湖のそばの美しい街・ジョージア州ラグーン。異常な寒波とともに、事件は突然起こった。善良なホテルの経営者ベン・ナッシュが、突然29人の人間に向かって銃を乱射、10人以上を殺害したあと、自殺したのだ。彼の元恋人にして医師であるフェイ・ドノヴァンは検死によって彼の体の異常に気づく。未知の皮膚病に感染した上、視床下部が異常に肥大していた。だがこの事件は始まりに過ぎなかった。次々に起こる奇怪な殺人、失踪事件、広がる感染。その影には軍と製薬会社の姿もちらつく。いったい何が起こっているのか?フェイはベンの弟・スコットと事件の謎を探ろうとする。だが感染がやがて臨界を超えたとき…。
これに、においを媒介にしたエンパス/テレパス能力を持つ少女、知恵遅れではあるもののある種の透視能力を持つ若者などが興を添えるのだが、そんなのははっきり言って本書の内容のごくごく一部でしかないのだった。
前半、中盤は普通の展開。まあ、ハリウッド的だけどそこそこ読める。
だが、本当に面白くなるのは500ページを過ぎたあたりから(本書は640ページある)。この辺にいたって物語が通常のホラー小説とかなり変わってくるのだ。いやー、こういう展開は結構好きだな。無駄な要素も多いし、ちょっと文章力が足りなくてなんだかわけがわからなくなってるのが残念だけど、これはなかなか笑えました。ネタバレになるので言えないのが残念。まさかこういう風に展開するとは全く思っていなかっただけに、びっくりびっくり。SFファンには受け入れやすいのではなかろうか。
しかしこれって、マグレガーのコア・ファンからみるとどうなんでしょう。気になるところではある。
僕はマグレガー未読だと思っていたのだが、あとで帯を見て『霊能者狩り』で彼女に出会っていたことに気づいた。もっともほとんどストーリーを覚えていないので全く関係ないのだが。
解説:笹川吉晴氏。
この解説文には完全にシンクロ。そうそう、アレと同じ感覚だよな、これって。