ダイヤモンド半導体を用いた紫外線LEDの高出力化に成功 どこでも使える殺菌灯実現に
ダイヤモンドLEDの発光の写真。紫外線は見ることはできないが、同時に発光する弱い可視光の発光が見える。
引用元: 産総研:ダイヤモンドLEDで殺菌を確認.
独立行政法人 産業技術総合研究所エネルギー技術研究部門の山崎 聡 主幹研究員および電力エネルギー基盤グループの牧野俊晴研究グループ員らは独立行政法人 物質・材料研究機構と株式会社シンテックの協力の下、ダイヤモンド半導体を用いた紫外線LEDの高出力化に成功し、岩崎電気株式会社 技術研究所と共同で、大腸菌の殺菌を確認したと発表した。紫外線発光するLEDはまだ実用化していないが、水銀を使わない紫外線LEDの開発ができれば、どこでも簡便に使える殺菌灯として応用できるという。
ダイヤモンド半導体は究極の半導体とも呼ばれており、産総研では電子デバイス応用を目指した研究開発を進めている。特に励起子と呼ばれる状態を使った新原理で235 nmの波長をもつ紫外線の光を発するLEDの開発を進めている。今回、ダイヤモンドの品質の向上とデバイス構造を改良することにより、実用化に近づく0.3 mWの発光出力を持つ「ダイヤモンドLED」の開発に成功し、実際に大腸菌を殺菌することを確認した。
LEDは、n層、i層、p層からなる3層構造。チタン電極を裏側は全面に、また、表側は直径0.15 mmの円状に堆積した。発光層であるi層にn層側からは負の電荷をもった電子が流れ込み、p層側からは正の電荷をもった正孔が流れ込み、励起子と呼ばれる電子と正孔のペアーが生成される。ダイヤモンドLEDはこの励起子が消滅するときにi層で発生する光を利用する。一般のLEDは負の電荷をもった電子と正の電荷をもった正孔が直接消滅するときの光を利用するのに対し、ダイヤモンドLEDは励起子を利用した新しい原理のLEDであるという特徴を持っている。 量子効率は0.01%程度。
今後はデバイス構造を改良することにより、発光強度をさらに増強していく。どこでも使える殺菌灯の実用化を目指すという。なおこのデバイスは2010年2月17日から東京ビッグサイトで開催されるnano tech 2010国際ナノテクノロジー総合展・技術会議において展示される。
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