99年9月SF & Horror Book Review



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  • 宇宙消失
    (グレッグ・イーガン 山岸真 訳 創元SF文庫 700円)
  • 2034年、地球の空から星々が消えた。観測の結果、太陽系全体が「事象の地平線」に似た空間で閉鎖されていることが判明。正体不明の暗黒は、バブルと呼ばれるようになった。
    それから33年。星々が消えたこと以外は変わらない生活が続いていた。人々は神経生理・薬理学とナノテクノロジーの融合成果である人工人格システムによって能力を拡張、日々を送っていた。主人公・元警官のニックもその一人。そんな彼の元に一つの依頼が舞い込んだ。厳重に管理された病院から消えた一人の女性の行方を探して欲しいというのだ。

    みんなが誉めているのでツンドクの中からまず選んで、読んでみた。第一部がたるくってなんじゃこりゃ。エフィンジャー『重力が衰えるとき』をだるくしたような感じで話が進む。ところが第2部から話は量子論の観測問題を取り入れたホラ話──SF世界ではこういうのをワイドスクリーンバロックと呼ぶと僕は思っているのだが──へと変わっていく。
    でもどちらにせよ、これだけの分量はいらないんじゃないかな。話が見えちゃうところから、今ひとつ発展してくれなかった。最近のSFなら、もうちょっとラスト50ページの展開をなんとかして欲しかったな。

    余談ですが、ラストのほう、『超時空世紀オーガス』が頭をよぎったのは私だけではないと思う。。。


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