森山和道

サイエンスライター。科学書の書評屋もやってます。

平成24年度「富士総合火力演習」に行ってきました3(演習篇)

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演習中

演習中

平成24年度「富士総合火力演習」に行ってきました(当日朝、会場での席取りまで篇)」の続きです。

いよいよ演習開始なわけですが、演習そのものについては既に多くの方が詳細を動画込みでいろいろ書かれてます。ちょっと検索すれば、ノーカット動画も見られます。

そこで私がここで紹介するのは、一般人が見に行ったときの楽しみ方と私的雑感に限定します。

全体の内容を知りたい方には、

  • インプレス「CAR Watch」
    10式戦車が初参加した「平成24年度 富士総合火力演習」
    日本の島嶼部に侵攻した敵部隊を排除する設定で状況開始
  • 朝雲ニュース
    富士総合火力演習 「島嶼防衛」想定し3自連携
  • をおすすめしておきます。

    なお、マスコミやVIPの席からは、これらの写真のように射撃した車両とターゲットとを一枚に収めることができますが、一般が唯一座ることができるEスタンドではそうは見えません。発射したあとにカメラを右に大きく振らなければなりません。マスコミの人が撮っているような写真を撮りたければ、できるだけ左よりのシート席前列を狙うしかありません。

    演習は2段構成

    この記事にもありますが、演習はおよそ1時間ほどの「前段演習」、10分間程度の休憩をあいだに挟んで、30分ほどの「後段演習」という2段の構成で行われます。

    「前段」は火砲や戦車、ヘリなど陸上自衛隊の装備が一つ一つ紹介されます。最後は空挺の降下で一段落です。「後段」はあるシナリオに基づいて、各装備を組み合わせたかたちでの部隊運用となります。

    今年は「10式(ヒトマルシキ)戦車」のほか、海上自衛隊の対潜哨戒機「P-3C」や航空自衛隊の支援戦闘機「F-2」も登場しました。上をガーッと通っていくだけでしたが。そして実弾射撃を行いながら、自衛隊の射撃技術そのほかが紹介されていくわけです。

    一時間程度ある「前段」と違い、「後段」はあっという間です。最後は地上部隊のほかヘリが会場にわーっと入って来て、発煙弾で幕となります。「総火演」といえばお馴染みの絵ですね。派手だからでしょう。

    カメラも強烈な日射しにあぶられる

    赤旗が射撃する車両

    赤旗が射撃する車両。緑旗は射撃しない

    演習が始まる前には、ターゲットである前の山の場所そのほかも紹介されますし、装備が出てくるたびに一つ一つ丁寧にアナウンスされます。射撃のタイミングもアナウンスされます。射撃する装備は赤色の旗を立てていますから、射撃シーンを撮りたい人は、それを狙えばいいでしょう。緑色の旗を赤色に差し替えたら間もなく射撃です。なにしろ相手が大きいですから撮影は比較的簡単です。マズルフラッシュなどを狙おうと思ったら話はまったく別ですけど、そういう方には言うまでもないでしょう。

    ただし、ここでひとつ気をつけなければならないことがありました。平成24年度は天気が良く、とにかく明るかったのです。ところが最近のコンデジには背面ディスプレイのみで、ビューファインダーがありません。もうお分かりでしょう。演習場では明るすぎてディスプレイが見えなかったのです。

    手で陰を作ってもダメです。かろうじて見えるのは、山や雲のかたちのみ。それを頼りに撮るしかありませんでした。これには参りました。液晶シェードの類いをつけておくべきでした。あの強烈な日射しでは着けておいても効果なしだったかもしれませんが。

    カメラに対する誤算はもう一つありました、カメラに直射日光がガンガンあたるため、あっという間にカメラがアツアツになってしまうのです。電子機器が直射日光に弱いことは言うまでもありません。タオルでくるんだり陰を作ったりしながらの撮影となりました。この2点はまったく予想していませんでした。

    風圧と鍛錬された人の姿を体感すべし

    もっとも、どうせ撮影はうまい人たちがやってくれますし、ネットでいくらでも見られます。撮影ばかりに熱心になるよりも、せっかく来ているわけですから、肉眼で見て、体感することのほうが大事です。着弾した光景と音、それと風圧のズレ、戦車が砲撃するときの、分かっていても思わず声が出て手がぶれてしまうほどの風圧。これらはあの場でしか体感できないものです。

    「大きな音がします」とアナウンスされますが、音自体は、まあ予想の範疇です。ですが空気の塊で頬をはたかれるような風圧は、予想を上回るものでした。スタンドで見ていてもそうなのですから、シート席の前のほうだとなおさらでしょうね。そこを狙う人がいるのも分かります。水族館のアトラクションで、イルカショーで水をかけられる席が特等席なのと同じです。思い切り衝撃を体感するといいでしょう。

    そういえば耳栓も念のため買っていたのですが、けっきょく使いませんでした。

    それにしても自衛隊の人たちは耳栓はどうしてるんでしょうね。そもそも戦車の動きを見ると分かりますが、時速数十キロで走行からいきなり急停車して砲撃、最新の「10式」に至ってはジグザグ走行中に砲撃をしてるわけで、普通の人ならムチウチどころでは済まないと思います。ちなみに、なかはもちろんクーラーなどはないそうです。

    ガンガン撃つだけではありません。空挺の降下では観客から自然に拍手が起きました。実際に鍛えられた技を見せる人の姿がはっきりすぐ目の前に見えること、それに人は感動するのだなと思いました。

    ショーとしての演習

    10式戦車

    10式戦車

    ただ、見ていると「やっぱりただのショーだなー」と思うところもありました。当然のことですが。撃っているのは実弾で、対人兵器でさえ初見の私には「ほんとにこれ対人兵器なの?」と思うような衝撃が伝わってくるほどの火薬量だったのですが、相手は結局のところ、止まっているだけの的です。せめてラジコン自動車くらい狙ってみたらどうなんだと思うのですが、安全性を考えると難しいのでしょうか。

    おそらく自衛隊にとっても、消防署が出初め式のときに放水しますが、あれと同じようなものなのでしょう。もともとこの演習は、消費期限切れが近い弾丸を消費するという面もあると聞いてます。

    また、山はたいへんなことになってますし、周囲の観客は盛り上がりまくっており、なるほど、攻撃している側ってこんな感じなのね、ということは分かりました。前述のように戦車のような乗り物に、普通のテンションで乗り続けることは難しいだろうなと思いました。

    一方で、攻撃されている現場のほうがどういう感じなのかは全然分かりませんでした。実際の戦場では一方的に攻撃するのではなく互いに撃ち合ってるわけですし、できればカメラ映像などで見られるといいんじゃないのかなと思いました。もっとも、現状で会場に置かれている大型スクリーンもほとんど見えませんので、どういう方法がいいのかは分かりませんけども。

    帰りの渋滞を避けるため、終了前あたりから席を立つ人が増えますが、演習終了後は、ついさっきまでガンガンやっていた戦車やヘリを間近で見られる「装備品展示」となります。今回は最後までじっくり堪能しました。

    演習が終わって退場していく戦車部隊に手を振る人たち。

    装備品展示篇」に続きます。

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    Written by 森山和道

    8月 29th, 2012 at 3:44 pm

    Posted in レビュー

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