森山和道

サイエンスライター。科学書の書評屋もやってます。

平成24年度「富士総合火力演習」に行ってきました1(準備篇)

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8月26日(日)、一般公開での実弾演習として知られる自衛隊の「富士総合火力演習」に行ってきました。
本物の自走砲や戦車が撃つところが見られるイベントです。
せっかくなので、自分のメモを兼ねていろいろまとめておこうと思います。

始まりはハガキから

ハガキ

始まりはポストに入っていた一枚のハガキからでした。
素っ気ない昔のワープロみたいな印字。裏を返すとびっしりと文字と地図。
最初なんだか分かりませんでしたね。
富士総合火力演習(略称:総火演、そうかえん)の当選ハガキであることに気づくのにちょっと時間がかかりました。

今まで何度も応募していたのに一回も当選したことがなかったので、たぶん今回もダメだろうと思っていたんですよね。
抽選の倍率は当日配られた「防衛ホーム」の号外によれば、はがきで15.6倍、インターネットで14.4倍だそうです。

これはもう行くしかない! 早速いろいろ準備を始めました。
まずはひたすら検索です。
幸いにして今は多くの方々がネットで総火演観覧記をまとめてくれています。

検索で現地当日の状況を知る

シャトルバス

シャトルバス。あたり外れがあります。これはあたり。

演習の時間は10時から12時。最寄りである御殿場駅から演習場までは有料シャトルバスが出ています。片道550円で、およそ20分くらい。朝7時からシャトルバスは出るとハガキには書かれていました。
しかもバスはじゃんじゃん来るとか。

これだけ聞くと、「お、ラクチンなイベントだな」と感じると思いますが、実はそうではありません。

演習場での観覧席には「スタンド席」と「シート席」があります。「シート席」の後ろに仮設の「スタンド」があるというかたちです。

自衛隊関係者や招待者、プレスなどにはスタンドが用意されていますが、一般人が座れるのは「シート席」とスタンド席の端っこの「Eスタンド」のみ。基本的に早い者勝ちなのですが、スタンドの座席数は少なく、早朝には半分くらい埋まってしまうとのこと。かなり早い時間から動かないと大変だということはすぐに分かりました。

シートはA-Eまで座れますが、それも基本的に前列から整列して詰めて座らされるという方式で、場所が取り放題なわけではありません。地べたにシートを敷いているだけのところに押し込まれて何時間も座るのは苦痛が容易に予想できました。

シート席のほうが演習場への距離が圧倒的に近いので、戦車が撃ったときの風圧などをモロに感じられるので良い、という話もあるのですが、待ち時間も含めて長時間であることを考えると、できるだけスタンドを狙いたいと思いました。

前泊の宿を予約する

沼津駅から見た朝の富士山

会場が開くのは6時頃からだとのこと。早朝から会場入りをしたいのであれば、前泊するしかありません。できれば御殿場に宿を取るべきです。御殿場にもいくつかビジネスホテルがあります。

しかしながら、ハガキを受け取ったときにすぐに調べたのですが、既に一部の高価なホテルを除いて、御殿場市内のホテルは埋まっていました。どうも抽選があたろうがあたるまいが、先に見越して予約している方が多いようです。毎年見に行っているミリタリー・マニアだろうと思います。

仕方ないので近隣で探すことにしました。ところが近くには適したところが今ひとつ見つからず。結局、沼津に宿を取ることにしました。東京側ではなく沼津にしたのは、そのほうが始発に乗れると踏んだからです。また沼津にはビジネスホテルが多数あり、選択に困りません。

御殿場線の始発は朝6時に沼津を出て、6時半頃に御殿場に着きます。最初は始発に乗るつもりまではなかったのですが、いろいろ調べた結果、やはりスタンド席に座ることを狙うために、始発に乗ることにしました。

あとでお話しますが、これが正解でした。

長時間の着座に備える

シート席

シート席。このあと後ろまで埋まります

さて、宿を予約したあとは、当日の準備です。演習場のある御殿場は、駅前で標高457メートル。晴れれば日射しはきつく、富士山の近くなので天候が急変することもあります。また、シート席になってしまうと、地べたにアグラをかくことになります。

シート席に座るときには、まず横一列に並ばされて、あいだをつめるように言われます。そしてそのまま前進して着席です。つまり立っているときの間隔が、そのまま左右との間隔になります。

座る位置にはロープが張られ、その前に座ることが要求されます。そのため前後の人との距離も近くなり、足を伸ばすこともできません。その状態で数時間座るのは足腰に負担がかかります。腰痛持ちの自分にはかなりつらいことが容易に予想できました。またもちろん、高さの勾配はほとんどありませんので、前のひとたちの体が見るためには邪魔になります。もちろん自分たち自身も邪魔にならないように背中を丸めていなければなりません。

そしてスタンド席は限られているので、シート席に座る可能性はかなり高いことになります。ググってみたところ、御殿場線の始発に乗って、スムーズにシャトルバスに乗ったとしても、スタンド席は既に埋まっている可能性が高いとか(実際にあとで分かりましたが、そのとおりでした)。となると、シート席に座ることを考えなければなりません。

固い地面に背もたれなしで長時間座るのはかなりきついのは最初から分かっていました。そこで購入したのがチェアマットと、軽量折り畳みの座布団です。チェアマットについてはこちらで書いたとおりです。背もたれはあてにはなりませんが、ないよりははるかにマシですし、降り立たんだままの状態だと二重のクッションとなります。軽量座布団のほうは100円ショップの品にしました。

それと、シートですが、このシートはいわばバミるためだけのもので、地べた同然。みんな土足で上がりますし、汚れはもちろん、雨や夜露などで湿っていることも大ありです。そのために、シートも購入しました。100円ショップを歩きながら思いついたのですが、もしかすると、クッション性と防水性を兼ね備えており、かつ安価な人工芝のジョイントマットなどを座布団代わりに使うと良いかもしれません。

炎天下に備える

炎天下

演習終了後の「装備品展示」にて

暑さへの対策ですが、演習が行われているときは視野を遮る日傘などは使用禁止です。自ずと帽子とタオルになります。帽子はツバ広のものが良いですが、あまり広いと後ろの人の迷惑になりますので、適度な鍔を持ったハットになります。軽い農作業用の帽子などが良いと思います。特に横や後ろにひだを垂らして顔への日射しを遮る帽子がベターです。

日射しも強いので、サングラスをかけられる人は、かけたほうがいいと思います。マスクがあったほうが、という話もありましたが、そこまではいらないでしょう。タオルを多めに持っていくくらいでいいかと思います。

タオルは肌を覆うのにも使えます。基本的に、できるだけ肌が露出しない服のほうが涼しいです。直射日光で肌を焼かれないように。ただ、そうはいっても長袖のシャツは重いしな、という人は、袖にはめるカバーなどを使うといいかと。いろいろ試してみてください。

日焼け止めはもちろん必須です。海水浴のときに塗るような強力な奴が良いです。それと最近発売されている、気化熱を利用した冷感タオルもなかなか良かったです。アルコールを使った制汗シートの類も気持ちいいです。ガンガン顔を拭ける大判をおすすめします。女性はメイクが落ちることを気にすると思いますが、落ちたらまたしてください、と言うのは無理かもしれませんが……。

あとは水です。売店があって、150円で冷たいペットボトルを売っていますが、シートにせよスタンドにせよ、席は一度座ってしまうと歩く場所がないので動きにくいです。一人ペットボトル2本くらいは持っていたほうがいいでしょう。一本は凍らせておくと、さらに良いと思います。

自分たちもスポーツドリンクのほか、氷を持っていくつもりで折り畳める軽量水筒も持参したのですが、ホテルの冷蔵庫にうっかり忘れてきてしまいました。これまた100円ショップで買ったものですが、これは当日、かなり残念でした。

なお水ですが、あまりグビグビ飲むとトイレが近くなります。のどが乾く前に、ゆっくりとちょっとずつ飲むのがコツです。トイレは建設現場にあるような仮設トイレです。女性用は並ぶ必要はありません(トイレの台数に比べて女性の数が相対的に少ないので)。男性用もいっぱいありますが、男ばっかりなので並ぶことがあります。

雨に備える

空挺降下

空挺降下

雨が降ることもあります。実際に、雨が降ったときの様子がYoutubeに挙げられていたので見ましたが、シート席で見るのは悲惨な感じでした。「これも演習だ」と自分に浸れる人以外は、かなりつらいと思います。が、富士山の麓にある以上、天候急変はやむを得ません。ある程度の雨具持参は必須です。

登山用の軽量高級カッパ+ポンチョというのが最強の組み合わせですが、ふだんまったくカッパを使う機会がない私は懐と相談して、100円ショップのカッパ+ポンチョと晴雨兼用の傘で妥協しました。

傘は前述のとおり本番中は使えませんが、行きや帰りの行列に並んでいるときは使っても大丈夫ですし、あったほうがいいと思います。

それと靴ですが、演習場は富士山の麓、つまり火山。ジャリジャリです。防水も考えて、できればハイキングシューズ、せめてスニーカーにすべきです。僕は軽登山靴にしました。実は20年前から同じものを履いています。

カメラと双眼鏡

砲撃された山

砲撃された山

カメラは、三脚が基本的に使えません。熱心に撮影するつもりもなかったので最初から持っていく予定はありませんでしたが、検討して、「MONOPOD」という軽量一脚を新規に購入しました。仕事じゃないので真面目に撮るつもりはなかったですが、自分の性格から、撮り始めたら撮り続けちゃうだろうなあと思ったからです。

カメラ本体は軽さと動画中心ということで、ソニーのコンデジにしました。これについては、一つ、非常に大きな誤算がありました。そのことは後で書きます。

小型の双眼鏡も購入したのですが、待ってる間には3km先の的をのぞいたりしましたが、いざ演習が始まると覗き込むヒマはあまりありません。あってもなくてもいいと思います。まあ、覗くとちょっとは的の大きさとかが実感できるかなとは思います。

取りあえず準備篇としてはこんなところでしょうか。全体的に、アウトドアはもちろんですが、避難グッズ的なところと共通しています。トイレや売店はあるものの、基本的に各自自分で自分の面倒を見られるように、ということになるので、似てしまうんでしょうね。

演習観覧で使わなかったものも、買っておけば避難グッズ袋に入れておけば(ないにこしたことはありませんが)使う機会があるかもしれません。

続きはこちら。
平成24年度「富士総合火力演習」に行ってきました(当日朝、会場での席取りまで篇)

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Written by 森山和道

8月 28th, 2012 at 8:22 pm

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