葉の気孔数を制御する「ストマジェン」を発見 京都大学
左からストマジェン発現抑制株、野生株、ストマジェン過剰発現株。スケールバーは50μm.
葉の気孔の数を増加させる因子の発見~CO2削減や食糧増産へ向けて~ — 京都大学.
12月10日、京都大学の西村いくこ 理学研究科教授らの研究グループは、植物の気孔の数を増加させるシグナル因子を世界で初めて発見し「ストマジェン」と命名したと発表した。
ストマジェンは45個のアミノ酸からなる小さなペプチド。植物にストマジェンを過剰に作らせると気孔がたくさん増え、逆にストマジェンを作る 能力を弱めると気孔が減ることが分かった。ストマジェンは気孔の数を調節する機能を担っていると考えられる。成果は科学雑誌「Nature」のオンライン速報版で公開された。
気孔
植物は大気中からCO2(二酸化炭素)を吸い込んでいる。吸い込み口が気孔だ。研究グループは、モデル植物である「シロイヌナズナ」の遺伝子発現データベースを用いることで、新しいペプチド性因子「ストマジェン」を発見した。研究グループではこの因子に、気孔(stoma)を生み出す(generation)因子という意味をこめ、「ストマジェン(stomagen)」と命名した。
ストマジェンは植物がもともと持っている因子だが、化学合成したストマジェンを含む溶液に植物を3日間つけるだけでも気孔の数が劇的に増加した。外から物質を投与することで気孔の数の制御に成功した世界で最初の例だという。
植物に与えるだけで気孔の数が増えることから、遺伝子組み換えに頼ることなく、様々な植物のCO2吸収能力を上げることが可能になるという。CO2吸収が増えるとデンプンや油の物質生産量も上がるため、世界的な人口増加による食糧不足問題解決への貢献も期待できるとしている。
ストマジェン投与3日後の気孔(左:無処理、 右:ストマジェン2μM処理).
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