今回は「バナー」、つまりホームページに貼り付ける、横長の広告について(別に縦長でもいいのだが)。
例えばmomentum MEDIA(http://www.momentum-hk.com/media/)というサイトのメンバーになり、そのバナーシステムに加入すれば、バナーによって直接収入を得ることができる。詳細は直接、momentum MEDIAのホームページをご覧頂きたいが、簡単に説明する。
メンバーがホームページにmomentum MEDIAのバナーを貼り付ける。メンバーのホームページがアクセスされる度にバナーが表示される。そしてバナーがクリックされた分だけ、メンバーがあらかじめ指定しておいた銀行に金が振り込まれるのである。つまり、momentum MEDIAは企業から広告を取り、一般ユーザーはmomentum MEDIAの代わりに「ちらし配り」をする、というシステムなのである。
国内のサイトでは、個人ユーザーレベルのバナー利用は、バナーによる相互リンクシステムがせいぜいであり、バナーのクリック数によってダイレクトに金銭が振り込まれる、というシステムは聞いたことがない。この差はどこから生まれたのだろうか?国内と外との文化の差なのか?まあ、momentum MEDIAも1クリック2.5セントに過ぎないし(100回クリックしても2ドル程度!)、おそらく、そう時間をおかずに日本でもこのシステムは登場すると思うが…。
さて、これは歓迎すべき動きなのか?これまで、広告を取ってサイトを維持することができたのは、ごく一部の例外を除くと法人に限られていた。個人ホームページは個人のボランティアで支えられている。それがごく簡単に、わずかとはいえ(金額はおそらく上昇していくだろう)、金銭的なサポートが受けられる、ということは、やはり喜ぶべきことなのだろう。
一方、ただでさえバナーはホームページ上に大氾濫している。中には、チラシで埋め尽くされた公衆電話ボックスのようなホームページもある。ネットの上では、どこへ行っても広告、広告、また広告、といった状況になってしまうかもしれない。
一方で、こういう広告を締め出す手段も生まれつつある。ブラウズ時に、広告だけを選択的にカットするソフトの登場である。CMをカットするビデオ、というのがあったが、あれのウェブ版だ。これはこれで面白い動きである。
広告を出す側、取る側、そして閲覧する側。この3者は、これまではそれなりに住み分けていた。しかし、ネットではこの3者が入り乱れている。ネット上での広告の行く末は、しばらく見つめてみないと分からない。
(森山 和道/TVディレクター/moriyama@moriyama.com/http://www.moriyama.com)