最近、猥褻画像やネズミ講など、ネット絡みで逮捕される事件が増えてきた。警察が、ネットの取り締まりに積極的になってきた証拠である。これまでも逮捕事件は度々起こっていたが、最近、「ちょっと変わり始めたな」と感じる。これまでは警察も、とにかく訳も分からず取り締まっているという感じだったが、ネットの中のことをちゃんと判っている人達が動き始めた、という感触を得ている。
どうも噂通り<ネットパトロール>がいるらしい。おそらく、彼らが成果を挙げ始めたということなのだろう。警察庁の広報に取材を申し込んでみた。答えはこうだった。「申し上げられることはホームページに掲載されていることくらいですね」。門前払いである。無理もないことかもしれない。だが、警察がどういう動きをしているか、一般市民としては知っておきたいように思う。この件に関して、何か情報をお持ちの方がいらっしゃったら是非お知らせ戴きたい。
そんな中、プロバイダなど約400社の通信関連会社からなる業界団体「テレコムサービス協会」は、猥褻画像防止に関する自主規制のガイドラインをまとめた。これは自主的な動きであり、同時にスパムなどへの対策も含んだ、プロバイダの自衛の意味もあるものだから、まあいいだろう。一方、静岡県では県警の指導により、プロバイダ22社が、「プロバイダ生活安全協議会」なるものを作った。こちらは、県警が指導したというのが非常に気になる。現在は特に県警からどうこう言う、ということはないようだが、こうしてネットの中もだんだん窮屈になっていくのだろうか。
人が集まるところ、犯罪は起きる。ネットの中の犯罪を、警察はどのように抑止していこうとしているのか。個人的には、猥褻画像提供者がいくら取り締まられても別に構わない。だが、警察がどの程度まで規制をかけてこようとしているのか、目を離すことはできない。
現実社会での暮らし方同様、ネットの中でも、我々「市民」は、自分自身の「暮らし方」を考えていかなければならない。
* 警察庁 http://www.npa.go.jp/
* 静岡県警 http://www.wbs.or.jp/cmt/kenkei/html/home.htm
* テレコムサービス協会のリリース http://www.telesa.or.jp/release.html
(森山 和道/フリーライター/moriyama@moriyama.com / http://www.moriyama.com/)