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　研究：運動の学習と制御の神経機構、脳内の時間順序表現メカニズム
　著書：小脳における上肢随意運動の学習機構の解明．
　　　　『ブレインサイエンスレビュー2001』（伊藤正男，川合述史編／医学書院、2001:216-243.）
　　　　到達運動の制御と学習の神経機構．
　　　　『脳の高次機能』（丹治順，吉澤修治編／朝倉書店，2001:106-118.）

　研究室ホームページ：http://www.med.juntendo.ac.jp/kenkyu/09index.html（建設予定）

　研究内容の参考になるウェブサイト：
　　▼ＨＦＳＰ NewsLetter No.13　―多才な運動を実現する脳の機構の解明へ―
　　 http://jhfsp.jsf.or.jp/news/letter/no13/nl-05.html
　　▼ＨＦＳＰ NewsLetter No.17　―ノイズが開く運動制御の可能性―
　　 http://jhfsp.jsf.or.jp/news/letter/no17/nl-03.html
　　▼AIST Research Hot Line　手の交差で時間が逆転　―脳の中の時間―
　　 http://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/vol01_06/vol01_6_p12.pdf

○腕をコップに向けて伸ばす、このような運動を「到達運動」と言います。このとき、脳のなかでは腕を制御するためにある種の計算が行われていると考えられています。ではそれはどのような規範に基づいているのでしょうか。北澤先生はこのような運動制御における小脳の役割について研究しておられます。
　また、北澤先生は実に不思議な現象を発見しました。右左の手をポンポンと叩く。どちらが先に叩かれたのかは、目をつぶっていても分かります。ところが、腕を交叉するとこの時間順序の判定が逆転するというのです。これはいったい何を意味するのでしょうか。
　身近な身体に関する研究の話です。不思議なことは私たちのすぐそばにいくらでもあるということを感じて頂ければと思います。（編集部）

CONTENTS

• No.01
  • [01: モノに手を伸ばす運動　〜「躍度最小モデル」と「トルク変化最小モデル」]
  • [02: 混沌としたものの中に単純な原理が隠されていることへの驚き]
  • [03: 小脳が運動を最適化している]
  • [04: 登上線維シグナルのプルキンエ細胞への入力は何をしているのか]
• No.02
  • [05: 登上線維シグナルは運動開始の補助信号なのか、運動の誤差信号なのか]
  • [06: 運動の開始時には、行く先の情報を伝える]
  • [07: シグナルが出ないときには何を意味している？]
• No.03
  • [08: 期待値からのズレを修正するシグナル？]
  • [09: 行く先と誤差も実は同じ？]
  • [10: スムースな最適化された運動はどうやって選ばれるのか]
• No.04
  • [11: 手先がバラついてしまう条件下での終点誤差を最小にするための運動とは]
  • [12: 目のサッケードにも応用できる]
  • [13: 「ランダム・ウォーク仮説」]
• No.05
  • [14: ランダムウォークする複数のコンポーネントの和]
  • [15: 平均するとけっこううまくいく]
  • [16: 人工小脳計画]
• No.06
  • [17: ロボットアームを脳のシグナルから動かす]
  • [18: 複数のコントローラーを足して使うことで個々の能力を超えた性能を出す]
  • [19: 随意運動の信号はどこで作り出されているのか、まだ分からない]
  • [20: コントローラを構成するサブコントローラ]
• No.07
  • [21: 小脳と言語の関係]
  • [22: 朗読を聴くとき、男性は左脳中心、女性は両側]
• No.08
  • [23: 時間順序と運動最適化の問題の関係]
  • [24: 時間順序を決めているのは右脳か左脳か]
• No.09
  • [25: 腕をクロスすることによる時間順序逆転]
  • [26: 動き投影仮説　時間順序は、あとから再構成される]
• No.10
  • [27: 時間順序を決めている部位は]
  • [28: 「未来」が「過去」を変える]
  • [29: 知覚はあとで再構成される？]
• No.11
  • [30: 止まる秒針、止まる時間]
  • [31: 脳のなかの身体表現]
• No.12
  • [32: 報酬そのものではなく報酬の「予測誤差」を表現するドーパミンニューロン]
  • [33: 一番大事なことは「脳が何を報酬と思うか」]
• No.13
  • [34: 脳を変えるのは予測誤差]
  • [35: 脳はみるみる変わることがある]
  • [36: 脳は、なぜ今の脳のかたちになったのか]

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