森山和道

サイエンスライター。科学書の書評屋もやってます。

吉崎航氏のロボット制御用ソフトウェア「V-Sido OS」、本格的ビジネス始動へ

without comments

報じられているとおり、ソフトバンク・グループのアスラテック株式会社から、
吉崎航氏開発の「V-Sido OS」が本格的にビジネス展開される旨が発表されました。
私も記者会見に出席し、インプレス「PC Watch」で下記のニュース記事を書きました。

ソフトバンク関連会社が制御ソフト「V-Sido」でロボット・ソフトウェア事業に本格参入
〜4本腕のヒューマノイドも登場。資本金は1億6,000万円に増資 – PC Watch

一般媒体同様、ニュース記事では
「ソフトバンクがロボットビジネスに関して二の矢を放った」といった体で書きましたが、
ずっとこの業界をウォッチしている私としては、
吉崎航さんらによるビジネスがソフトバンクの資本のもとで本格的に始まる—-。
そんな感じの話として聞いていました。

V-Sidoは吉崎さんがNAIST学生だった時代に個人で開発を始めたもので、
その後IPAの「未踏」に採用されたり(「人型ロボットのための演技指導ソフトV-Sido」)、
JST ERATO 五十嵐デザインインタフェースプロジェクトで、一部(ロボットを動かすことでCGキャラクターを動かすシステム)が継続開発されたりしてきた経緯があります。
(私による成果発表会レポート記事はこちら:エンドユーザーによる表現・デザイン・ものづくりを支援する ~「五十嵐デザインインタフェースプロジェクト」レポート

会見に行くと、懐かしい顔に出会いました。
今は株式会社アトモスデザイン代表である児玉哲彦さんです。
吉崎さんも学生の頃からご活躍だったわけですが、
児玉さんも学生の頃から異彩を放っており、何度か取材でお世話になりました。
研究者もいろいろですが、センスが良い人だなと感じたことが印象に残っています。

会見では児玉さんの左に座って聞いていました。
その児玉さんがブログで今回の発表について書いています。

ロボットの汎用OSとは?V-Sidoの挑戦

私も、ニュース以外にコラムとして解説を書こうかと思っていたのですが、
一般的には、これで十分だと思います。
技術者・開発者向けには、今後、アスラテック社が積極的に働きかけを行っていくものと思います。
聞く所によれば、早速セミナーなども行われているとか。

ただ、会見そのものは、率直に言えば、ちょっと残念でした。
V-Sido Connectというボードについては以前から開発中であることは発表されていたので、
「発売される」という発表なのかなと思っていたのですが、発売も未定、価格も未定。

また、出て来たロボットはほとんど動かず、記者たちの失望感が背中で感じられました。
あれはむしろ出さないほうが良かったのではないかと思いました。
デモもビデオが主体で実際にはやらないとなると、余計です。

何より、まずアスラテックとは何者で、どんな人がどのように参画している会社なのか、
どこまでを事業領域とするつもりなのか、といった基本的なこと諸々を、
最初にちゃんと紹介するべきだったと思います。

本当に興味深かったのは取材者と同じくらいの数がいた「関係者」の人たちです。
記事でも書きましたが、実に多種多様なロボット関係者の人たちの顔がありました。
どこまで実際にV-sidoが入り込んでいけるのか、今後に注目していきたいと思います。

RSSフィード
http://moriyama.com/feed

 iTunes Store(Japan)

Related posts:

  1. アルツの予見/人工知能研究あれこれ/カラスの知能/半身不随に電極移植/ハエの羽ばたき/イエスの妻/虫垂は腸内細菌のバランスを保つ/カフェインはタウ凝集を抑制/高齢者食を3Dプリント/Atlasのセンサー/V-Sido CONNECT/日本メクトロン触覚センサ/研究者向けクラウドファンド/STAP会見続く

Written by 森山和道

6月 14th, 2014 at 3:44 pm

Posted in ロボット