今年を表す一文字は「倒」と決まった。「倒れる」と読むか「倒す」と読むかで随分イメージが変わる1文字である。
さて、通産省は、平成9年9月の特定サービス産業動態統計・月報を発表した。詳細は情報サービス産業協会のページ(http://www.jisa.or.jp/static/government-j/sep97-j.html)をご覧頂きたい。一言で言えば、情報サービス業の9月の売上高は5902億円で、前年同月比13.5%の増加と好調。情報化+通信への投資はしばらく続きそうである。
このグラフも上がったり下がったりしているし、プロバイダーなどの倒産もあいついでいるが、「業界全体」でみると、「倒れる」という言葉はいまのところ関係ないようだ。少なくとも、この業界に新規で参入してくる人間は、みな基本的に「倒す」つもりだろう。
ひたすらに好調なのは「ソフトウェアプロダクト」、要するにソフトウェア制作関連だが、これから大いに期待されるのが「データベースサービス」の伸びだ。これは通常言われるところ企業情報などを指すのだが、同時にメディア情報(TV視聴率調査)なども含まれている。これからのデータベースサービスは、単に数値を出してグラフを提出するだけではない。さらに細かい分析や、より目的を明確化した呈示方法などが必要とされてくるだろうからだ。例えばTVの例で言えば、個人視聴率など、より細かいデータ取得方法はあるものの、肝心のそれを役立てる側が、<情報の読み方>を今ひとつまだ獲得していないようだ。
これまでも言われてきたことではあるが、情報の有効活用、ここへもより投資が必要となるだろうし、実際投資されるだろう。
(森山 和道/フリー・ディレクター/moriyama@moriyama.com
http://www.moriyama.com/)