森山和道

サイエンスライター。科学書の書評屋もやってます。

書評 『宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎』

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「週刊現代」2010年10月23日号 新書DEカルチャー欄 掲載

宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎
(村山斉 著 幻冬舎新書 定価800円+税 ISBN 978-4-344-98188-1)

 相手の正体を知るには由来の把握が重要だ。宇宙はビッグバンで生まれ、今も膨張し続けている。だとすると元々は極少世界から始まったことになる。それ以上は小さくできない「素粒子」の世界に踏み込まないと、宇宙が何でできているか、どんな法則に支配されているのかは理解できない。村山斉著『宇宙は何でできているのか』は「ものすごく小さくて大きな世界」を探求する研究者が、これまでの経緯と最先端の現状を、平易なテキストで解説した本だ。

 驚くべきことに、宇宙にある星やガスを全部集めても全エネルギーの約4.4%にしかならない。残りの96%にはダークマター、ダークエネルギーという名前が付けられている。正体は誰も知らない。だが「ある」としか考えられないので仮定されたのだ。棚上げにされている。そうして研究を進めると、やがてすんなりと仮定の正誤が理解できる。科学はこれまでもそうやって進んで来たことが、この本を読むと良く分かる。

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)
村山 斉
幻冬舎
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Written by 森山和道

12月 9th, 2010 at 9:08 pm

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