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★'98年のネット環境
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 金融界大不振の中、98年は幕を開けた。今年、ネット上では何が起こるだろうか。簡単にネットの様子を見回しておこう。  まずはハード面。衛星携帯電話がいよいよサービス開始となり、NTTによるComBaseもサービスが始まる。これまでとは全く違った、薄くて外光の下でも使える液晶パネルも登場予定だ。モバイル環境はいよいよ充実してくる。インターネット家電はもう一度売り込みをかけてくるようだが、個人的な意見を言えば、これの成功に関しては疑わしい。ターゲットの曖昧な製品が売れるほど世の中は好況ではない。  インフラはどうか。衛星、CATV、さらにこれまでのメタル線上での高速サービス、ますます普及が推進される光ファイバー。企業間はともかく、ごく普通の一般家庭にこれらが普及するのはまだちょっと先だろうが、どちらにせよ高速回線は否応なく普及してくる。  コンテンツは?広告はさらに増える。これは間違いない。バナー、ブランチが各ホームページに張り付けられるだろう。EC実験はさらに行われるだろうが、これは元来そういうシステムを必要としている欧米系の動きを見ておいた方が良いようにも思う。電子決済は、普及のカギとなる少額決済システムを巡ってビットキャッシュやSETなどが昨年同様、実験を続けていくだろう。98年にこれらが実用レベルにやってくるかどうか?今の段階ではまだまだ普及は無理ではないかと思うが、Eコマース全体にどれくらいの力と資本を傾けるか、目は向けておいた方がいい。日本で花開いた数々のメールニュースサービスの今後にも注目しておきたい。また、各種法整備にも。  一般ユーザーは、そろそろうんざりし始めている。97年に開始されたサービスの中でうけが良かったのが<全文検索エンジン>であったこと。これはユーザーの目が、おざなりの実験から実用へと移りつつあることを示している。一方で、ヘビーユーザーはあっと驚く実験を求めてもいるだろう。日本のネットユーザー人口は、まだ「10%」に達していない。「打ち上げ花火」と「実用サービス」が、「10%」の臨界点を突破させるかどうか。それともこのまま停滞してしまうのか。広がり続けるネット内外の「温度差」はどうなるのか。海外では何が起こるのか。  98年にネットは正念場を迎えている。

(森山 和道/フリー・ディレクター/moriyama@moriyama.com
http://www.moriyama.com/)



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