ニューロン数が制御される仕組みの一端が明らかに
東京大学分子細胞生物学研究所の平林祐介氏らは、神経幹細胞がニューロン産生を止める時期の決定に、「ポリコーム分子群」が役割を果たしていることをマウスを使った実験で明らかにした。米科学誌Neuronに発表した。
神経細胞のネットワークを正確に構築するためには、素子であるニューロンの数の制御が重要になる。ニューロンは発生期の一時期に「神経幹細胞」から作られる。その期間が長過ぎるとニューロンが過剰になり、短ければニューロンが不足する。そのタイミングが「ポリコーム分子群」によって制御されていることが明らかになった。
神経幹細胞は発生が進むとニューロンを生み出す能力を失い、グリア細胞のみを産出するようになる。ところがポリコーム分子群を構成する分子を無くした神経幹細胞は、発生が進んでも過剰にニューロンを生み出し続けた。
今回の成果は、幹細胞が様々な細胞を産み出す仕組みの解決に繋がり、また将来、ニューロンが失われる疾患に対する幹細胞を使った治療の実現にも貢献する可能性があるという。
引用元:ポリコームタンパク質群は大脳皮質神経系前駆細胞のニューロン分化能を抑制し、ニューロン産生期からアストロサイト産生期への転換を促進する
Neuron 63, 5, 600 – 613 (2009).
Comments are closed.




