難しいなど様々な困難があった。そもそも体も大きく、肉体労働面でも大変だ。そのため研究者たちにも敬遠されていた。

 ところがそこに異種移植のニーズが登場した。突然、高度な生殖技術が必要とされることになったのである。
「だから結構つらいことになっている」と大西さんは笑う。一言でクローン作出といっても種によってノウハウ、テクニックの部分は全く違い、実際の場数が要求されるのだ。

 大西さん自身は、現時点では全ての要素、全てのニーズを視野に入れて、ブタを扱う技術を磨いているという。
「養豚もね、企業養豚っていって、規模がどんどん大きくなってましてね。農家数は減っているんだけど、ブタの頭数は減ってないんです。従来の肉生産だけでは産業として難しくなっている。これからは従来とは違う分野、異分野との提携も重要になってくるでしょう。一人の畜産人としては、そこに応えないといけない。そして、異分野からの要求に応えるためには基礎技術がしっかりしてないといけない。僕の基本的考え方は餅屋は餅屋、ですから。基盤的な、古い技術をしっかりさせたいんです」

 体細胞クローン技術は誕生したばかりで、科学的にはまだまだ不明な点も多い。現在、体細胞クローンブタは大西さんのものも含めて世界で3例誕生している。ところが、3例とも手法が違うのだという。

「だから3つの手法を比べてみると面白いと思う。そうすると本質がわかるはずです。本当に必要なものは何なのか」

 異種移植、クローン技術、そして畜産技術の今後──。この3つを背景にして誕生した一頭の豚。外見は、どこから見てもブタはブタである。そのブタが、複雑に絡み合う先端科学を象徴していた。


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かづひ氏とロボット情報サイト「GetRobo」、「RoboGames」をUstream中継予定

GetRobo Blog: RoboGamesを日本語でUstream中継します.

シリコンバレー在住の影木准子氏による海外ロボット情報サイト「GetRobo」と、木製フレームのロボット製作などユニークな活動で知られているかづひ氏が共同で、アメリカで行われる「RoboGames」のUStream中継を行うとのこと。

日時は、
・日本時間の4月24日(土)午前8:00からと、
・翌日25日(日)の午前4:00から
の2回。

チャンネルはrobogames2010jp

いまは予告ビデオが見られる。

「GetRobo」によれば

RoboGamesは競技種目の数で世界最大のロボット大会ですが、一番の目玉はCombat(戦闘)ロボットです。以下は昨年、最重量級で優勝した重さ150kgを超えるロボット、ZIGGY。再会が楽しみです。

とのこと。


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スペースシャトル「ディスカバリー」着陸の様子(動画)


“Welcome Back!” Discovery Lands Safely at Kennedy

ネット中継で見た人も多いと思いますが、NASA TVから。
8分弱。


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訃報:多田富雄さん 76歳

訃報:多田富雄さん76歳=東京大名誉教授 – 毎日jp(毎日新聞).

国際的な免疫学者でエッセーや能の作者としても知られた東京大名誉教授の多田富雄(ただ・とみお)さんが21日、前立腺がんのため死去した。76 歳。葬儀は近親者のみで行う。「偲(しの)ぶ会」を6月18日午後6時半、東京都千代田区丸の内3の2の1の東京会館で開く。喪主は妻式江(のりえ)さ ん。

多田さんは茨城県生まれ、千葉大医学部卒。東京理科大生命科学研究所長、国際免疫学会連合会長などを務めた。

71年、免疫細胞の一つで、免疫反応にブレーキをかけるサプレッサー(抑制)T細胞を発見。T細胞はそれまで体内に入った細菌などに対し、抗体を 作るアクセル役と考えられていた。従来考えられていたT細胞とは逆の働きをする抑制T細胞を発見することで、アレルギーなど免疫疾患の治療に道を開き、世 界中の反響を呼んだ。

『免疫の意味論』で著名な多田富雄氏が亡くなったとのこと。


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多孔性金属錯体のナノ粒子を簡便に合成、ガス分子を取り込む仕組みを明らかに

分子の取り込みにより構造を変える多孔性金属錯体のイメージ図。ゲスト分子の吸着に伴い細孔は押し広げられる。

分子の取り込みにより構造を変える多孔性金属錯体のイメージ図。ゲスト分子の吸着に伴い細孔は押し広げられる。

1つずつ分子を取り込む固体材料のナノ粒子化に成功 -ナノサイズの固体物質、ガス分離材料に新たな知見- — 京都大学.

京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)の北川進 副拠点長と、ドイツアーヘン工科大学ドイツ・ウール研究所(DWI)の田中大輔 博士と ユルゲン・グロル博士らの研究グループは、環境負荷の少ない分離プロセス技術の開発などに大きく貢献できる可能性がある技術の開発に成功した。固体中に存在するナノサイズの細孔の形が変形して効率よく小分子を取り込む物質の特性を調べ、その粒子サイズを極限まで小さくすることで、分子を取り込む強さをコントロールする事に成功したという。均一なナノ粒子ではバルクと比べガス分子の吸着挙動が大きく変化したことも明らかにした。イギリスの科学誌「Nature Chemistry(ネイチャー・ケミストリー)」オンライン速報版で公開される。

今回、研究グループは、分子の取り込みにあわせて細孔の形を変える「ナノ孔物質」の合成および微粒子化を行い、粒子サイズと分子を取り込む仕組みの相関を解析した。

約1nmサイズの規則的な細孔を持つ「多孔性金属錯体」の中には、ガス分子を取り込む際に細孔の形をガス分子にあわせて包み込むように変化させるものが存在する。このように、ターゲットとなる分子にあわせて分子レベルで孔の構造が変わる物質は、排気ガスに含まれる二酸化炭素などの温室効果ガスや窒素酸化物(NOx)のような有害な小分子を効率的に取り込む分離剤として注目されている。

しかし一方で、孔の形が変形する際に重要となるファクターは未だ明らかにされていない。また分離に向けた精密な材料設計の指針を立てることは困難だった。

今回の研究では、新たに開発したナノ~メゾ領域(5~100 nm)の粒子サイズの合成手法を用いることで、多孔性金属錯体のナノ粒子を簡便に合成することに成功し、ガス分子を取り込む仕組みを明らかにした。

アーヘン工科大学DWIの研究グループは今回、界面活性剤を用いてナノサイズのエマルジョンを作成し、その内部を反応場として多孔性金属錯体ナノ粒子を合成した。特に、この反応溶液に超音波を照射することで、通常は1日程度かかる反応時間を10分以下に短縮することに成功した。

従来の合成方法(左)と本研究で開発した合成手法(右)。界面活性剤と超音波照射を併用して、反応溶液をエマルジョン化し、内部を反応場とすることで均一なナノ粒子の合成することができる。

従来の合成方法(左)と本研究で開発した合成手法(右)。界面活性剤と超音波照射を併用して、反応溶液をエマルジョン化し、内部を反応場とすることで均一なナノ粒子の合成することができる。

京都大学のグループは、今回合成したナノ粒子と従来の手法で合成した 0.1mm程度の大きな粒子サイズを持つ物質のガス吸着挙動を評価、比較した。その結果、ナノ粒子は従来知られていた相とは異なる中間状態を経由して、格段に早く構造を変化させ分子を取り込むことを発見した。

吸着速度の変化の様子。均一なナノ粒子化した多孔性金属錯体はバルク錯体と比較し、ガス分子は迅速に細孔内へ吸着され、応答速度は非常に速くなる。

吸着速度の変化の様子。均一なナノ粒子化した多孔性金属錯体はバルク錯体と比較し、ガス分子は迅速に細孔内へ吸着され、応答速度は非常に速くなる。

今回の研究では固体材料の粒子サイズをナノレベルまで微小化するだけで、分子を包み込む強さと速さが大きく変わることを示した。粒子サイズが不揃いであると細孔への吸着速度も遅い部分が生じてしまう。均一ナノ粒子化したことにより、ガス分子は迅速に細孔内へ吸着され、非常に速い応答速度を得ることに成功したのだという。

また分子を取り込む強さも粒子サイズによって変化することが示された。粒子のサイズを変えるだけで吸着挙動が大きく変わる性質は、他の吸着剤では報告されていない。これはこの研究で明らかとなった多孔性金属錯体特有の非常にユニークな特性であり、これまで分離が困難であった小分子ガスを簡便に除去する技術開発への応用が期待できるという。

また従来の多孔性金属錯体の合成法では、高温、高圧を要求する過酷な反応条件や、数日を要する長い合成時間を必要としていたため、この材料のナノ粒子化を実現するのが難しく、その基礎的な分子吸着特性に関する研究も充分に行えなかった。今回開発した界面活性剤と超音波照射を併用する方法は、従来の手法で制約となっていたナノ粒子調製の制約を大きく緩和させる。この手法を用いることで、今後より多くの多孔性金属錯体ナノ粒子の特性が研究されていくことが期待できるとしている。


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