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NPO法人国際レスキューシステム研究機構、千葉工業大学fuRo、東北大学は、災害対応支援ロボット「Quince(クインス)」を千葉工業大学でプレス公開した。

地下街や高層ビルで起こりうる危険物質漏洩や化学剤によるテロなどの「CBRNE災害(化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Radiological)、核(Nuclear))」の際に、救助活動のための情報収集を行うためのロボット。長さ655mm,幅481mm,高さ225mm。重さは26.4kg(標準、オプションなし)。

標準装備されているのは前・後・俯瞰の広角カメラとマイク、スピーカ、段差検出用のPSDセンサ。そのほかパンチルトズームカメラ、ドア開け用のマニピュレータ、赤外線サーモグラフィ,レーザーレンジファインダーなどは、研究用途に合わせてオプションとなる。

2015年ごろの実用化を目指すNEDOの「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」での一環として2006年から開発を続けて来たもので、以前に発表された「Kenaf(ケナフ)」の後継機にあたる。車輪の径を変えたり内部の構造などを工夫することで、外部カメラと無線LANアンテナ以外の部品を本体内部に内蔵。走行性能、耐衝撃性や防水・防塵効果を高めた。スタックしにくいような工夫も施されている。ボディは「ケナフ」よりも少し大きく、重たくなっている。走行速度はケナフが0.7m/sだったが、Quinceは1.6m/sで走れる。

バッテリーは業務用テレビカメラのものを採用することで、満充電のまま飛行機への機内持ち込みも可能となった。およそ2時間程度保つように設計されているが、実際に走行させた感じでは4時間程度保つという。

操作は、フリッパーアームを個別に手動で動かすこともできるが、基本的に半自律で、人間が指示した方向に合わせて段差に合わせてアームを動かして踏破していくことができる。

残念ながら防水性能や耐衝撃デモは特許出願の都合で行われなかったが、緩急が左右で違うため滑ってずれやすい螺旋階段や、ランダムブロックフィールド上を走行する様子、レーザーレンジファインダーを使ってマッピングする様子や、様々なロコモーションで移動する様子などがプレスに紹介された。

カメラのロッドと無線LANアンテナはやはり飛び出ているので、一見、脆弱に見える。だがデモ終了後、実際に「クインス」がひっくり返ってしまうのを目撃したのだが、それでもアンテナ部分、カメラ部分のロッドは折れていなかった。そのほか、細かいところにも改良が施されているようだ。ただし高温環境にはまだ弱いようで、そこは改良の余地があるという。

今後一年ほど実証実験を通してまた問題点を洗い出して行き、実用化を目指す。またレスキューロボットの性能の規格化にも参画していくという。



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