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ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)によるノックアウトラット作製法

ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)によるノックアウトラット作製法

新しい遺伝子改変技術「ジンクフィンガーヌクレアーゼ」を利用してIl2rgノックアウトラット(XSCIDラット)の作製に成功 — 京都大学.

京都大学大学院 医学研究科 附属動物実験施設、真下知士 特定准教授、芹川忠夫 教授らの研究グループは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)という新しい遺伝子改変技術により、ノックアウトラットを作製することに成功したと発表した。

作製された「XSCIDラット」は、重症複合免疫不全症(SCID)の病態を示したことから、今後、がん研究、幹細胞移植研究、創薬研究などに幅広く利用されるモデル動物になることが期待されるという。2010年 1月25日「PLoS ONE」で公開される。

* 論文名
Generation of Knockout Rats with X-Linked Severe Combined Immunodeficiency (X-SCID) Using Zinc-Finger Nucleases
「ジンクフィンガーヌクレアーゼを用いて作製したX連鎖重症複合免疫不全症(X-SCID)ノックアウトラット」
真下知士1、滝澤明子1、Voigt Birger1、吉見一人1、日合弘2、庫本高志1、芹川忠夫1
1京都大学大学院医学研究科附属動物実験施設、2滋賀県立成人病センター研究所

ジンクフィンガーヌクレアーゼによる遺伝子改変技術には、以下のようなメリットがあるという。

  • * 通常、4~6ヶ月の短期間でノックアウトラットを作製することができる(ES細胞によるノックアウト動物作製は、約12~18ヶ月)。
  • 効率的に遺伝子変異ラットを作製することができる(ファウンダー動物の約20%以上)。
  • あらゆる系統(バックグランド)に、遺伝子変異を導入することができる。
  • 様々な種類の変異を導入することができる。培養細胞の条件下では、相同遺伝子組換え(ノックイン)も可能である。
  • 胚操作技術が可能な中大動物(ブタ、牛、サルなど)でも利用することできる。

XSCIDマウスは、T細胞、B細胞に加えて、腫瘍細胞や移植細胞に対する免疫機能に重要な働きを持つナチュラルキラー(NK)細胞を欠損している。ラットは、体の大きさがマウスの約10倍あり、生理学、薬理学、移植研究などに多用されているが、ES細胞による遺伝子改変技術がないことから、これまではT細胞、B細胞を欠損し重度の免疫不全を呈するモデル動物であるSCIDラット、XSCIDラットを作製することができなかった。

この研究により作製されたXSCIDラットは、がん研究、幹細胞移植研究、創薬研究などに幅広く利用されるモデル動物になると期待されるという。